WRC2017 ラリースウェーデン トヨタ復帰後初優勝!【2/12更新】

WRC,モータースポーツ

今日(2月9日)から3日間、WRC・ラリースウェーデン2017が開催されます。
デビュー初戦で早くも2位表彰台を獲得したTOYOTA GAZOO Racingですが、スピード的にはトップと1kmあたり0.5秒以上の差があり、上位でフィニッシュするにはライバルたちのリタイア頼みというのが現状です。

トヨタとてそれを理解しているので、今年の成績に関しては慎重な姿勢を崩していません。
スウェーデンでもデータ収集が最優先のはずですから、エースのヤリ-マティ・ラトバラも堅実な走りに徹するでしょう。

チャンピオンシップにおいては、初戦のモンテカルロで優勝したセバスチャン・オジェ(フォード)が優位に立っていますが、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)がリタイアするまでに見せたスピードは圧倒的でした。
超高速ラリーとなるスウェーデンでも、ヒュンダイ+ヌービルが速さを見せるのか注目です。

このページではラリースウェーデンの各デイごとの結果や、ドライバーコメントなどのリキャップ(要約)を、随時追加していきます。

更新情報

ラリースウェーデン 4日目を更新しました。(2017/02/12)

ラリースウェーデン 3日目を更新しました。(2017/02/12)

ラリースウェーデン 2日目を更新しました。(2017/02/11)


プレ・イベント・テスト(PET)

以下の動画は、ラリースウェーデンの直前に行われたテストの様子を捉えたものです。

シトロエン

クレイグ・ブリーン

シーズン前のテストでは好調そうに見えたのに、モンテカルロでは散々な結果に終わったシトロエン。
ハッキリとした原因は不明ですが、もしかするとC3 WRCは、ダウンフォースに頼りすぎなのかもしれません。

今年のモンテカルロは、デイ1の時点ではまだ雪が多く残っていたため、平均速度が遅く、エアロダイナミクスが効果的に機能しない状況でした。
モンテカルロは基本的にターマックセッティング+スタッドの短い(もしくはスタッドレス)タイヤで走るので、雪の上ではそれほどスピードを出せません。

一方、スウェーデンではスノーセッティング+スタッドの長いタイヤを装着するため、猛烈にグリップするそうです。
特に横方向のグリップが強烈で、コーナーの数十メートルも手前からドリフトしたまま突っ込んでいけると、新井敏弘選手がかつて語っていた記憶があります。

もし上記の「C3 WRCはダウンフォースが少ないと速くない説」が正しければ、超高速ラリーのスウェーデンなら活躍できるはずです。

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トヨタ


なんかエンジンがバラついているような……。
モンテカルロのときもエンジンにミスファイアが出ていたようなので、ちょっと心配ですね。
アンチラグシステムの作動音であればよいのですが、ライバルと比べて濁った音なのが気になります。

中低速コーナーが連続するセクションなので、ハンニネンは左足ブレーキを多用しています。
ライントレースもきっちり出来てますし、悪くないように見えます。


ラトバラの走りは圧巻ですね。
今年のWRカーは速すぎて、見てて怖いくらいです。

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フォード

https://www.youtube.com/watch?v=HbvT2m3SKwI

フォードは4台目のフィエスタWRC’17を投入します。
オレンジと黒のフィエスタをドライブするのは、マッズ・オストベルグです。

彼はこれまでに表彰台に16回上っているのですが、そのうち5回はスウェーデンです。
フィエスタの戦闘力はモンテカルロで証明済みですし、ダークホースになるのではないでしょうか。

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シェイクダウンの結果

順位 No. メーカー ドライバー ベストタイム
1 14 フォード M.オストベルグ 4:11.6
2 8 シトロエン C.ブリーン 4:11.7
3 4 ヒュンダイ H.パッドン 4:12.1
4 7 シトロエン K.ミーク 4:12.2
5 6 ヒュンダイ D.ソルド 4:14.0
6 5 ヒュンダイ T.ヌービル 4:14.5
7 3 フォード E.エバンス 4:15.1
8 2 フォード O.タナク 4:16.1
9 15 シトロエン S.ルフェーブル 4:16.1
10 10 トヨタ J-M.ラトバラ 4:16.2
15 11 トヨタ J.ハンニネン 4:28.4
17 1 フォード S.オジェ 4:29.9

