デイリーF1ニュース(2018年5月23日)ウィリアムズFW41の何がダメなのか?
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。
- ウィリアムズFW41の何がダメなのか?
- フェラーリはスペインGPの不振を払拭できるか
- メルセデスのフォーミュラEチームが早くもスポンサー獲得
それではご覧ください。
ウィリアムズFW41の何がダメなのか?
今季は不振にあえいでいるウィリアムズ。
今年投入されたFW41の、一体何が問題なのでしょう?
FW41は、舵角を切るとすぐにスピンするような挙動を示します。
フロント周りの剛性は高いのか低いのか曖昧で、フル舵角時以外は荷重に対する安定性を欠いていました。
よってカタルーニャ・サーキットのようにロングコーナーが多いトラックでは、不安定な状態で周回せざるを得ません。
これらの挙動から考えられる原因として、FW41はステアリングを切る(=フロントホイールに舵角が付く)ことで、急激にダウンフォースが変化している可能性があります。
現代のF1マシンは、フロントウイング外側からの空気流と、フロントウイングのメインプレーンおよび義務的な中央のセクション(マウントのすぐ横の部分)から発生した空気流によって、サイドポッド前方に向かう渦を作り出しています。
そして複雑怪奇な形状のフロントウイング・エンドプレートは、その渦の上方に、もう1つ異なる渦を作っています。
2つの渦は反対方向に回転しながら、周囲の空気を引き込み、ディフューザー外側からリアタイヤ内側までの空気の流速を引き上げているのです。
そしてその速い空気流は、リアディフューザーの効率をも向上させています。
つまりフロントウイング周りの空力が、フロントホイールについた舵角によって阻害されると、車体全体のダウンフォースが失われてしまうのです。
FW41にこのような問題が起こっているとすれば、修正するのはかなり困難でしょう。
Source: What’s wrong with the Williams car? | skysports.com
フェラーリはスペインGPの不振を払拭できるか
スペインGPの週末、フェラーリはメルセデスに惨敗しました。
原因はピレリが持ち込んだトレッド面のゴム厚が薄いタイヤのせいだと言われていましたが、その後のテストで以前のタイヤ(ゴムが厚いタイヤ)を履いたところ、タイムはさらに悪化。
原因は他にあることが判明したのです。
スペインGPに引き続き行われたバルセロナでのインシーズン・テストで、フェラーリはリア・サスペンションのピックアップ・ポイントを変更してきました。
サスペンションの上下間のギャップを拡げることで、空気の流れを良くする狙いがあると思われます。
しかし、このサスペンション形状(分節)の変化によって、リアタイヤの外側のショルダーに負担をかけてしまう可能性があるため、フェラーリは慎重に効果を見定めているようです。
タイヤの過熱は、ブリスターの原因となります。
低速コースのモナコでは、タイヤブリスターの心配はありませんから、フェラーリも復調してくるはずです。
フェラーリの真価は、オーストリア・レッドブルリンクやイギリス・シルバーストーンのようなトラックで問われることになるでしょう。
Source: TECH TUESDAY: The tweak behind Ferrari’s Spanish slump? | formula1.com
メルセデスのフォーミュラEチームが早くもスポンサー獲得
メルセデス EQ フォーミュラEチームと、ビジネス向けソフトウェア大手のSAPが、パートナーシップを締結しました。
SAPは、売上高が3兆円を超える巨大企業です。
「新しいメルセデス EQ フォーミュラEチームの最初のプリンシパルパートナーとして、SAPを発表できることを嬉しく思う」と語るのは、メルセデス・ベンツ・モータースポーツのボスであるトト・ヴォルフです。
「最初のレースまでまだ18ヶ月も残っているが、この新しい契約はこのシリーズの商業的可能性を示している」
「このパートナーシップは、シーズン6参戦のための技術的、スポーツ的な準備を次の段階へシフトするための、強力な基盤を提供してくれる」
「この契約は従来のブランド価値と、トラック上のパフォーマンスに有意義な貢献をもたらす革新的な技術とを、組み合わせるものだ」
メルセデスはフォーミュラEでは後発で、まだ何も結果を残していない(というかまだ参戦すらしていない)わけですが、それでもスポンサーが簡単に見つかるのは、フォーミュラEというシリーズに注目があつまっているからでしょう。
Source: Mercedes EQ Formula E Team to partner with SAP | en.f1i.com
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