新型ワゴンR FX/FZの評価・口コミまとめ Sエネチャージで走りもエレガントに!
スマホの料金プラン並みにややこしい
今回取り上げるのはワゴンRの「FX(MH34S)」と「FZ(MH44S)」です。5代目となるワゴンRは新エンジン・エネチャージ・アイドリングストップなどを搭載し、先代比で5km/L以上も燃費が改善されました。
「FX」についてるのは「エネチャージ」、「FZ」のは「Sエネチャージ」。似ているのでややこしいですが、「エネチャージ」は減速時の回生エネルギーをバッテリーに蓄え電装品に用いることで、オルタネーター(エンジンのパワーを利用する発電機)の発電量を減らして燃費を向上させるものです。
一方「Sエネチャージ」は、バッテリーに蓄えたエネルギーを使って、ハイブリッドカーのようにエンジンのアシストをするのが特徴です。ただしハイブリッドカーとは異なり、モーターのみで走ることはできません。なぜなら回生ブレーキや専用のモーターを使わず、オルタネーターと一体化させたモーター(=ISGと呼ばれる)で充電とアシストを行うためです。代わりに車両価格を安く抑えられます。
問題は、モーターをオルタネーターと一体化させているために、モーターの出力が小さいことです。実は似たようなシステムが「日産セレナ Sハイブリッド」に搭載されているのですが、車重の重いセレナでは燃費改善効果は限定的でした。けれど車重の軽いワゴンRならば、小さなモーターでも問題ありません。
ワゴンRの価格について
ワゴンRのグレード別価格一覧
グレード | LBS※1 | HID※2 | FF・CVT | 4WD・CVT | FF・5MT | 4WD・5MT |
---|---|---|---|---|---|---|
FZ | 有り | 有り | 142.6万円 | 154.7万円 | 設定なし | 設定なし |
有り | なし | 137.2万円 | 149.3万円 | 設定なし | 設定なし | |
FX | 有り | なし | 119.6万円 | 131.7万円 | 設定なし | 設定なし |
なし | なし | 114.4万円 | 126.5万円 | 113.4万円 | 125.1万円 | |
FA | なし | なし | 107.8万円 | 119.9万円 | 設定なし | 設定なし |
※1 レーダーブレーキサポートのこと。スズキの衝突被害軽減ブレーキの名称。
※2ディスチャージヘッドランプのこと。
ワゴンRには3つのグレードが用意されており、フル装備グレードの「FZ」は、「FX」よりも20万円ほど高いです。しかし中古市場に大量に出回っている「FZ」の未使用車ならば、新車の「FX」とほぼ同額で購入できると思います。ちなみに「FZ」の4WD車に関しては、未使用車がほとんど流通していませんのでご注意を。
では「続きを読む」から、ワゴンRの口コミレビューまとめをご覧ください。
赤字はFZ、黒字はFXに関するレビューです。
ワゴンRの内装
シート
- ◯シートのクッションは硬すぎず柔らかすぎず快適。
- ☓シートのホールド性が低い(前後とも)
- ☓ヘッドレストが前に出過ぎている。
- ☓シートリフターで目一杯下げても、まだ着座位置が高い。
→ベンチシートにこだわりすぎ。
→☓FX・CVT車はシートリフターがメーカーオプション。
→◯FZはシートリフターを標準装備。
室内の広さとユーザビリティ
- ◯前席・後席ともに十分な広さがある(足を伸ばして眠れる)
- ◯頭上空間も広々。
- ◯運転席の足元も広い。
- ◯運転席と助手席の間をウォークスルーしやすい。
- △FX・CVT車はチルトステアリングがメーカーオプション
- ☓テレスコピックステアリングの設定が無い
- ☓防眩ルームミラーが装備されていない
→FZはチルトステアリングを標準装備
インテリアの質感
- ◯同クラスの車(ムーヴなど)と比較して質感は高い
- ◯FZのみ革製ステアリングが装着される
- ☓ドアの内張りなどがペラペラ
- ☓デザイン自体は先代モデルと変わっていない
- ☓スティングレーと内装が差別化できていない(色が違うだけ)
→だが先代よりはコストダウンの跡が目立つ
小物収納
- ◯助手席のシート下収納が便利
- ◯ステアリング下のインパネアンダートレーが便利
- △小物収納の数自体は多くない
→ただし先代よりも底が浅くなった
ラゲッジ容量とシートアレンジ
- ☓ラゲッジスペースは極めて狭い。
ワゴンRのインフォテイメント・電装系
メーター周り
- △メーター自体は見やすいが……
→☓エコ運転に必須のタコメーターが、なぜかMT車にはついていない。
→☓ただしオドメーター、トリップメーター、燃料計を、それぞれ切り替えないと表示できないのが不便。
