デイリーF1ニュース(2017年3月31日号)

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最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース
今日のニュースは以下のとおりです。

  • メルセデスは最低重量よりも重い
  • ペレス「フォースインディアはトロロッソやハースより遅い」
  • F1はインディカーを見習うべき!?
  • ザウバー、シーズン中のホンダへの変更を否定
  • F1オーストラリアGPの視聴率

それではご覧ください。

トップ画像の出典: media.f1i.com


メルセデスは最低重量よりも重い

画像の出典: media.f1i.com

現在のレギュレーションでは、F1マシンの最低重量は728kgと定められています。

レーシングカーは大抵の場合、規定の最低重量よりも軽く作って、足りない分をバラストで調整するのが普通です。
バラストの搭載位置を変更すれば、ハンドリングバランスをドライバーの好みに変えられるからです。

しかしオーストラリアGPを走ったメルセデス・ベンツ W08は、最低重量よりも5kg重かったと言われています。
増加したコーナリングスピードと、年間4基に減ったエンジン規制への対応がその原因です。
重量が5kg重いと、ラップタイムペースで0.2秒ほど遅くなります。

メルセデスのトト・ウォルフは、W08が最低重量を5kg上回っているのではないかというAuto Motor Und Sportの指摘には頷きませんでしたが、軽量化すべく努力を重ねていることは認めました。

「詳細については語りたくないが、(重量は)間違いなく改善できる分野だ」とウォルフ氏。「新しい規制と車のサイズによって、性能パーツと重量のバランスを常にとる必要がある」

Source: Mercedes admits it needs to reduce its 2017 Formula 1 car’s weight | autosport.com

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ペレス「フォースインディアはトロロッソやハースより遅い」

画像の出典: media.f1i.com

セルジオ・ペレス(フォース・インディア)は、オーストラリアGPでの7位フィニッシュに貢献したVJM10のパフォーマンスを賞賛したものの、トロロッソとハースの両方がより速いマシンを持っていると考えているようです。

「現時点ではウィリアムズははるか彼方だし、トロロッソも我々より速い、ハースも我々より速かった、だからコース上と戦略で彼らに打ち勝ったことを、チームはとても幸せに思える」

「メルボルンはドライバーが差をつけることができるトラックだと思う。とてもバンピーで狭く、難しいトラックだからね。普通のコースにいったらもっと苦戦するだろう。早いとこアップグレードする必要がある」

車の弱点を尋ねられたペレスは「テストで車は改善したけど、リアに弱点があると思う」と答えています。「車のバランスをまったく取れてなくて、ひどいアンダーステアで走らなければならなかった。それをやっつけないとね」

Source: Sergio Perez: Force India slower than Toro Rosso and Haas | espn.co.uk

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F1はインディカーを見習うべき!?

新レギュレーションのF1では、巨大すぎるダウンフォースがオーバーテイクを難しくしていると批判されています。

アメリカの自動車メディアであるROAD and TRACK(以下、R&T)は、「F1が悩まされている問題の答えはインディカーにある」と考えているようです。

R&Tによると、インディカーが2015年にカスタムエアロキットを導入した際にも、現在のF1と同様の問題に直面したそうです。
ホンダとシボレーがオリジナルのエアロを導入した結果、数多くのウィングとフラップが追加され、車体後方の気流が大きく乱れるようになってしまいました。

2015年のホンダエアロキット

画像の出典: roadandtrack.com

R&Tは、カスタムエアロキットで生み出されたダウンフォースレベルを「馬鹿げたもの」だと酷評しています。
ロードコースにおいて2015年のインディカーが発生していたダウンフォース量は、5500ポンド(2495kg)を上回っていたそうです。
インディカーの最低重量は700kg程度ですから、車体重量の4倍以上ものダウンフォースを発生していたことになります。

車体後方の乱気流を減らすべく、インディカーは2016年からダウンフォース量を逆に減らし始めました。
具体的には最低地上高を上げるなどの対策が取られていたのですが、2018年から導入される新エアロキットでは、車体上部で発生するダウンフォースを、車体の床下に移転するという対策が取られています。
なので車体上部のウイングなどの空力付加物はシンプルそのものです。

2018年から採用されるインディカーのエアロキット

画像の出典: roadandtrack.com

ダウンフォースの大部分を床下で発生させていたグラウンドエフェクトカーの時代(70年代後半〜80年代前半)には、車体前後のウイングが無い車も存在しました。
インディカーの新エアロキットは、旧き良き時代への回帰なのかもしれません。

Source: Formula 1’s Huge New Downforce Is a Problem, And IndyCar Has the Solution | roadandtrack.com

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ザウバー、シーズン中のホンダへの変更を否定

画像の出典: media.f1i.com

ザウバーのモニシャ・カルテンボーン氏は、今シーズン中にホンダへとスイッチする可能性を否定しました。

マクラーレンがメルセデスに乗り替えるという噂は、まことしやかに囁かれています。
そのなかにはマクラーレンがザウバーにギアボックスを供給し、ホンダに違約金を支払ったうえで、今シーズン中にメルセデスにスイッチするという話まであるようです。

一方、ザウバーは型落ちのフェラーリPUを使用していますし、財政的にも厳しいシーズンが続いていますから、ホンダからの支援は願ったり叶ったり。
ザウバー・ホンダの誕生も間近かと言われていました。

しかしカルテンボーン氏は「そのような話に興味はありません」と、シーズン中のホンダへのスイッチを真っ向から否定しました。

とはいえフェラーリとの契約が2017年限りで切れるザウバーは、来シーズン以降のPUを探さなければなりません。

「エンジンの状況に関しては開かれていますし、いくつかの選択肢があります。私たちは近いうちに決断しなければなりませんが、何事にも拘束されていません」

Source: Kaltenborn: Sauber not open to Honda switch
| racer.com

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F1オーストラリアGPの視聴者数

画像の出典: media.f1i.com

新レギュレーションとなった2017年のF1。F1の母国イギリスにおける開幕戦の視聴率はどうだったのでしょうか?

イギリスにおけるF1放送は、3時間30分のライブ中継が有料衛星放送のスカイスポーツおよびスカイスポーツF1、2時間30分にまとめられたハイライト放送は無料地上波のチャンネル4という2つでした。

スカイスポーツとスカイスポーツF1の平均視聴者数は、9.7%増395,000人でした。
視聴者数のピークはベッテルがリードを奪った瞬間で、636,000人に達しました。

ちなみにイギリスでのライブ放送は午前5時から8時半にかけて行われましたから、9.7%増はかなり健闘したといえるのではないでしょうか。

チャンネル4でのハイライトは午後2時からの放送でしたが、こちらの平均視聴者数は22%減の165万人にとどまりました。

有料放送の視聴者数が増えたのは喜ばしいことですが、無料で見られる地上波での視聴者数の減少は、F1のスポンサー離れを加速させるかもしれません。
オートバイのロードレースでも、有料放送のMotoGPから、無料地上波のSBKのチームへとスポンサーが移動するという現象が、ヨーロッパでは起こっています。

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前日のデイリーF1ニュース
デイリーF1ニュース(2017年3月30日号)| 車知楽

翌日のデイリーF1ニュース
デイリーF1ニュース(2017年4月1日号)| 車知楽

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