デイリーF1ニュース(2017年6月3日号)レッドブル、撤退をちらつかせる 他
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。
- レッドブル、撤退をちらつかせる
- ホンダ、MGU-Hトラブルの原因をいまだ特定できず
- ミカ・サロ「キミはフェラーリのセカンドドライバー」
- アンドレッティ「アロンソはキャリアを浪費している」
- トト・ウォルフ「2020年以降もエンジン音が重要」
それではご覧ください。
前日のデイリーF1ニュース
デイリーF1ニュース(2017年6月2日号)ボッタス「レッドブルの速さはモナコだけ」 他
翌日のデイリーF1ニュース
デイリーF1ニュース(2017年6月4日号)ルノー、カナダでの巻き返しを誓う 他
レッドブル、撤退をちらつかせる
レッドブル・レーシングのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士は、2020年以降のエンジンレギュレーションにおいて、高価すぎるエンジン使用料に改善が見られなければ、F1から撤退すると発言しました。
マルコ博士によると、現在のエンジンレギュレーションは「ナンセンス・パワーユニット・フォーミュラ」であり、「シンプルで、うるさくて、年間コストが1,000万ドルを越えないエンジンが必要」だと主張しています。
「パワーユニットは信じられないほどの技術的成果だよ。一般の人々にとってはさほど重要ではなく、ドライバーを背景に追いやってしまうほどにね」と、マルコ博士は皮肉たっぷりに語ります。
「エンジンのために年間2,000万ドル以上も必要なのは狂気だよ。とりわけ無意味なのは、生産車にはそのような技術が必要無いということだ」
マルコ博士はホンダが苦戦している理由を「レギュレーションが複雑すぎること」だとし、コスワースやイルモアが供給する「インディペンデント・エンジン」こそが解決策だと力説しています。
しかし以前にF1が行った大規模なアンケート調査では、F1の魅力について、ファンの多くが「F1の高度な技術」を挙げていました。
F1をインディカーみたいにするよりも、レッドブルがインディカーに参戦した方が早いと思うのですが。
ホンダ、MGU-Hトラブルの原因をいまだ特定できず
モナコGPではジェンソン・バトンがグリッド降格ペナルティを受け、最後尾スタートとなってしまったマクラーレン・ホンダ。
ペナルティの原因のひとつが、MGU-Hのトラブルでした。
奇妙なことに、ダイノテスト中にはMGU-Hに異常は見られなかったということで、それがホンダのエンジニアを悩ませているようです。
つまりエンジンダイナモ(エンジン単体で計測できるテスト装置のこと)上では高い信頼性を発揮しているにもかかわらず、車体に載せると途端に信頼性が低くなってしまうという、何とも頭の痛い問題を抱えています。
「問題の結果、われわれは2レースごとにMGU-Hを交換しています。これは非常に残念なことです」と語るのは、ホンダF1プロジェクト総責任者の長谷川祐介氏です。
「ダイノ上では、MGU-Hは5,000km以上も走行していたので、2レースしか走れないというものではなかったのですが……」
「この状況を改善する必要があります。われわれはダイノ上では走らせることができたものの、サーキットでは多くの問題に直面しました。だから変更する必要があります。適切な変更です。すでにテストしています」
ちなみに信頼性を向上させた「改良版MGU-H」もすでにあるものの、ダイノテストでは以前のバージョンのMGU-Hの方が良い数値が出ていることから、長谷川氏は改良版の使用に慎重を期しているようです。
カナダGPでも問題が無ければ、以前のバージョンのMGU-Hを継続使用するとのこと。結論が出るまでには5〜6レースはかかると、長谷川氏は語っています。
Source: Honda still perplexed by MGU-H failures | racer.com
ミカ・サロ「キミはフェラーリのセカンドドライバー」
モナコGPではポール・ポジションからスタートしたキミ・ライコネンでしたが、チームメイトのセバスチャン・ベッテルにピット戦略で敗北し、久方ぶりの優勝を逃してしまいました。
ライコネンが負けたのは、ピットイン前のラップタイムが悪すぎたことが原因です。
なのでフェラーリがベッテルをピット戦略で優遇したわけではないのですが、ライコネンとは対照的に、ベッテルはピットイン前の数周でスーパーラップを連発したので、「フェラーリのエースはベッテル」というイメージが強まったのは否めません。
元F1ドライバーで、99年にはミハエル・シューマッハーの代役としてフェラーリからエントリーしたこともあるミカ・サロ氏は、同郷のキミ・ライコネンが、すでにフェラーリのセカンドドライバーだと考えています。
「ベッテルは世界選手権を制するチャンスがある。彼はハミルトンに対して非常に良い仕事をしているからね」とサロ氏。「キミはすでにポイントで大きな差をつけられている。だから基本的に、彼は誰の目から見てもセカンドドライバーだ」
「もちろんキミは、チャンピオンシップに勝つ可能性が数学的に消滅するまで(セカンドドライバーだということを)信じないだろう。でもチームの(ベッテルに対する)関心が、キミがおそらくセカンドドライバーであることを意味している」
モナコGPでは、ベッテルの先行を許した直後からペースが極端に落ちるなど、ライコネンには気分屋な一面があります。
なのでライコネンを明確なセカンド待遇にしてしまうと、コンストラクターズポイント争いでは逆効果でしょうね。
ライコネンが気持ちよく走れる環境とマシンを与えた方が、フェラーリにとっても有益だと思います。
Source: Raikkonen plays second fiddle at Ferrari, says Mika Salo | en.f1i.com
アンドレッティ「アロンソはキャリアを浪費している」
F1を2度、インディカー(CART)を4度制し、インディ500やデイトナ500でも優勝経験のあるマリオ・アンドレッティ氏は、モータースポーツ界のレジェンドとでも言うべき存在です。
そのアンドレッティ氏が、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)に、インディカーへのスイッチを促しています。
「ドライバーが幸せでいるための唯一の方法は、競争力があることだ」と、アンドレッティ氏は言います。「それ以外では欲求不満だ。彼(アロンソ)はキャリアで最も良い時期にあるのに、時間を浪費している。」
アンドレッティ氏は、アロンソがモナコGPを欠場してインディ500に参戦したことを評価しています。
「(インディ500参戦で)彼の価値が上がったことは、私が保証する。彼は尊敬に値するよ。ここ(インディアナポリス)に敗者はいなかった、エンジンを除いてね」
Source: Andretti: 'Alonso is at his peak and wasting his time’ | en.f1i.com
トト・ウォルフ「2020年以降もエンジン音が重要」
メルセデスF1を率いるトト・ウォルフ氏は、2020年以降のエンジンレギュレーションにおいて重要なのは「音」だと考えているようです。
「なぜ人々は『エンジンを回せ! 行け行け行け!』と言っているのか?」とウォルフ氏。「道行く全ての車がハイブリッドとなり、効率が上がり、自動運転になろうとも、レーシングカーを見るという行為は、視聴覚の運動に他ならない」
「速く走る車を見ることもできるが、音はとても重要だ。それはわれわれに力とスピードを認識させてくれる」
「今のエンジンは、この点に欠けている。それが完全に悪いとは思わないが、2020年に新しいエンジンを使うときには、音質は不可欠だ」
Source: Wolff: better sounding engines but with the best technology | en.f1i.com
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