グループPSA(プジョーシトロエン)に排ガス不正疑惑 200万台もの車にディフィートデバイスを装着か
先日オペルを買収し、3008などの新型車も好調なプジョー・シトロエン(グループPSA)ですが、PSAが販売したおよそ200万台もの車に、排ガス不正を行うためのディフィートデバイスが使用されている可能性がにわかに浮上してきました。
今回はグループPSAによる排ガス不正疑惑についてお伝えします。
PSAの排ガス不正疑惑
VWの排ガス不正でも取り沙汰された「ディフィートデバイス」とは、排ガス試験の時だけ窒素酸化物(NOx)の排出を抑制し、実走行時には法律で定められた基準値をはるかに超えるNOxの排出を許容するようなデバイスを意味します。
PSAが用いたとみられるディフィートデバイスは、NOx排出量の重要性が低いとされる郊外の走行において燃費を改善し、CO2排出量を削減するために、高温環境下におけるディーゼルエンジンのNOx処理を、意図的に停止するもののようです。
フランスのル・モンド紙は、DGCCRF(競争・消費者問題・詐欺防止のために設置されたフランス政府の組織。消費者庁のようなものか)が、「ディフィートデバイスとしての側面を、あまり顕著でないものにする必要性がある」という内容の内部文書を入手したと報じています。
PSA側の反応
PSAは疑惑を全面的に否定しています。
また、司法当局からの連絡も受けていないそうです。
DGCCRFが入手したとされる内部文書についても、PSAはそのファイルにアクセスできなかったことから、議論を進めることは不可能だとしています。
今後の展開
予想される罰金額
もしPSAが本当に排ガス不正を行っていた場合には、最大で50億ユーロ(約6500億円)の罰金が課せられる
だろうと、ル・モンドは予想しています。
この報道を受けてPSAの株価は急落し、金曜日の取引では4.4%も値を下げました。
さらなる業界再編の引き金に?
巨額の罰金がPSAに課せられた場合には、PSAは自動運転や電気自動車などの次世代自動車開発において、大きな遅れを喫することになるかもしれません。
そうなるとPSA自体が、他の自動車メーカーから買収される可能性が出てきます。
PSAは欧州において大きなシェアを持っていますから、欧州外のメーカーからすると垂涎の的です。
とくに中国のメーカーは、国外でのシェア獲得に躍起ですから、PSAの株価が下がった際に買収を試みるかもしれません。
中国の東風汽車とはプラットフォームを共同開発するなど関係が深いですから、PSAが中国資本となる未来も十分にありえます。
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