ステージ距離:7.23km

シェイクダウンのタイムは後になるほど良くなっていたので、コンディションの影響が大きかったのだと思います。
また、オジェなどはタイヤを温存していたそうなので、このタイムからスウェーデンでの優劣を推し量るのは難しそうです。

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ラリースウェーデン 2日目

SS1は初日の夜に行われました。
トヨタ復帰後初のトップタイムを、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ)が記録しましたが、ステージはスウェーデン・カールスタッド市内に設けられた1.9kmのスーパー・スペシャル・ステージ(SSS)ですから、あくまで参考タイムでしかありません。

2日目 午前

SS2(18.47km)

翌日の朝8時から始まったSS2では、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)がトップタイム。
モンテカルロでの好調は、フロックではなかったようです。

そのモンテカルロで激闘を繰り広げたセバスチャン・オジェ(フォード)は、なんとトップから+10.7秒遅れの10番手タイムで、出だしから躓いてしまいました。
「難しかった。特にここは狭いセクションで、しかもスリッピーだったから」

ラトバラはトップから+4.6秒遅れの4番手タイムでした。
「ヤリスは運転しやすく、バランスも良い、だけど長ーいストレートからのジャンプでは信頼できない、シェイクダウンの時からそうなんだ。なんとかしなきゃなあ……」

SS3(21.26km)

続くSS3でもヌービルがトップタイム。もちろん総合首位です。
「リアはちょっと良くないですね。だがペースノートが少し速すぎたので信頼できないなと思い、最後の方はペースを落としました。昨年の車と比べると本当に速いです。」

ラトバラは+0.6秒遅れの2番手タイムでした。総合でも+4.6秒遅れの2位につけています。
「ここはとても速いセクションなんだ。200km/hに何度か届いたよ! 典型的な冬のラリーステージだけど、コンディションは良いね」

SS3の3番手タイムは、シトロエンの若手クレイグ・ブリーン。総合でも1つポジションを挙げ8位に。
「超信じられねー! 最初にやらかしたせいで十分な結果ではなかったけど、1kmごとに学んでるよ。だからこれからはどんどん笑顔になっていくはずさ!」

SS4(24.88 km)

午前中最後のステージであるSS4(24.88 km)では、ラトバラがこのラリー2度目のステージトップ! 総合でもヌービルから首位を奪還しました。
「とてもよいステージだった、完璧! いいフィーリングだ。昨年はドライブシャフトが壊れていたので、こんな感覚を味わえなかったよ。フロントのサスペンションを固めたんだけど、車は調子いいね」」

+8.5秒遅れの2番手タイムはヌービル。
「深くインカットしたら何かをハードヒットしてしまったので、その後は大事をとりました。少しタイムを失いましたが、このコンディションだから(安全策をとった)価値はあると思います。」

+18.8秒遅れの3番手タイムは、クリス・ミーク(シトロエン)。総合でも3位です。
「オーケー。でも、ヤリ-マティは空でも飛んでんのか! ま、オレは自分のリズムで走るけどね。」

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2日目 午後

午後は午前中のステージのリピートとなります。

SS5(18.47km)

トップタイムはヌービル。
「道路の状態は(午前とは)少し変わってました。朝は他のドライバーに対してアドバンテージがあったんですけど……さて、どうしましょう?」

2番手タイムはヘイデン・パッドン(ヒュンダイ)。総合でもトップから+41.3秒差の6位に浮上しました。
「いいね。車のセッティングを少し変えたんだけど、それでかなり(車の動きを)信頼できるようになった。コーナーには轍が沢山あって、それらに乗るとパンクしたかと思うほどだったけど、でも大丈夫だった」

3番手タイムはオットー・タナク(フォード)。総合でもトップから+23.5秒差の3位に浮上しています。
「車はいいよ。ちょっとリアのグリップが足りてないけど、このステージでは問題なかった。」

