レクサスLC・レース仕様のスパイショット 次期GT500マシンか?
レクサスLCのレース仕様と思われる車両が、サーキットでテストしているようです。ツイッターや海外サイトでは「次期GT500マシンだ」との推測がなされていますが、画像を見るかぎりでは、GT500らしさに欠けているように見えます。
目次
- 1.スパイショットの概要
- 2.本当にGT500?
- 2-1.サイドのデザインに違和感
- 2-2.リアウイングがおかしい
- 3.スパイショットされた車の正体
- 3-1.なぜダウンフォースが削減される?
- 3-2.直線番長化の効用
スパイショットの概要
日本のツイッターユーザーが投稿したスパイショットだと複数の海外メディアが報じていますが、元のツイートは削除されてしまったようです。画像は富士で撮影されたものと思われます。
撮影されたスパイショットは、走行中の車両のサイドおよび右後方を写した2種類のみ。不鮮明ですが、オーバーフェンダーやリアウイングの形状が確認できます。
本当にGT500?
でもスパイショットの車両は、GT500っぽく見えません。その理由を考えてみます。
サイドのデザインに違和感
現行のGT500車両は、サイド排気です。
よってボディサイドから排気管が出ていなければおかしいのですが、スパイショットの車両にはそれらしきものがありません。
また、ボディサイドの空力処理にも違和感があります。エアロダイナミクスのデザインが、あまりにも大人しすぎるのです。
現行のGT500レギュレーション──いわゆる14規定──では、DTMとレギュレーションを統合するために、空力の開発はデザインラインより下の部分だけに制限されています。ボディサイドだと、ドアより下の部分です。
なので参戦メーカー各社はデザインライン以下の空力開発に注力し、結果として現行マシンはかなり過激な形状になっているのですが、スパイショットの車両のサイド形状は、市販車然としています。
リアウイングがおかしい
14規定のリアウイングは共通部品です。しかしスパイショットの車両のリアウイングステーは、スワンネックではなくなっています。
スパイショットの車両の正体
スパイショットの車両が、ニュル24時間用マシンである可能性は高いと思います。というのも、フェンダーの形状やリアウイングが、ニュル24時間に参戦していた「LFA Code X」とそっくりだからです。LFA Code Xをベースに、LCのニュル仕様を開発しているのではないでしょうか。
でもGT500マシンである可能性も捨てきれません。なぜなら2017年から、スーパーGTの車両規定が大幅に変更されるからです。
新規定は、ダウンフォースの削減を目的としています。なので新規定に合わせたGT500マシンは、スパイショットのように市販車然とした外観かもしれないのです。
なぜダウンフォースを削減される?
2017年にモノコックが更新されるのに合わせて規定が変更され、ダウンフォースが25%削減されるようです。最大の目的はコーナリングスピードの低下=安全性の向上ですが、バトルを増やす狙いもあるはずです。
グリップの大半を空力に頼るマシンだと、テールトゥノーズのバトルをしづらく、オーバーテイクの数は減少します。スーパーGTでも14規定導入後は、GT500のオーバーテイク数が明らかに減少しました。
スパイショットの車両からすると、17年規定ではかなりの量のダウンフォースが削減されそうです。それでいてGTアソシエイションは、「世界最速のGTカー」の地位を守るべく、ラップタイムは維持すると明言しています。
つまり2017年のGT500車両は、ストレートが速くなり、コーナーは遅くなるわけですから、直線番長化が進むということです。
直線番長化の効用
直線番長化が進むと、制動距離が必然的に長くなり、ブレーキング競争がしやすくなります。ダウンフォースへの依存度が減って接近戦が増え、ブレーキング競争がしやすくなれば、オーバーテイクの数も増えるでしょう。2017年のGT500では、09規定の頃のようなオーバーテイクショーが見られるはずです。
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