テスラ サイバートラックは錆びる!? ステンレスボディの問題点

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Tesla Cybertruck Side
テスラ サイバートラック

テスラサイバートラックは、2023年11月に発売されたばかりですが、ユーザーからは既に錆(サビ)の発生が複数報告されています。

Tesla Cybertruck Rust
錆びたサイバートラックのボディの拡大写真

サイバートラックの外装パネルは、ステンレスでできています。ステンレスといえば錆びにくいというイメージがありますが、なぜこれほど早く錆びてしまったのでしょうか? ステンレスが錆びる理由と、サイバートラックが錆びた原因についてまとめてみました。


ステンレスが錆びる理由

Tesla Cybertruck Rear corner

ステンレスは酸化被膜を表面に持つ金属です。この酸化被膜があるために錆びにくいのですが、逆に言うと酸化被膜に問題が生じると錆びてしまいます。

ステンレス表面の酸化被膜は、ステンレスに含まれるクロムが酸素と結合して、数nmという薄い不動態皮膜を形成することで生じます。錆びは鉄と酸素が結合することで発生します(酸化鉄)が、クロムは鉄よりも先に酸素と結合し酸化被膜を形成するため、鉄と酸素が結合できなくなり、結果として錆びなくなるわけです。

しかしいくつかの条件下では酸化被膜を形成できず、ステンレスでも錆びてしまいます。

  • もらい錆び
  • 汚れや水分の付着
  • 塩分の付着
  • 酸やアルカリの付着

もらい錆びというのは、ステンレス表面に鉄などの別の金属が接触している状態を放置した際、その別の金属が錆びることで、ステンレスまで錆びてしまう現象のことです。

ステンレスには数多くの種類があり、クロムやチタン、ニッケル、窒素といった添加物の割合によって特性が大きく変化するため、強度や酸に対する強さなどにも差があります。なので一概には言えないのですが、基本的には上に挙げたような条件下では錆びることがあるのです。

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サイバートラックが錆びた原因

Tesla Cybertruck

サイバートラックが錆びた原因も、前項で挙げた4つの理由に則したものだと考えられます。

走行後の車のボディには、鉄粉が付着します。洗車の際には鉄粉の除去を行いますよね。鉄粉の発生源としては、ブレーキダストや建築現場などからの飛散が挙げられます。

鉄粉を放置すると酸化して固着するため、まめに洗車して除去することが推奨されています。しかしサイバートラックのボディパネルはステンレスのため、固着するだけでなくもらい錆で錆びてしまうと考えられます。

ボディに汚れや水分が付着するのは当然ですね。雨の中を走行すればボディはずぶ濡れになります。実際、サイバートラックのユーザーの一人は、ロサンゼルスで雨の中を走行した後、ステンレスのボディにオレンジ色の斑点があることに気づいたそうです。彼のサイバートラックの走行距離はわずか381マイルで、大半は家の前に駐車していたと語っています。

ステンレスに汚れや水分が付着した状態で放置すると、その付着部分に酸化被膜を形成できず、錆びてしまうことがあります。また、鳥の糞は酸性の汚れなので、これもまたステンレスの錆びの原因になります。雪国では融雪剤(塩化カルシウムや塩化ナトリウムなど)が撒かれるので、これも錆びの原因になるでしょう。こうして列挙していくと、ステンレスは車のボディパネルとして適していないように感じられます。

実際、サイバートラックのマニュアルには、油や汚れをアルコールベースの溶剤で直ちに洗浄すること、その後水またはpHを調整した石鹸ですすぐよう推奨されています。そしてそのようなクリーニングは、長時間の乗車のたびに必要だと記されているのです。

スチール・グレードの高いステンレスならば、簡単に錆びないようなものもあるそうですが、サイバートラックのボディパネルに使われているものは、残念ながらグレードの低いもののようです。錆びると金属の強度も低下するので、防弾性能にも疑問が生じてきます。もちろん、リセールバリューにも影響するでしょう。

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