F1 2017 バルセロナテスト4日目 王者メルセデスにまさかのトラブル!
バルセロナテスト4日目は、コース上に散水され、人為的にウェットコンディションを作った状態でテストが始まりました。
また、メルセデスに初のトラブルが発生するなど、これまでの3日間とは異なる展開となったのも興味深いです。
このページではテスト4日目の模様をチーム別に短くまとめましたので、ぜひご覧ください。
画像の出典: autosport.com
バルセロナテスト4日目のタイムシート
順位 | ドライバー | チーム | タイム | 周回数 |
---|---|---|---|---|
1 | K.ライコネン | フェラーリ | 1:20.872 | 93 |
2 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 1:21:769 | 85 |
3 | J.パーマー | ルノー | 1:21.778 | 39 |
4 | R.グロージャン | ハース | 1:22.309 | 118 |
5 | A.ジョヴィナッツィ | ザウバー | 1:22.401 | 84 |
6 | S.ペレス | F.インディア | 1:22.534 | 82 |
7 | S.バンドーン | マクラーレン | 1:22.576 | 67 |
8 | V.ボッタス | メルセデス | 1:23.443 | 68 |
9 | N.ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:24.974 | 51 |
10 | D.クビアト | トロ・ロッソ | no time | 1 |
12 | F.マッサ | ウィリアムズ | no time | 0 |
13 | C.サインツJr | トロ・ロッソ | no time | 0 |
フェラーリ
ライコネンがトップタイム。
本人は「この時期のタイムは気にしてない」とコメントしていますが、ポテンシャルの高さを確認できたことは、チームの自信につながるでしょう。
なによりフェラーリは4日間のテストをトラブルフリーで終えたのが大きいですね。
メルセデスが信頼性の問題を露呈したので、フェラーリの信頼性の高さは、シルバーアロー打倒の糸口になるでしょう。
レッドブル
これまでの3日間は細かなトラブルに悩まされていたレッドブルですが、4日目は順調でした。
フェルスタッペンは2番手タイムを記録。周回数も85周と十分な距離を稼いでいます。
「車はまだまだ変わる」とフェルスタッペン。
ルノー製PUもまだ全開というわけではなさそうですし、ゲイリー・アンダーソンも「レッドブルは欺いている」と分析しています。
能ある牛は角を隠すのかもしれませんね。
ルノー
テスト開始から1時間半ほど経過したあたりで、路面は半乾きのコンディションに。
そのタイミングでインターミディエイトタイヤを履いたヒュルケンベルグが、素晴らしい走りを披露。
レッドブルを上回り、タイムシートのトップに躍り出ました。
午後はパーマーがステアリングを握り、3番手タイムで終了。
周回数もヒュルケンベルグと合わせて90周を走破しましたし、4日間で一番充実した1日だったのではないでしょうか。
速さは確実に上がっています。
ハース
昨日は躓いたハースでしたが、今日は好調さを取り戻しました。
グロージャンは午前の最後にスーパーソフトを履きアタックし、2番手タイムを記録。
午後もタイムアップを果たしながら、118周を走りきり、最高の形で4日間のテストを締めくくりました。
ザウバー
ドライバーは昨日のエリクソンからジョヴィナッツィに交代しましたが、好調をキープ。
タイムは5番手でしたし、84周も走れたので、ポジティブな結果と言えるでしょう。
以前はペイドライバーと揶揄されたエリクソンも着実に成長していますし、ジョヴィナッツィはルーキーと思えない走りを見せています。
ウェーレインが復帰しても、居場所があるのか心配です。
フォース・インディア
朝からガレージに篭りきりで走れず、テスト開始から2時間経過した時点で、メルセデス勢の周回数が0周、当然フォース・インディアも0という異常事態でした。
結局ペレスが出てきたのは路面が乾いてから。
ソフトタイヤでのラップが、メルセデス勢最初の1周となりました。
その後82周を走破しましたが、タイムではザウバーを上回ることができないなど、全体的にピリッとしない1日だったことは否めません。
4日間の印象としては、メルセデスPUを積んでいる割にはトラブルが多い感じですし、昨年ほどの活躍は難しいかなと思います。
シャシーは速そうなんですけどね。
マクラーレン
4日目は朝から順調に周回を重ね、1時間ほどで18周を走破しました。
しかしバンドーンがグラベルに突っ込んだらしく、その後ガレージ内で長い時間を過ごすことに。
その後ウルトラソフトを付けてピットアウト。
午前中最後の走行では3番手タイムを記録しました。
午後は路面が乾いた後にソフトタイヤで周回を重ねつつ、着実なタイムアップを果たしましたが、順位的には7位と冴えない結果に。
まだ全開では走れていないようです。
マクラーレン・ホンダの真の実力が発揮されるのは、改良版PUが投入される来週のテストまでおあずけといったところでしょうか。
メルセデス
3日間ノントラブルだったメルセデスですが、朝から電気系にトラブルが発生しガレージから出られず。
貴重なウェットコンディションでのテスト機会をムダにしてしまいました。
路面が乾いた午前中の最後の方にコースインしたものの、ボッタスはわずか8周、タイムも芳しくなく、ほとんど確認作業をしただけといった感じでした。
セーフモードで走ってたんじゃないかとの噂もあるほどです。
午後は60周を走りましたが、結局8番手タイムで終了。
下にはトロ・ロッソとウィリアムズしかいませんから、走行した車両の中では最下位という結果に。
少し心配です。
トロロッソ
昨日は駆動系にトラブルが出ていたことが明らかになったトロ・ロッソ。
今日はエンジンにトラブルが発生し、朝からガレージに篭りきり。
結局一周もできずにテストを終えました。
4日間の通算でもさほど周回数を稼げていませんし、信頼性にかなり問題があると言わざるを得ません。
同じルノーPUを積む2チーム(ワークス・ルノーとレッドブル)が比較的周回できていることを考えると、トロ・ロッソのシャシーとルノーPUの相性が悪いのかもしれませんね。
ウィリアムズ
昨日ランス・ストロールのクラッシュによりマシンに異常が見つかったため、4日目は走行できませんでした。
FW40は、まだ1台しか作成されていないためです。
ストロールは「自分は事故の被害者のようなものだ」と言っていますが……この鼻につく性格を直さないと、チームスタッフからそっぽを向かれてしまうと思います。
モータースポーツはチームスポーツですから、スタッフから信頼されることが何よりも肝心です。
あと、レーシングドライバーというと裕福な家に生まれた子供ばかりだと思われがちですが、ナイジェル・マンセル、ミハエル・シューマッハー、デイモン・ヒル、キミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソ、そしてルイス・ハミルトンといったチャンピオンたちは、別にお金持ちの家に生まれたわけではありません。
生まれたときから裕福だったドライバーで、なおかつタイトルを獲得できたのは、アイルトン・セナとジャック・ヴィルヌーヴ、ニコ・ロズベルグくらいだと思います。(プロストは不明)
ニキ・ラウダなんて自分の生命保険を担保に銀行から借金してレースしてたくらいですからね。
アスリートにはハングリー精神が必要だとよく言われますが、それはF1でも同じなんです。
ストロールがそれを身につけることができるかどうかで、キャリアの明暗が分かれると思います。
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