ブガッティ シロン スーパースポーツ300+ 時速300マイルオーバーの怪物

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ブガッティ シロン スーパースポーツ300+

去る2019年8月2日に、ブガッティ シロン最高速490.484km/hを記録しました。
かつてケーニグセグに奪われた世界最速の玉座を取り戻したのです。

しかしブガッティは、これが限界だと考えていません。
ケーニグセグの記録達成の地であるアメリカ・ネバダ州ならば、最高速500km/hオーバーを達成できると豪語しているのです。
今回は世界で初めて時速300マイル(482km/h)の壁を突破したシロンの概要と、その市販バージョンであるシロン スーパースポーツ300+の概要についてお伝えします。

更新情報

シロン スーパースポーツ300+の項目を追加しました。(2019/09/09)


ブガッティ シロン プロトタイプの概要

記録達成時のオンボードカメラ映像

最高速チャレンジに使われたシロンは、ロングテール仕様に改造されたプロトタイプです。

時速300マイルの壁を突破した、ブガッティ シロン・プロトタイプ。

最高速を伸ばすために、空力の強化が図られている。

ロングテール化されたことで、リア周りはボリューム感が増してかっこよくなった。

可動式のリアウイングを廃止し、全長を250mm延長。
大型のディフューザーと、その効率を高める縦配置のクアッド・エキゾースト、空力的な形状のホイールや、拡大されたフロントスプリッターにより、空力性能を高めています。

250mmも延長されたリアエンド。ディフューザーもレーシングカー顔負けのサイズだ。

空力に配慮されたホイール。

開発にはレーシングカー・コンストラクターであるダラーラと、タイヤメーカーのミシュランが参加。
ミシュランは最高速用に強化されたパイロットスポーツカップ2タイヤを用意しました。

エンジンは8.0リッター・W型16気筒クアッドターボで、最高出力は1,600psを発生します。
標準車のシロンと比較すると、100psのアップです。
おそらくチェントディエチと同じ仕様でしょう。

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シロンが500km/hオーバーを達成できるという根拠

シロン・プロトタイプが490.484km/hを記録したのは、ドイツ・ニーダーザクセン州エーラ=レッシエンにあるテストコースです。
一方、ケーニグセグ アゲーラRSが458.01km/hを記録したのは、アメリカ・ネバダ州パランプの高速道路でした。

両者の違いは、海抜です。
エーラ=レッシエンは海抜50mほどで、気圧は1013.25 hPaとなっています。
しかしアゲーラRSが記録を樹立したネバダ州の高速道路は、海抜1,036mというかなりの高所にあり、気圧は886~890 hPa前後だと考えられるのです。

標高1,000m地点では、海面よりもドラッグ(抵抗)が10%低下します。
空気が薄くなると吸気中の酸素含有量も減少しますが、ターボチャージャーでそれを補うことができるので、結局ネバダで計測した方が最高速は伸びるようです。

ブガッティのStefan Ellrott氏は、ネバダで計測すれば最高速が25km/h速くなったはずだとコメントしています。
つまり最高速515km/hを達成できる可能性が高いのです。

ではネバダでのチャレンジはあるのでしょうか? 残念ながらブガッティは安全第一だと考えているため、世界最高の安全基準で運営されているエーラ=レッシエン以外で最高速チャレンジを行う気は無いようです。

しかし最高速500km/hオーバーの望みが絶たれたわけではありません。
実はアゲーラRSのチャレンジは、一人のオーナーが自発的に始めたもの(後にケーニグセグも関与)でした。
どこぞのお金持ちがシロンをネバダに持ち込み、記録に挑戦してくれるかもしれません。

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シロン スーパースポーツ300+

ブガッティ シロン スーパースポーツ300+

ベイロンスーパースポーツと同様に、オレンジ色のアクセントが追加されている。

延長されたリア周りはプロトタイプと同じ。ホイールは別物となっている。

プロトタイプとは異なりロールケージは無く、2シーターとなっている。

最高速記録を更新したシロン・プロトタイプの市販バージョンです。
プロトタイプ同様のエクステリアとなっていますが、インテリアは市販車らしいものに変更されています。
ちなみにプロトタイプは1人乗りで、ロールケージが張り巡らされていました。

エンジンはプロトタイプと同じく、8.0リッター・W型16気筒クアッドターボで、最高出力は1600psです。

シロン スーパースポーツ300+は30台の限定生産となります。
価格は350万ユーロ(記事執筆時点のレートで約4.12億円)です。

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