TVRに再び暗雲。新型グリフィスの生産開始はいつになるのか?

テクノロジー・業界分析

TVR Griffith front
TVR グリフィス

2017年に新型グリフィスを発表し、ブランドの復活を高らかに宣言したTVRでしたが、未だに生産は始まっていません。
それどころか、まだ工場も完成していないのです。

そのTVRに財政問題が浮上しました。
大規模な資金調達が必要だとされています。


TVRの財政問題

なぜ生産が遅れているのか?

TVR Griffith rear
TVR グリフィス

新型グリフィスが発表されてから3年が経過したにもかかわらず、TVRはグリフィスをまだ1台(つまり発表したやつだけ)しか生産していません。
工場の改修が完了していないからです。

TVRが使う予定のエブブ・ベール工場は、ウェールズ政府が再生し、その後リースすることになっています。
しかしウェールズ政府がTVRの株式を3%保有しているため、EUはTVRを国有企業とみなしており、工場の改修工事にはEUの許可が必要です。

この許可を得るために時間がかかり、TVRは改修計画書をブレナウ・グウェント郡自治区(エブブ・ベールの所在地)評議会に提出するのに手間取りました。

ですが評議会の決定はまだ行われていません。
TVRが生産に必要な資金を調達でき次第、改修工事の計画が承認されると評議会側は主張しています。
つまり、資金調達がマストなのです。

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TVRの財政状況

TVR Griffith interior
TVR グリフィスのインテリア

TVRは823万ポンド(約10.9億円)以上の負債を抱えています。
この数値は2020年3月時点のものなので、現在はさらに膨れ上がっているかもしれません。

一応、210万ポンド(約2.8億円)の資産があるものの、ウェールズ政府と金融会社から借りた合計500万ポンド(約6.6億円)のローンを返済しなければならないため、早急な資金調達が必要です。

TVRはアイルランドのオーダシア・キャピタルという会社を通じて、ダブリン証券取引所で社債を発行し、2,500万ポンド(約33億円)を調達しようとしています。
新型グリフィスは既に4,000万ポンド以上の受注があるとTVRは主張し、それを根拠に社債を発行しようとしているようですが、パンデミックの影響下で資金調達できるかどうかは不透明です。

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新型グリフィスについて

新型グリフィスの概要についてはこちらのリンク先をご覧ください。
現在も基本的なスペックは発表時と変わっていないようですが、エンジンを最新のフォード製5.0リッターV8「コヨーテ」に変更すべく交渉しています。
これはEUの排ガス規制に対応するためです。

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