トヨタ勢はラトバラが4番手タイムを出し、総合2位(+3.8秒差)を守りましたが、ユホ・ハンニネンが木に激突し、モンテカルロに続いて車を壊してしまいました。
ハンニネンは一応はラリーを続行しているものの、競技スピードでの走行は不可能なようで、スロー走行となっています。

SS6(21.26km)

ヌービルがまたもやトップタイム。
「ラインを維持して効率良く走ることを心がけました。ハードにプッシュすると、グリップを失ってしまうので」

+2.3秒差の2番手タイムで続いたのはラトバラ。総合でも+6.1秒差の2位ですが、ヌービルに少しづつ差を広げられています。
「轍があって、リアの挙動を抑えるのが難しい。正確なドライビングをしなければならないんだ。ヤリスに乗っている時の気分はとても良いよ。後方スタートのドライバーはワイドなラインを使えるから有利だと思う、我々の見立てではね」

+3.8秒差の3番手タイムはパッドン。総合でも5位のオジェに+4.1秒差にまで迫ってきました。
「午前中からは大きく改善した。車に乗せられてるんじゃなくて、車を運転できている。アクセルをもっと踏むために、ブレーキの頻度をもう少し減らしたい」

SS7(24.88km)

ヌービル3連続ベスト! しかも圧倒的なタイムで、総合タイムでも2位ラトバラを一気に突き放しました。
「正直言って最高のステージでしたが、グリップはどこかに消えてしまいました。スタッドを失ったような感じです。午前はヤリ-マティが優勢でしたが、今日の午後は(後方スタートゆえの)掃除されたクリーンなラインの恩恵を受けています。車は順調です、どんどん良くなってますよ。」

+11.8秒差の2番手タイムはミーク。総合順位では3位(+41.6秒差)に浮上しましたが、すぐ後ろにオジェが迫っています。
「リズムを取り戻した。ステージの中間あたりからスタッドが脱落しだして、それで後退した。自分ではいいタイムだと思ってたんだが、ティエリー(・ヌービル)の方が輝いて見えるなあ」

+16.4秒差の3番手タイムはオジェ。先頭走者ゆえに雪かき役となり、苦しい走りが続いています。
「とてもタフな午後になっている。明日もう一回このステージを走るけど、もっと良いコンディションだといいね。」

ラトバラはヌービルから+17.9秒遅れの5番手タイム。総合順位は2位のままですが、ヌービルとの総合タイムの差は、+24秒にまで広がってしまいました。
「このステージは良くなかった。ハードに攻めたんだけどね。コンディションが悪く、ラインがとても狭かったんだ。ミスを犯して、ところどころでワイドになってしまった。かなりタイムを失ったと思う」

SS8(16.43km)

ヌービルの連続ベストに待ったをかけたのはタナクでした。総合でもオジェとミークをかわして3位に浮上です。
「出走順が早い(タナクは3番手スタート)のは本当に難しかったけど、今日の走りには本当に満足している。土曜日にベストのスタートポジションを得るために、今日は本当にハードにプッシュした。おかげでいい位置につけたから、明日はいい日にしないと」

ヌービルはこのステージで2番手タイムでしたが、タナクとの差はわずか+0.7秒。2日目の午後をほぼパーフェクトな結果で終えました。総合順位はもちろんトップのままです。
「トリッキーで暗く、しかもドアが開いてしまい不安でした。タイヤはまだグリップが残っていたんですけど、最後まで持たせる走りをしました」

+4.8秒差の3番手タイムはラトバラ。総合ではトップから+28.1秒差で、2位をキープしています。
「すっごい滑るよ! スノーバンク(除雪作業で道路横に積み上げられた雪のこと)もアイス路面も無いんだ。丁寧に行こうとしたけど、タイヤが摩耗してきちんとした正確なライン取りをできなかった。代わりに横滑りするしかなかったよ。」

2日目終了時点での総合順位

順位 選手/# メーカー タイム/トップとの差
1 T.ヌービル 1:16:24.7
#5 ヒュンダイ ──
2 J-M.ラトバラ 1:16:52.8
#10 トヨタ +28.1
3 O.タナク 1:17:14.4
#2 フォード +49.7
4 K.ミーク 1:17:16.5
#7 シトロエン +51.8
5 S.オジェ 1:17:20.4
#1 フォード +55.7
6 H.パッドン 1:17:42.5
#4 ヒュンダイ +1:17.8
7 D.ソルド 1:18:19.0
#6 ヒュンダイ +1:40.3
8 C.ブリーン 1:18:19.0
#8 シトロエン +1:54.3
9 E.エヴァンス 1:19:26.2
#3 フォード +3:01.5
10 S.ルフェーブル 1:19:48.3
#15 シトロエン +3:23.6

