デイリーF1ニュース(2017年12月19日) メルセデス、1000馬力に迫る
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。
- メルセデス、1000馬力に迫る
- フェラーリ会長「撤退はブラフではない」
- アストンマーチンは新エンジン規制を支持
それではご覧ください。
メルセデス、1000馬力に迫る
メルセデスのエンジン開発を指揮するアンディ・コーウェルは、メルセデスのF1用V6ターボエンジンが、ついに1000馬力の壁を突破すると主張しています。
「かなり近づいている」とコーウェル。「ある時点で起こるだろうと確信している」
ちなみにメルセデスは今年ダイノ(エンジンの台上試験を行うための装置)上で、熱効率50%を達成するという快挙を成し遂げました。
ちなみに2014年に現行のエンジンレギュレーションに切り替わった際、メルセデスエンジンの熱効率は44%だったといいます。
たった3年で効率が大幅にアップしたのです。
現在のF1には、1時間当たり100kgという燃料流量制限があるため、熱効率の改善が課題となっています。
コーウェルは熱効率50%のエンジンが、どのタイミングでサーキットに投入されるかについて明確な言及を避けたものの、近い将来そうなることは間違いありません。
メルセデスにはまだ「引き出し」が残っているのです。
Source: Mercedes close to breaking 1000bhp barrier with Formula 1 engine | autosport.com
フェラーリ会長「撤退はブラフではない」
フェラーリのセルジオ・マルキオンネ会長は、リバティ・メディアの提案する新エンジンレギュレーションがこのままの形で施行されるのならば、F1の代わりとなる選手権を立ち上げるとまで言い出しました。
「私を最も悩ますのは、ロス・ブラウン(F1のモータースポーツ・ディレクター)のように経験豊富な男性が、F1のDNAに反する方法を追求しているということだ」とマルキオンネ。
「よりシンプルで安価なエンジンでもって、自動車すべて同じものにすることは、NASCARのようなものだ。興味は無い。誰もが満足できる未来のため、バランスの取れた解決策を見つける必要がある」
「でなければ、フェラーリは去ることになる。もし懐疑主義者がブラフだと思っているのならば、彼らは火遊びをしているのだ」
「私は、フェラーリは他の選手権に他のチームを引き込む力があると思っている」
「2020〜2021年に、F1を代替する選手権を立ち上げる可能性もある。しかし、できればそれは避けたい」
以前にもGPWCというマニュファクチャラーの連盟組織を立ち上げ、独自の世界選手権を立ち上げるとFIAを脅したことがあるフェラーリですが、そのとき真っ先に裏切ってコンコルド協定に署名したのもまたフェラーリでした。
マルキオンネ会長はブラフではないと主張しているものの、結局はいつもの政治的駆け引きにすぎないと思います。
Source: Ferrari could lead others out of F1, warns Marchionne | uk.reuters.com
アストンマーチンは新エンジン規制を支持
現在参戦している自動車メーカーには不評の新エンジンレギュレーションも、参戦を検討中のメーカーには好評です。
アストンマーチンも新しい規則を歓迎しています。
「われわれはFIAとリバティ・メディアに、潜在的な独立マニュファクチャラーの見地からの意見書を送った」と語るのは、アストンマーチンのCEOであるアンディ・パーマーです。
「われわれの立場からの主なポイントは、独立マニュファクチャラーが他から購入できるように、ボトムエンド(エンジンの腰下。クランクやベアリング、コンロッドなども含む)を標準化しようとすることだった。ボトムエンドには競争が無い」
「ターボチャージャーの熱回生システム(MGU-H)も取り除いてしまおう。それほど関係の無い何かのために働いている人々が百人単位でいる」
「意見書のもうひとつの側面は、開発コストの制限だ。これはシャシー開発と同様(風洞実験の規制のこと)に、エンジンダイノの時間を制限するものだ」
「それらはまだ割当られてないが、何にせよ反応があったのは良いことだ。われわれの求めたものについての励みになる」
標準化や熱回生システムの撤廃はともかく、エンジンダイノの規制は新規参入マニュファクチャラーにとって不利なルールになりかねません。
開発ができなければ、永久に追いつくことはできないからです。
先行者利益を打ち消すような規制にする必要があります。
Source: Aston Martin feels the “disruptor" in F1 2021 talks | motorsport.com
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