デイリーF1ニュース(2018年3月3日) 前輪KERSでF1が4WDに!?
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。
- 前輪KERSでF1が4WDに!?
- ウィリアムズがスポンサー不足について語る
- F1の賞金分配額が47万ドル減少
それではご覧ください。
前輪KERSでF1が4WDに!?
昨年は増加したダウンフォースと幅広になったマシンおよびタイヤのおかげで、大幅にタイムアップを果たしたF1マシンですが、マシン後方に発生する乱気流もダウンフォースに比例して増えたために、オーバーテイク数は2016年の半分にまで落ち込んでしまいました。
その問題に対するソリューションとして、前輪にもKERSを追加して4WDにするというアイデアを提案しているCanopy Simulations会社があります。
彼らのシミュレーションは、現在の120kWモーターのKERSではなく、60kWモーターのKERSを前後にそれぞれ1基ずつ搭載するという想定で行われています。
2台のKERSは合わせて50kg未満という条件です。
バルセロナのカタロニア・サーキットにおける走行シミュレーションでは、2.2秒の予選ラップタイム向上が見られたそうです。
また、前輪にKERSを追加することでフロントタイヤのトルクベクタリングも可能となるため、中低速コーナーでの空力依存度を減少させ、先行する車両により接近した状態で、コーナーを脱出できるようになるのだとか。
このトルクベクタリングとDRSを組み合わせることで、今よりも多くのオーバーテイクを生み出せると同社は主張しています。
その根拠となっているのが、トルクベクタリングによってもたらされる最適な走行ラインの変化です。
トルクベクタリングがあると、より小さく旋回した方がタイムを稼げるため、最適なブレーキングポイントは現在より10m手前になります。
その環境でテール・トゥ・ノーズのバトルになった場合、後続車両のオーバーテイクを防ぐためには、先行する車両はブレーキングを遅らせるしかありません。
しかし、そうするとタイムが悪化してしまいます。
後ろを引き離すためには、先行する車両も最適なブレーキングポイントで減速を始めるしかないものの、そうするとスリップ・ストリームから抜け出してきた後続車両のレイト・ブレーキングで横に並ばれ、オーバーテイクされてしまうのです。
しかも前輪でも運動エネルギーを回生できるため、燃料も約1.5kg節約(レース距離走行時)できるのだそうです。
F1で実現する可能性は低そうですが、他のシリーズで日の目を見るかもしれません。
Source: 4WD KERS for F1 2021? | blog.canopysimulations.com
ウィリアムズがスポンサー不足について語る
酒類メーカーであるマルティーニ・エ・ロッシ社のスポンサーを2018年限りで失うことになったウィリアムズは、F1界が一丸となってスポンサー不足に対処すべきだと訴えています。
「なぜF1が多くのスポンサーを惹きつけられないのかについて、多くの仕事をしてきました」と語るのは、ウィリアムズの副代表を務めるクレア・ウィリアムズです。
「私は多くの理由があると思いますが、現時点でのマーケティング・ミックスは、以前とは全く異なります」
「マーケティングに費用を費やすブランドには、さまざまなチャネルがあります」
「私は、再びF1が本当に魅力的な場所となるためには、集団として一生懸命働く必要があると思います」
「私は本当に素晴らしい時期を過ごしました。F1は、マーケティング・キャンペーンを実施するためには究極の場所だったのです」
「このスポーツの全てのパートナーのために、そのような場所を届けることを確実にするには、もう少しだけハードに働く必要があるでしょう」
「それがFOMであれ、他のチームと一緒であれ、間違いなく実行すべき作業があると私は思っています」
マクラーレンのザック・ブラウンがウィリアムズのスポンサーを引き抜こうとしているという点についてクレアは、「簡単には渡さない。スポンサーは私たちの血液だ」と答えています。
Source: Claire Williams talks about #F1’s sponsor shortage | facebook.com/racefansdotnet
F1の賞金分配額が47万ドル減少
F1が2017年度の業績を発表しました。
売上高は前年の17億9600万ドルから、17億8400万ドルに減少しています。
売上高が減少した原因は、ブラジルGPにまつわる開催権料の減少と、UBSやアリアンツといったスポンサーからの収入の低下にあるそうです。
また、本社オフィスのロンドンへの移転や、ソーシャル・メディア等デジタル関連のマーケティング費用、そしてUHD画質での撮影コストなどが増えたために、利益に関しても減少しています。
そのためチームへの賞金分配額も、前年の9億6600万ドルから、9億1900万ドルに減少しました。
F1は今後も人員を増やしていくそうなので、2018年度も人件費は増加するでしょう。
売上高を増やさないと、さらに賞金分配額が減ってしまう可能性が高いです。
各チームがスポンサー減に苦しんでいるときに、賞金まで減らされては泣きっ面に蜂ですね。
Source : F1 income drop impacts teams to the tune of $47m | en.f1i.com
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