マツダ 3 TCRレースカーが開発中止。レースデビュー叶わず

テクノロジー・業界分析

マツダ 3TCRレースカーは、どうやらデビューせずに終わりそうです。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、マツダ・ノース・アメリカン・オペレーションズ(MNAO)は、レースカーの開発プログラムを中止したと報じられています。

今回はマツダ 3 TCRレースカーの概要と、開発中止に至るまでの経緯を振り返ります。


マツダ 3 TCRレースカーの概要

参戦中止に至る経緯

マツダがTCRへの参入を発表したのは、2019年10月1日でした。
TCRは世界で36もの認定チャンピオンシップが開催されている、カスタマー向けのツーリングカーレースです。

マツダ 3 TCRレースカーは、2020年のデイトナ24時間レースのサポートレースである4時間耐久でデビュー、そしてIMSAのミシュランパイロット・チャレンジに参戦する予定でしたが、どちらも実現しませんでした。

その後、レースデビューが2021年になるという情報が流れ始めます。
これは、開発を担当していたロング・ロード・レーシング(LRR)の閉鎖に伴うものだとマツダは説明していました。
LRRはMX-5カップカーの開発と製造を長年手掛けていた会社だったのですが、2019年12月末に突如として閉鎖されてしまったのです。

本当にパンデミックのせいなのか?

マツダUSAのコミュニケーション&エクスペリエンスマーケティング担当ディレクターであるエミリー・テイラー氏は、新型コロナウイルスのもたらしたパンデミックの状況を鑑み、TCRの開発プログラムを中止することになったとコメントしています。
レース自体が中止、もしくは無観客や入場客数の大幅な制限をして行われている状況ですから、プロモーションするのが難しいという判断に至ったとしても不思議ではありません。

しかし、LRRの後任となる開発パートナーは結局発表されることなく、そのまま開発プログラムが中止になったという経緯を考えると、パンデミックが全ての原因だとも言い切れない気がします。

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マツダ 3 TCRレースカーのスペック

開発中止となってしまったマツダ 3 TCRレースカーですが、企画自体は非常に魅力的なものでした。
エンジンは350ps・490Nmの直列4気筒ガソリンターボを搭載。
Sadev製もしくはXtrac製の6速シーケンシャルトランスミッション(パドルシフト付き)を介し、前輪を駆動するというものでした。

ブレーキはブレンボ製。サスペンションはビルシュタインまたはオーリンズから選択でき、18インチのレイズホイールにミシュランタイヤを履いていました。

非常にかっこいいレーシングカーだったので、開発中止になってしまったのが残念でなりません。

走っている姿を一度くらいは見たかった。

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