フォードがフィエスタを廃止か

テクノロジー・業界分析

Ford Fiesta 2017 Front

フォードのコンパクトハッチバック「フィエスタ」の生産が、2023年半ばで終了するようです。
初代フィエスタは1976年に登場し、以来ベストセラーモデルとして欧州フォードの屋台骨を支えてきましたが、近年は販売台数が落ち込んでいました。
日本でも販売されていたことがありますが、2016年のフォード日本撤退に伴い、販売を終了しています。

Ford Fiesta 2014
日本で販売されていたのは4代目フィエスタ。ダウンサイジングターボのEcoboostエンジンが印象的だった。

今回はフィエスタ不振の原因と、フォードの今後の戦略について分析してみます。


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フィエスタ不振の原因

Ford Fiesta
歴代フィエスタ

フィエスタは英国で特に人気が高く、初代からの46年間で約500万台を販売してきた地域ですが、2021年の英国自動車販売台数トップ10にフィエスタの名前はありませんでした。2022年もこの傾向は変わっていません。
一方、コンパクトSUVのプーマは人気を維持しており、2022年9月までの同ランキングで3位に入っています。

自動車のコスト上昇

近年、自動車の価格は高騰しています。価格高騰の要因は、排ガス規制の強化や衝突被害軽減ブレーキの義務化、そして世界的な半導体価格の高騰などが挙げられます。

コンパクトハッチバック最大のメリットは、コストパフォーマンスです。安くて使い勝手の良い車だからこそ人気があったわけですが、近年のコスト上昇でそのメリットが薄れてしまいました。コンパクトハッチバックでも排ガス規制には対応しなければいけませんし、衝突被害軽減ブレーキ等のADAS(先進運転支援システム)を搭載しないわけにもいかないのです。

コンパクトハッチバックの価格が上昇した結果、コンパクトSUVとの価格差が小さくなってしまいました。となると、室内が広いコンパクトSUVを購入する人が増えます。コンパクトハッチバックは、価格が高い割に魅力に乏しい車になってしまったのです。
また、SUVのハンドリングが大きく改善されたことも、ハッチバック車にとっては不利に働いています。

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フォードの今後の戦略

Ford Fiesta 2017 Rear

フォードは2030年までにラインナップの全てをEVにする計画で、その要となるのがフォルクスワーゲンとの提携です。
現在フィエスタを生産しているドイツ・ケルン工場は、フォードのEVを生産する工場に生まれ変わりますが、そのフォード製EVには、フォルクスワーゲンのEV用プラットフォーム「MEB」が採用されます。このMEBに基づくフォード製EVは、2023年に生産が開始される予定です。

コンパクトSUVのプーマもEVになります。こちらはルーマニアの商用車のラインで生産され、トランジットEVとコンポーネントを共有するそうです。しかしフィエスタEVの計画はありません。このことからもハッチバック車の置かれた厳しい状況が窺えます。

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