ヒュンダイ・アイオニックEV版の詳細判明……なんだこのガッカリ感

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ヒュンダイ・アイオニックEV

EV仕様は残念な感じに……

ヒュンダイ・アイオニックのEVバージョンの詳細が明らかになりました。

Hyundai Previews All-Electric Ioniq | carscoops.com

ハイブリッド版の出来が良かったので、どんな凄いのが出てくるかと期待していたのですが、スペックがあまりにもショボイので拍子抜けしてしまいました。carscoops.comのコメント欄を見ても、筆者と同じような感想を抱いた人がほとんどみたいです。

画像の出典: carscoops.com


目次

  1. アイオニックってハイブリッドじゃないの?
  2. EV版アイオニックの性能
  3. こんなことになった理由

アイオニックってハイブリッドじゃないの?

アイオニックは当初から、ハイブリッド、EV、PHEVの3種類がリリースされる予定でした。

ハイブリッド版・アイオニックはすでにジャーナリストによる試乗記事も出始めています。プリウスより性能は劣るものの、ジャーナリストからの評価は上々のようです。

ハイブリッド版はプリウスよりかなり安い価格※1 で販売される予定なので、プリウスのシェアを奪うだけでなく、高価格ゆえにこれまでハイブリッドカーを毛嫌いしていた層をも惹きつけると思われます。ハイブリッド版・アイオニックは、「プリウス・キラー」としての資質を十分に備えているのです

※1 韓国での価格をそのまま当てはめると、英国では£10,000程度安い価格で販売される可能性が高い。

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EV版アイオニックの性能

ところが今回明らかになったEV版の性能は、お粗末としか言いようがありません。

まずEVでもっとも重視される航続距離ですが、たったの169kmだそうです。日産リーフ以下のEVを今更出されても……というのが率直な感想ですね。

航続距離が短い理由は、バッテリー容量が28kWHしかないからです。アイオニックよりコンパクトな日産リーフがマイナーチェンジで30kWhのバッテリーを既に積んでいるのですから、やはり物足りなく感じます。

ではハイブリッド版・アイオニックのように、ライバルに対して安価なのかというとそうではなく、韓国での販売価格は4000万ウォン(1ウォン=0.09円で換算すると、約360万円)と決して安くはないのです。

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こんなことになった理由

戦略的なモデルとして非常に完成度の高いハイブリッド版・アイオニックに対し、EV版アイオニックはどこをとってもライバルに勝っているところがありません。同じ会社が作っているのに、なぜこんなことになってしまったのでしょう?

考えられる理由その1: 野心的なシャシーが仇となった

先述のようにアイオニックは、ハイブリッド、EV、PHEVの3種類を、ひとつのシャシーでリリースする野心的なモデルです。

しかしそれゆえに、各パワーユニットごとにシャシーを最適化するのが難しくなります。モジュール化が進んでいるとはいえ、サイズや配置の違うコンポーネントを、同じシャシーを使いながら自由に再構成できるわけではないからです。

日産リーフ、テスラモデルS、シボレーBoltのいずれも、バッテリーは車体中央の床下にあります。しかしEV版アイオニックのバッテリーは、リアシート下に置かれるそうです。ハイブリッドとの共有シャシーゆえに、車体中央の床下にバッテリーを置けなかったのだと思います

考えられる理由その2: ハイブリッドとのカニバリゼーションを恐れた

先行して販売されるハイブリッド版・アイオニックの存在を考えると、ヒュンダイがEV版を差別化したいと考えるのは当然です。

しかし同じシャシー、同じデザインの車ですから、性能でしか差別化できません

しかもハイブリッド版の価格を「プリウス・キラー」として安価に設定してしまったがために、EV版だけを高級車として売ることもできません。

となると、バッテリー容量を削って出来る限り安くするしか方法がないのです。それでもEV版アイオニックは安くありませんが、各国のグリーン税制や補助金等を含めれば、ギリギリ200万円台で購入可能な車として売り出せるのではないでしょうか。

絵に描いた餅

なんにせよ、コスト削減のために同じシャシーで3種類のパワーユニットを展開しようというのは、画餅だった感が否めません。せめてハイブリッド版を「プレミアム・コンパクト」として販売していれば、もう少しやりようがあったと思うのですが……プリウスのプレッシャーに負けたということですかね。

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