F1 モータースポーツ

【F1】メカクロームがクライアントエンジンを供給!?

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2016/09/02

2017年のF1エンジン勢力図は?

GP2やGP3でエンジンサプライヤーを務めているメカクロームが、F1にクライアントエンジンを供給する入札に参加したとのことです。

Exclusive: Mecachrome applies for Formula 1 engine tender

ウィリアムズ・メカクローム
ジャック・ヴィルヌーヴが駆るウィリアムズ・メカクローム。

By [][zep] (jacques villeneuve - williams fw20) [CC BY-SA 2.0 or CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

F1では、90年代末にルノーのカスタマーエンジンを供給していたメカクローム。スーパーテックとかプレイライフとかのバッジネームで呼ばれていたエンジンは、全てメカクロームの供給するルノー・RS9エンジンでした。

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イルモアとAERも参加。コスワースは参加せず。

イルモアとAERはクライアントエンジンに入札しました。イルモアはかつてF1のメルセデスエンジンの開発を行っていた会社です。AERは現在WECのレベリオン・レーシングにエンジンを供給しています。

一方、名門エンジンビルダーのコスワースは入札を見送りました。コスワースの共同オーナーであるケビン・カルコーベン(インディカー・シリーズのKVレーシングテクノロジーの共同オーナーでもあります)は、クライアントエンジンと現行V6ターボとのパワーバランスをどのように取るのか、FIAに不信感を抱いているようです。

メカクロームは2チーム4台への供給を見込むが……

イルモア、AER、メカクロームの3社の中の1社が、クライアントエンジンを独占供給できます。メカクロームは2チーム4台に供給できれば利益が得られるとしていますが、問題は一体どのチームがクライアントエンジンを使うのかということです。

ハースはフェラーリ、マノーはメルセデスからの供給が決まっています。戦闘力の低い(であろう)クライアントエンジンをわざわざ使う理由がありません。

パワーユニットの供給に不安があるのはレッドブルだけですが、彼らが性能の低いエンジンを用いることはないでしょう。つまりクライアントエンジンは誰が使うかわからないまま、FIA主導で話だけが進んでいるのです。

クライアントエンジンは本当に「安い」か?

もう一つの懸念は、クライアントエンジンが特別安く供給されるとは思えないことです。前述のカルコーベンは、開発費に2000万ポンド(37億円、1ポンド=185円換算)かかるとコメントしています。

競争力を維持するためには毎年開発費がかかるわけですし、グランプリ20戦のサポート費用もかかります。それらを考慮すると、クライアントエンジンも年間10億円/台以上はかかるのではないでしょうか。

現行V6ターボのコストは1チームあたり年間40億円弱、つまり年間20億円/台といわれています。

よって絶対的な価格では、クライアントエンジンの方が安上がりになるでしょう。しかしクライアントエンジンを使用するチームは、コンストラクターランキングで下位に沈むことは確実です。となるとコンストラクターランキングの順位に基いて支払われる分配金が減ります。

順位が下位に沈むと、スポンサーも付きません。メーカー系カスタマーエンジンとクライアントエンジンとの価格差は、分配金とスポンサーマネーの減少分で相殺されてしまうでしょう。かといってクライアントエンジンがレギュレーションで有利になるよう取り計らえば、自動車メーカーが撤退してしまいます。

経済的にも政治的にも利点が無いクライアントエンジンは、おそらく失敗するでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の記事もぜひご覧ください。

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Category: F1, モータースポーツ
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