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ラリースウェーデン 3日目

土曜日と日曜日はリバーススタートです。
つまり前日のRC1クラス(新旧WRカーのクラス)の最下位からスタートし、最後にトップが出走します。

3日目 午前

SS9

この日最初のステージとなるSS9でベストタイムを叩き出したのは、オットー・タナク(フォード)でした。

ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ)は4番手タイムと、3番手タイムを記録したティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)に対し、やや出遅れてしまいます。

「レブリミッターに当たっている時間が長かった」とラトバラ。「でも少し慎重になりすぎたよ。アタックモードに入れなかった」

SS10(15.87km)

次のSS10でもタナクがベスト。
2番手は+0.1秒遅れでヌービル。
ラトバラも頑張って+2.7秒遅れの4番手タイムを記録しているのですが、総合3位のタナクからは差を縮められ、首位のヌービルからは引き離される苦しい展開が続きます。

ヘイデン・パッドン(ヒュンダイ)はSS9でパワーステアリングが壊れたため、このSS10を重ステで走り抜けなければなりませんでした。
「不可能だ。 何とかステージを通過しようとベストを尽くしたけど、きつい……。 私の腕が取れてないか確認してくれ……」

SS11(14.27km)

このステージでもタナクがベスト。3連続ベストで、総合2位のラトバラとの差を10秒以下にまで縮めてきました。

ラトバラはトップから+3.4秒遅れの2番手タイムでしたが、ヌービルはラトバラに+0.4秒遅れた(トップから+3.8秒遅れ)だけの3番手タイムで続いたため、総合タイムの差を挽回することはできませんでしたが、それには理由がありました。ラトバラのコメントです。

「本当にナイスランだったけど、これ以上は無理だ。今朝まちがってスペアタイヤを2本積んじゃって……。車体の後方に余計なウェイトを積んでいるから、ロングコーナーで遅く走る羽目になってる」

3日目 午後

SS12(31.6km)

観客がコース上に溢れたため、ステージキャンセルとなりました。

(訂正)平均速度が速すぎて危険ということでキャンセルになったようです。

トップを追いかけるラトバラとしては、ロングステージがキャンセルになったのは痛いです。

SS13(15.87km)

SS9のリピートステージ。ここでラトバラがベストを記録しましたが、タナクはラトバラから+1.1秒遅れの2番手、ヌービルは+1.2秒遅れの3番手と、総合タイム差はほぼ拮抗したままでした。

「グリップはどんどん良くなってる」とオジェ。彼は4番手タイムでした。「ここもかなりグラベルが露出してるけど、タイヤを痛めるほどではない」

走行ラインは白い雪の下にうっすらと地面が見えるくらいで、次のSS14でも、スパイクタイヤが機能するくらいの雪は残っていました。

SS14(14.27km)

名物のジャンピングスポット「コリンズ・クレスト」のあるステージで、テレビでも生中継されていたのですが、あろうことかここでクリス・ミーク(シトロエン)が連続するコーナーにオーバースピードで進入しコースオフ。
脱出に手間取り、このステージだけでトップから+1分16秒も遅れてしまいました。

「左コーナーでリアがスナップした」とミーク。「そのせいで次のコーナーにターンインできなかった。助けてくれた観客にありがとうと言いたい」

逆に皮肉の1つも言いたくなったのはラトバラでしょう。なにせコースオフしたミークのせいでラトバラはペースを落とさざるを得ず、トップから+11.7秒遅れの5番手タイムとなってしまったのですから。

「このタイヤのフィーリングが掴めない、多分使いすぎたんだろう。ミークがコースから外れていたので、スローダウンしなければならなかったよ」

このステージのトップはヌービルでした。ラトバラとの総合タイム差を+43.3秒にまで広げ、首位を盤石なものとしました。

「正直言って驚きました! だって飛ばしてなかったので。上手く走れたとは思いますが、車から変なニオイがしていて、不安だったんですよ。ニオイはおそらくスクリーンヒーターからだと思います」

ラトバラは総合3位のタナクに+4.3秒差まで詰め寄られ、トップを追うどころではなくなってしまいました。

ちなみにコリンズ・クレストのジャンプで最長距離を記録したのは、マッズ・オストベルグ(フォード)でした。その距離なんと44メートル!


