日産が新SUV「Kicks」をオリンピック前に公開

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日産_Kicks_ティーザー_元画像

ジュークより大きくキャシュカイより小さい

Kicksは南米向けに開発したクロスオーバーSUVです。日産ノートのプラットフォームが用いられ、ジュークより一回り大きなサイズのSUVとなります。

このKicksを、日産はブラジルオリンピック前に公開する予定です。日産はオリンピックの公式パートナーなので、その立場を最大限に活かすつもりなのでしょう。

トップ画像の出典: autoexpress.co.uk


目次

  1. 市販モデルはコンセプトから乖離?
  2. Kicksはノートのクロスオーバーか
  3. 南米ではスモールSUVブーム
  4. 日本にも投入される?

市販モデルはコンセプトから乖離?

まずはコンセプトモデルのCGをご覧ください。

日産_Kicksコンセプト_フロント
日産_Kicksコンセプト_リア

このようにコンセプトモデルはかなりカッコよかったのですが、ティーザー画像の明るさを調整すると、コンセプトからかけ離れたフロントマスクを見ることができます。

日産_Kicks_ティーザー_加工後

ティーザー画像だけでデザインの良し悪しはわかりませんが、日産がスバル病※1に感染していないことを祈るばかりです

※1 コンセプトモデルとは似ても似つかないデザインの市販モデルを恥ずかしげもなく投入してくる企業体質のこと。

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Kicksはノートのクロスオーバーか

Kicksはサイズ的にはジュークより大きいものの、質感や価格はジューク以下とされています。

ヨーロッパ向けのジュークは主に若者が乗る車ですが、南米のような1人あたりのGDPが小さい地域だと、スモールSUVはファミリー層までカバーする商品です。

ファミリー層にはジュークは小さすぎます。でもキャシュカイやX-TRAILは高価です。そこでサイズ的にはジュークとキャシュカイの間に位置しながら、価格的にはジューク以下のSUV──Kicks──が誕生したのでしょう。

Kicksのエンジンラインナップも、経済性が優先されています。トップグレードにはジュークの1.6L 直噴ターボ「MR16DDT」が搭載されますが、ベーシックなグレードには3気筒の「HR12DDR」が採用されるようです。HR12DDRは、日本だとノートDIG-Sのエコスーパーチャージャーとしておなじみですね。

キューブをベースとしたジュークと同様に、KicksはノートをベースにしたクロスオーバーSUVという印象です。

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南米ではスモールSUVブーム

南米は道路事情が悪いです。経済的な貧しさだけでなく、単純に国土が広すぎるのも要因と思われます。

未舗装の路面を走るとなると、車高の低い車ではお話になりません。雨でぬかるんだ未舗装路では、4WDでなければ身動きが取れなくなる恐れがあります。

よって南米では必然的にSUVのニーズが高くなるわけですが、ランドクルーザーのような本格的なクロカン車は高嶺の花です。なのでリーズナブルなスモールSUVがブームになるのは当然といえます。

日産Kicksは利便性をも高めたスモールSUVですから、南米でのヒットは確約されたようなものです。

日産はブラジル市場に注力

Kicksはリオデジャネイロのレゼンデ工場で生産されますが、この工場は日産がブラジルでのシェア5%を目標に建設された経緯があります。

レゼンデ工場は日産が26億ブラジルレアル(R$1=¥31円換算で806億円)を投資し、2014年に完成した最新の工場です。開設当初は2000名の労働者が雇用されました。

Kicksの生産にあたり日産は、レゼンデ工場に200億円以上を追加投資し、600名を新たに雇用して生産能力を拡大する予定です。

現在、日産のブラジルでのシェアは3%に過ぎませんが、Kicks投入で大願成就となるでしょうか。

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日本にも投入される?

先進国は道路事情が良いため、SUVは実用上の必然性から選ばれる商品ではなく、デザインやユーティリティ性で選ばれるプレミアムな商品となっています。

なのでジュークのような奇抜なコンパクトSUVならともかく、安いわりにサイズが大きいというだけでは、先進国の顧客は見向きもしないでしょう。

Kicksがコンセプトモデルと同様のデザインで発売され、インテリアもまともならば、先進国で人気を博す可能性は十分にあります。しかしティーザー画像のエクステリアはちょっとどうかと思いますし、インテリアの写真もひとつもありませんから、日本投入はあまり期待しない方がいいと思います。

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