不正の代償は高かった。ポルシェSEの純利益が半分以下に。
ポルシェの販売に不正の影響が出るのはこれから
ポルシェ・オートモービル・ホールディングSEが、1-9月期の決算を発表しました。同社はポルシェ家とピエヒ家が支配する会社で、VWの過半数株式を所有する持ち株会社です。
決算によると純利益は11億9000万ユーロで、前年同期の25億ユーロに比べ、52.4%のマイナスとなりました。ポルシェSE、1─9月純利益が大幅減 VW不正関連コスト響く – REUTERS
利益が減少したのは、あくまで持ち株会社
名前が名前なのでポルシェ本体の売上が落ちたように思えてしまいますが、利益が半減したのはVWの持ち株会社です。
ポルシェ本体の1-9月期決算では、世界新車販売が28%と大幅な伸びを示しています。
ポルシェの決算、営業利益は32%増…2015年1-9月 – response
ポルシェも排ガス不正を行っていたことが発覚したのは11月に入ってからなので、販売に影響が出るのはこれからでしょう。
ドイツは問題視していない?
そのポルシェやアウディが排ガス不正スキャンダルに巻き込まれるきっかけとなった、3リッターV6ディーゼルエンジンの不正ソフトに関し、ドイツ連邦自動車庁は「問題があるとは認識していない」とのことです。
VW大型エンジンのソフト使用、ドイツ問題視せず=書簡 – REUTERS
「EU内では法に準拠しているから」という判断らしいのですが、不正が発覚したのはアメリカです。アメリカの法に触れるものを販売した事実を覆す理由にはなりません。
ドイツ政府の対応に変化
不正が発覚した当初、ドイツ政府は「真摯に対応する」「全容解明に全力で取り組む」などと宣言し、VWグループを糾弾する姿勢を見せていました。
日本のマスコミは東芝の粉飾決算の対応とVWのそれとを比較し、「日本もドイツを見習え!」という論調で、日本批判を繰り広げていました。
VW不正事件を徹底追及するドイツ、一方、大企業に甘い日本、何が違うのか? – BLOGOS
しかしここに来てドイツ政府側は態度を変化させ、VWを擁護する姿勢を見せ始めています。難民支援のときもそうでしたが、初期対応で寛大かつ誠実な姿勢を見せておき後からチクリチクリとやり返すのが、ドイツ流のスピンのやり方なのかもしれません。