ところがオストベルグは「1つ前のコーナーで失敗して、スピードを失った!」と悔しがります。「もちろんレコードは狙ってた。ジャンプに関するあらゆる方法を考えた。これは今、世界でもっとも重要なことだからさ。でも……オレはプレッシャーに耐えられなかった!」

SS15(1.9km)

観客を楽しませるためのスーパー・スペシャル・ステージなので、順位の変動は無いだろうとタカをくくっていたのですが、なんと総合首位のティエリー・ヌービルがリタイアとなってしまいました!

彼のヒュンダイi20クーペWRCは、ブロックにヒットした衝撃でステアリングが壊れてしまい、積載車に回収を依頼する以外に、もはや術が無かったようです。

これでラトバラが総合首位となりましたが、2位のタナクはこのステージでも0.4秒ラトバラとの差を詰め、2人の差はたったの3.8秒しかありません。
最終日のSSは3つ、距離にして58.81kmの超スプリントバトルとなります。

3日目終了時点での総合順位

順位 選手/# メーカー タイム/トップとの差
1 J-M.ラトバラ 2:04:59.3
#10 トヨタ ──
2 O.タナク 2:05:03.1
#2 フォード +3.8
3 S.オジェ 2:05:15.9
#1 フォード +16.6
4 D.ソルド 2:06:38.8
#6 ヒュンダイ +1:39.5
5 C.ブリーン 2:07:03.8
#8 シトロエン +2:04.5
6 E.エバンス 2:08:44.0
#3 フォード +3:44.7
7 H.パッドン 2:09:59.5
#4 ヒュンダイ +5:00.2
8 S.ルフェーブル 2:10:36.3
#15 シトロエン +5:37.0
12 K.ミーク 2:14:15.1
#7 シトロエン +9:09.2
13 T.ヌービル 2:14:15.1
#5 ヒュンダイ +9:15.8
23 J.ハンニネン 2:27:59.9
#11 トヨタ +23:00.6

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ラリースウェーデン 4日目

優勝争いはヤリ-マティ・ラトバラオットー・タナクセバスチャン・オジェの3名に絞られました。
泣いても笑っても、この日の3番勝負で勝敗が決まります。

3日目 午前

SS16(21.19km)

ここで総合3位のオジェが痛恨のスピン! これにより彼は優勝争いから脱落です。

「最初のコーナーでつまらないミスをした!」オジェは自分のミスに苛立ちを隠せません。「インカットしたら、スノーバンクに引っかかってスピンしたんだ。リスタートにも手こずった。その後はペースを落としたよ、だってもう終わりだからね。本当に恥ずかしい。今朝はプッシュしようと思ってたんだ。上手くいかないもんだね、でも、これが人生さ」

優勝争いはラトバラとタナクの一騎打ちに。追い上げたいタイムでしたが、このステージを制したのはラトバラでした。

「素晴らしい! 本当に良いフィーリングだ、ヤリスは素晴らしいし、僕とミッカ(コ・ドライバー)もリラックスしている」ラトバラは絶好調のようです。「昨日の夜、トミ・マキネン(チーム代表)と話したんだけど、彼はドライビング以外のことは置いといて、ともかくドライビングに集中しろと。だからセットアップのことは忘れて、ただ前に進むことだけを考えたんだ。」

ラトバラはこのステージで、タナクとの差を+10.9秒まで広げました。

SS17(21.19km)

SS16のリピートステージ。2度目の走行ということもあって路面の状態は悪く、SS16よりタイムを落とすドライバーが続出する中、ラトバラはただ一人SS16を上回る圧巻のスーパーベストを叩き出し、タナクをさらに突き放して見せました。

