WRC 2018年のマシン&ドライバーラインナップ

WRC,モータースポーツ

2018年のWRCが、1月25日に開幕します。
開幕戦の地は例年どおりモンテカルロですが、各チームのドライバーラインナップには、昨年からの変更が見られます。

そこで今回は、2018年のWRCに参戦するワークスチームの陣容をまとめてみました。
最高峰クラスに参戦する自動車メーカー4社のドライバーとマシンの画像をご確認ください。

また、トヨタに関しては昨年型マシンとの比較も用意しました。
たった1年でヤリスWRCがまったくの別物に進化しています。
そちらも合わせてご覧ください。

また、各ラリーで起こった出来事のまとめに関しては、以下のリンク先からご覧いただけます。


M-Sport Ford WRT

フォードのドライバーラインナップ

カーNo. ドライバー コ・ドライバー
1 セバスチャン・オジェ ジュリアン・イングラシア
2 エルフィン・エバンス ダニエル・バリット
3 テーム・スニネン ミッコ・マルックラ
セバスチャン・オジェ
エルフィン・エバンス
テーム・スニネン

苦戦しつつもタイトルを獲得しWRC5連覇を達成したセバスチャン・オジェは、2018年もチャンピオンの大本命です。

昨年のラリー・グレートブリテンでWRC初優勝を遂げたエルフィン・エバンスは、ミシュランタイヤでも勝てるということを証明しなければなりません。
さらなる飛躍の年にできるか注目です。

フィンランドの若手テーム・スニネンは7戦のみのエントリーですが、昨年は初のWRカーでステージウィンを獲得するなど、才能の片鱗を見せていました。
エントリーしたラリーでは、上位争いに絡んでくるでしょう。

フォード フィエスタWRC

フォード本社の支援が拡大されたため、フロントウィンドウ上部には「FORD PERFORMANCE」の文字が入りました。

また、RedBullのカラーリング面積も大きくなっていることから、スポンサーフィーが増額されたと考えられます。

1981年のフォード・エスコートRS1800(ドライバーはアリ・バタネン)以来、久々のドライバータイトル獲得となったフォードですが、マシンは保守的になるどころかかなり攻めたデザインです。
フロントのカナードは巨大化してフェンダー上部までつながっていますし、リアフェンダーもヤリスWRCのようなエアロに改めてきました。
タイトルを防衛するのではなく、もう一度攻め取るという姿勢が垣間見えます。

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Hyundai Shell Mobis WRT

ヒュンダイのドライバーラインナップ

カーNo. ドライバー コ・ドライバー
4 アンドレアス・ミケルセン アンダース・イエーガー
5 ティエリー・ヌービル ニコラス・ギルソウル
6 ダニ・ソルド カルロス・デル・バリオ
6 ヘイデン・パッドン セバスチャン・マーシャル
アンドレアス・ミケルセン
ティエリー・ヌービル
ダニ・ソルド
ヘイデン・パッドン

ミケルセンの加入により、グラベルとターマックのどちらでも優勝が期待できるオールラウンダーが2人(もうひとりはもちろんヌービル)となったことで、ヒュンダイのドライバーラインナップは盤石なものとなりました。
ミケルセンとヌービルでポイントが分散してしまうリスクはあるものの、ライバルのビッグポイントを阻止するためには、勝てるドライバーを2名以上揃えるより他ありませんからね。

ソルドとパッドンはそれぞれ7戦のみのエントリーとなります。
パッドンはかつてヒュンダイのエース候補だったので、ちょっと寂しい気もしますね。

ヒュンダイ i20クーペWRC

2018年仕様のi20クーペWRCは、フィエスタWRCなどと比べるとエアロがやや大人しめです。
まあ、発表されたものが最終仕様というわけではないでしょうから、開幕戦のモンテカルロではアップデートされているかもしれませんが。

今年ヒュンダイが解決しなければならない問題は、ヌービル以外が勝てないという問題です。
昨年はソルドもパッドンも表彰台圏内に顔を出すことすら稀だったので、この問題は結構深刻だと思います。

i20クーペWRCの特性が殊更ヌービルに合っているのか、それともヌービルに合わせて開発されているのかはわかりませんが、ミケルセンも競争力を発揮できるように開発していかないと、タイトル獲得は難しいでしょう。

