
日産が世界に誇るスポーツカーであるフェアレディZですが、現行のZ34は登場して今年で10年目となるにもかかわらず、未だフルモデルチェンジされていません。
ほとんどの車が6年ほどで新型に切り替わる時代に、Zだけが手をこまねいていれば競争力が低下し、市場でのシェア喪失につながります。
そのため一日も早いフルモデルチェンジが望まれていました。
そんなZが、2019年にようやくフルモデルチェンジされるとの情報が流れています。
今回はZ35に関する最新情報をお伝えします。
新型フェアレディZ(Z35)の概要
エクステリア
日産のグローバルデザイン統括担当シニア・バイス・プレジデントであるアルフォンソ・アルベイザは、すでに新型フェアレディZのデザインに取り組んでいることを明らかにしました。
「Zカーはヤバイ」とアルベイザ。「大きなプレッシャーだよ。私のポジションでそれに取り組めることについて、本当に興奮していることがあなたにも想像できるはずだ」
「スポーツカーを民主化したのが240Zだった。忘れることはできない。現代においても……1989年の300ZXの日本的なシンプルさは印象的だ」
300ZX(Z32)は、ロングノーズ・ショートデッキという古典的なスポーツカーの文法から離れて、キャブフォワードでワイド&ローなプロポーションに転換したモデルです。
Z33では先祖返りしてしまいましたが、最近はジャガーなどがキャブフォワードなデザインをフィーチャーしているので、Z35ではZ32的なプロポーションに戻るかもしれません。
予想CG
予想CGはどれもロングノーズ・ショートデッキなフォルムに、Vモーショングリルを組み合わせたものとなっています。
ボディサイズ
Z35は次期型のインフィニティ・Q60(日本ではスカイライン・クーペ)とプラットフォームを共有します。
そのためボディサイズは、Z34よりも大きくなるそうです。
寸法(mm) | Z34 | Z35 |
---|---|---|
全長 | 4250 | 4520 |
全幅 | 1845 | 1890 |
全高 | 1315 | 1240 |
Z35にはロードスター仕様も用意されるとのことですが、その発売はZ35のローンチから1年以上遅れると見られています。
シャシー

Z33、Z34と、最近のフェアレディZにはFMプラットフォーム(FR-Lプラットフォーム)が使われてきましたが、全輪駆動(4WD)のプラットフォームへと更新される予定です。
インフィニティQ50(スカイラインセダン)やQ60(スカイラインクーペ)の現行型にも、やはりFMプラットフォームが使われています。
インフィニティの製品担当シニア・バイス・プレジデントであるフランソワ・バンコンはインタビューに対し、Q60の次期プラットフォームについて「おそらく全輪駆動で、ややリヤよりの駆動配分になる」と答えました。
「電動化にシフトしてからというもの……フロントやリアにモーターを持つので、後輪駆動はもはや意味をなしていない」とバンコン。
「だから新しい電動化プラットフォームは、ちょうどアウディのような4×4になる」
FMプラットフォームの後継が、電動化に対応することは確実です。
しかしZ35がハイブリッドになるとは言い切れません。
インフィニティは2021年以降の全モデルを電動化する方針ですが、フェアレディZはあくまで日産車なので、電動化されない可能性もあるのです。
パワートレイン
Z35のパワートレインについては、2つの説が流れています。
日産製のV6ターボを搭載する説
英国の自動車メディアであるAutocarは、現在のインフィニティ・Q50に搭載されている、VR30型の3.0リッター・V型6気筒ガソリンツインターボが搭載されると報じています。
一般的なグレードに搭載されるのは400ps・475Nmを発生するバージョンです。
NISMO仕様にはさらにチューンアップした、482ps・612Nmのハイパワーバージョンが搭載されます。
メルセデス製の直4ターボを搭載する説
日本の自動車メディアであるResponseは、トヨタとBMWのように、日産もメルセデスとスポーツカーを共同開発するのではないかと報じています。
そのためZ35には、メルセデス製の2.0リッター・直列4気筒ガソリンターボが搭載されるそうです。
ただしResponseによると、直4が搭載されるのは一般的なグレードのみで、最上級グレードにはVR30が採用されると主張しています。
価格・発売時期

フェアレディZ生誕50周年となる2019年に、新型が発表されるという説が有力です。
2019年10月の東京モーターショーでワールドプレミアされると言われています。
価格に関する情報は、現時点では全くありません。
しかし仮にAutocarの報じたようにボディサイズが大きくなったり、4WD化やハイブリッド化されるのであれば、より上の価格帯に移行することは避けられないでしょう。
現行型Z34の日本価格は390万円からとなっていますが、Z35では開始価格が400万円を超えてくるはずです。
出典・参考サイト
New Nissan Z sports car to spawn 475bhp V6 Nismo model | autocar.co.uk
日産 フェアレディZ 次期型、メルセデスベンツと共同開発か…50周年に発表 | response.jp
Infiniti To Replace FM Platform In 2021 With AWD Vehicle Architecture | autoevolution.com
Nissan designer confirms next-gen Z project | whichcar.com.au
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