「またもや良いステージになった」とラトバラ。「本当に楽しんでるよ。このラリーでベストのステージだ。本当にグリップの良いアイス路面だよ。(次の)ラストステージは冷静に行く必要があるけど、その挑戦を楽しみたいね。」

対するタナクも2番手タイムであり、決して悪くはないのですが、いかんせんラトバラのタイムがすごすぎました。

「2番手になるしかなかった。ベストを尽くしたけど、今日の競争力は十分ではない」

これでラトバラとタナクの差は20秒にまで拡大。残すは最終ステージのみとなりました。

SS18(16.43km)

最終ステージは16.43kmのパワーステージです。
テレビ中継があるため、各ドライバーに手を抜かないよう、順位に応じてポイントが付与されるステージになっています。

このステージで3番手タイムを出したのはティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)。しかし前日のミスのせいで、総合13位に終わりました。

「2度もチームを失望させてしまったことを恥じています。私は(モンテカルロに続き)ラリーをリードし、大きなアドバンテージを築きましたが、その後小さなミスの代償を再び払わされることになりました」

2番手タイムはオジェでした。総合では3位表彰台を獲得しましたが、スウェーデンでは一度もステージベストを奪えず、波に乗り切れなかった印象です。

「タフな週末だったが、表彰台圏内でゴールできたのは素晴らしい。選手権ポイントを獲得できたのが一番重要なことだ。」と、4度の世界チャンピオンは、早くもシーズン全体を見据えています。

ラトバラを逆転できる可能性のあったタナクですが、なんとこのステージは7番手タイムに終わってしまいました。

「ジャンクションでエンジンがストールした。それ以外でもエンジンが何度か止まった」と、タナクは説明します。「全体的には良い週末だった。スウェーデンでは良いフィーリングを感じられたし、メキシコではさらに良い走りができるだろう。シーズンのスタートとしては上出来だ」

タナクはこれまでにも、優勝目前でトラブルが出て勝利を逃したことがあります。
シルバーコレクターにならなければ良いのですが。

そしてトップタイムはなんとラトバラ! 最終日を3連続ベストで締め、文句なしの優勝です。

「最高だ! 新しいチーム、新しい車、私たちの2戦目のラリーで勝つことができた。どう表現していいのか言葉が見つからないけど……すごくエモーショナルだ。トヨタ・ヤリスとともに、パワーステージで過去最高の走りができた。」

ラトバラはチームについて「良いレベルにまで来ているし、前進しているが、ここからはさらに難しくなる」と述べました。

またチャンピオンシップについては「次のメキシコに向けてハードに働かなければならないが、戦い続けるためのモチベーションは十分だよ!」とコメントしています。

トヨタが復帰2戦目で優勝すると予想した人は皆無でしょう。
筆者の予想もものの見事に外れましたが、いい方向に外れてくれたのが嬉しいですね。

しかしラトバラは選手権首位となったため、次のメキシコでは先頭走者として、路面の掃除役を強いられます。
トヨタにとって厳しい戦いになると思われますが、初戦モンテカルロのような粘りの走りで、何とか表彰台を狙ってもらいたいものです。

次戦メキシコは3月9日開幕となります。

ラリースウェーデン 最終結果

順位 選手/# メーカー タイム/トップとの差
1 J-M.ラトバラ 2:36:03.6
#10 トヨタ ──
2 O.タナク 2:36:32.8
#2 フォード +29.2
3 S.オジェ 2:37:03.1
#1 フォード +59.5
4 D.ソルド 2:38:15.1
#6 ヒュンダイ +2:11.5
5 C.ブリーン 2:38:54.8
#8 シトロエン +2:51.2
6 E.エバンス 2:41:30.2
#3 フォード +5:26.6
7 H.パッドン 2:41:34.8
#4 ヒュンダイ +5:31.2
8 S.ルフェーブル 2:43:18.3
#15 シトロエン +7:14.7
12 K.ミーク 2:46:32.3
#7 シトロエン +10:28.7
13 T.ヌービル 2:47:35.1
#5 ヒュンダイ +11:31.5
23 J.ハンニネン 2:59:09.2
#11 トヨタ +23:05.6

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