スイッチ・レバー類の質感・操作性
- ◯FZはステアリングスイッチがついているので便利
- ☓エアコンスイッチに照明がない
- ☓フロントおよびリアデフォッガーのスイッチが、ATセレクターの陰になってしまう
- ☓パワーウィンドウスイッチが使いづらい
空調関連
- ◯全グレードオートエアコンが全車標準装備
オーディオ関連
- ☓純正スピーカーの音質がいまいち
- ☓アンテナがいまだに手伸ばし式
ワゴンRの外装
ヘッドライト
- ☓ボディがペラペラで、ドアの閉まる音がショボイ。
- ☓センターピラーがボディ同色なので安っぽく見える。
- ◯FZにのみLEDサイドターンランプ付ドアミラーが装備される。
ワゴンRのエンジン・トランスミッション
実燃費
- ◯実燃費18~22km/L エアコンOFFで24km/Lという報告も。
パワー・トルク
- ◯平地巡航では十分なトルクとパワー。
- ◯FZはSエネチャージのおかげで、冷房ONでも坂道をぐんぐん登れる。
→ロングストローク化された新エンジンとエネチャージのおかげ。
→それでも坂道では辛い。
→エンジン回転数が低く保たれるので、車内も静か。
→ただしパワー感・加速感があるわけではない。あくまで燃費重視。
トランスミッション
- ☓CVTとのマッチングに問題があり、40km/h〜60km/hの領域でギクシャクすることがある。
- ☓CVTのプログラムに問題があるのか、強めのブレーキング→低速で交差点を右左折→加速しようとすると回転が極端に上昇しギクシャクする。
アイドリングストップのフィーリング
- ☓寒い時にはアイドリングストップが無効になることが多く、燃費が悪化する。
- ☓ATセレクターをSやLレンジに入れているとアイドリングストップが無効に。
- ☓時速13km/h以下でアクセルOFF&ブレーキONでアイドリングストップが作動する。
→交差点での右左折待ちや渋滞時には、ブレーキを離すとエンジン再始動、またブレーキ踏むとエンジンストップというように、エンジンが無駄に始動と停止を繰り返してしまう。
→Sモードならばアイドリングストップをキャンセルできる。
- ◯FZのアイドリングストップは、再始動が静かでスムーズ。
→Sエネチャージのおかげ。
ワゴンRのハンドリング・ドライバビリティ
走行性能
- ◯軽量化されたおかげでキビキビと動く。
- ☓横風には弱い(軽トールワゴンの宿命)
小回り・取り回し
- ◯最小回転半径4.4m(ダイハツムーヴと同じ)
電動パワステの感触
- ☓切り始めは重く、切り込んでいくと途端に軽くなるステアフィールに違和感。
ブレーキ
- ☓初期制動が甘いふんわりフットブレーキで、いまいち効かない。
- ☓エンジンブレーキが弱い
- アイドリングストップのせいでスムーズに停止できない(カックンブレーキ)
- ☓回生が効きすぎて停止位置に上手く止められないことも。
→最後にブレーキを緩めるとエンジンが再始動してしまう。
→惰性で走っているときの回生は、アクセルを少し踏むと解除できる。
前方視界
- ◯Aピラーが立っていて細いので、右左折時に死角が少ない。
ワゴンRの乗り心地・静粛性
路面からの突き上げ感・ボディのガタピシ感
- ☓路面の細かな凹凸を拾う(燃費タイヤのせい)
→指定空気圧が2.8kgf/cm^2
→もっと指定空気圧の低いタイヤに変えると、乗り心地が改善する。
ロードノイズ
- △やや気になる(これも燃費タイヤのせい)
エンジン音の大きさと振動
- ◯エンジン音は静か
→高速道路でもエンジン回転は2000~2500rpmと低く、静かなまま。
その他の騒音・振動
- ☓暖気が済んでないとエアコンのコンプレッサー音がうるさい。
ワゴンRの安全装備
代表的な安全装備の有無
名称 | FZ | FX |
---|---|---|
横滑り防止装置 | 有り(標準) | ※1 |
衝突被害軽減ブレーキ | 有り(標準) | MOP |
クルーズコントロール | なし | なし |
車線逸脱警報 | なし | なし |
レーンキープアシスト | なし | なし |
ブラインドスポットアシスト | なし | なし |
ヒルホールドシステム | 有り(標準) | ※2 |
※1 FXはレーダーブレーキサポート装着車にセットで装備される。
※2 FXのMT車には設定なし。
エアバッグの充実度
- ☓運転席・助手席のみに標準装備。サイドおよびカーテンは設定なし。
最後まで読んでいただきありがとうございました。スズキ車に興味のある方は、以下の記事もぜひご覧ください。
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