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Toyota Gazoo Racing WRT

トヨタのドライバーラインナップ

カーNo. ドライバー コ・ドライバー
7 ヤリ-マティ・ラトバラ ミーカ・アンティラ
8 オット・タナク マルティン・ヤルヴェオヤ
9 エサペッカ・ラッピ ヤンネ・フェルム
ヤリ-マティ・ラトバラ
オット・タナク
エサペッカ・ラッピ

何と言ってもタナクの加入が大きいですね。
グラベルが得意なドライバーばかりだったトヨタは、ターマックラリーで全くと言っていいほど活躍できていませんでしたが、タナクはグラベル・ターマックのどちらでも速いオールラウンダーですから、ターマック仕様のヤリスWRCを開発する上でも大きな力になってくれるはずです。

トヨタ・ヤリスWRC

ヤリスWRCに関しては2017年仕様の画像も用意したので、比較してみてください。

ヤリスWRC(2018)
ヤリスWRC(2017)
ヤリスWRC(2018)
ヤリスWRC(2017)
ヤリスWRC(2018)
ヤリスWRC(2017)
ヤリスWRC(2018)
ヤリスWRC(2017)

2018年仕様のヤリスWRCは、フィエスタに勝るとも劣らない過激なエアロで登場しました。
フロントフェンダーまで連なる巨大なフロントカナードは、今年のトレンドとなりそうです。

リア周りは昨年とあまり変わっていませんが、ヤリス方式のリアフェンダーを他メーカーも真似てきたところを見ると、このデザインが最適解なのでしょう。
トヨタのマシン開発を担当するTMG(所在地はドイツ・ケルン)は、F1やWECでの経験がありますから、ヤリスWRCの空力はWRCで最も先進的なのだと思います。

昨シーズンはデビューイヤーにも関わらず2勝を上げ、大成功の年となりました。
今年はそれ以上の結果を求められるわけですが、そのためには信頼性の低さを克服し、ターマックでの速さを身に着けなければなりません。
タイトルを目指すためには得意のラリーで勝つことよりも、どのラリーでも安定してポイントを積み重ねていけるかどうかが問われるのですから。

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Citroen Total Abu Dhabi WRT

シトロエンのドライバーラインナップ

カーNo. ドライバー コ・ドライバー
10 クリス・ミーク ポール・ナグル
11 クレイグ・ブリーン スコット・マーティン
11 セバスチャン・ローブ ダニエル・エレナ
クリス・ミーク
クレイグ・ブリーン
セバスチャン・ローブ

シトロエンはシーズンエントリーを2台体制に縮小しました。
ローブが参戦するメキシコ、フランス、スペインの3戦では、ブリーンがお休みとなります

昨年まったく結果が出なかったにも関わらず、シトロエンが参戦体制を縮小したのは意外でした。
もしかすると、予算面で厳しいのかもしれません。
昨年シトロエンでスポット参戦したミケルセンがヒュンダイに行ってしまったのも、ギャラの面で折り合いがつかなかったのかな? と思わず邪推してしまいます。

3台目のC3WRCはカリド・アル-カシミが乗るそうですが、こちらはアブダビのオイルマネーで参戦するお客様(ペイドライバー)です。
また、スウェーデンではマッズ・オストベルグが起用されるようですが、こちらもスポット参戦でしょう。

シトロエン C3WRC

4メーカーの中で一番変化に乏しいのがC3WRCだと思います。
フロント周りのデザインも保守的です。
後方にいくに連れて徐々に幅が狭くなるフロントフェンダーは面白いと思いますが。

C3WRCは速さこそあるものの、信頼性の低さや、クラッシュの多さ(ミークのせいなのか車が扱いづらいのかは不明)により、マニュファクチャラーズランキングで4メーカー中最下位に沈んでしまいました。
今季こそ名誉挽回を期待したいところですが、マシンを見るかぎり厳しいかもしれません。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。