デイリーF1ニュース(2018年9月4日)バンドーン、今季限りでマクラーレンを離脱
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお伝えするデイリーF1ニュース。
本日のニュースは以下の3本です。
- バンドーン、今季限りでマクラーレンを離脱
- ブラウン「ノリスのFP1出走はF2の役には立たない」
- ミシュラン、F1復帰断念の理由は「13インチ」と「劣化するタイヤ」
それではご覧ください。
バンドーン、今季限りでマクラーレンを離脱
マクラーレンのストフェル・バンドーンが、今季限りで同チームを離脱することになりました。
バンドーンは2013年にマクラーレンのジュニアプログラムに加入。
2016年のオーストラリアGPで負傷したフェルナンド・アロンソの代役ドライバーとして、同年のバーレーンGPでF1デビュー、いきなり10位入賞を果たし、F1ファンを驚かせました。
翌2017年からはフルタイムのF1ドライバーとしてマクラーレンで戦ってきましたが、今季は全レースの予選でアロンソの後塵を拝するなど、成績が低迷。
放出の発表は時間の問題と見られていました。
バンドーンの後任はランド・ノリスです。
彼もまたバンドーンと同じくマクラーレンの育成ドライバーであり、現在はF2でチャンピオン争いを繰り広げています。
バンドーンの移籍先としては、彼がGP2のとき所属していたARTグランプリで、当時代表を務めていたフレデリック・ヴァスールとの縁を頼り、ザウバーに移籍するのではないかと言われていましたが、この噂はヴァスールによりハッキリと否定されてしまいました。
シートの空きはトロロッソとウィリアムズくらいですが、前者はホンダをかつて手厳しく非難したことが政治的な障害になるでしょうし、後者は資金力のあるロシア人ドライバーがシートを狙っています。
バンドーンがF1に残るのは難しいかもしれません。
Source: McLaren and Stoffel Vandoorne to split at the end of the season! – f1i.com
ブラウン「ノリスのFP1出走はF2の役には立たない」
バンドーンのシートを引き継ぐことになったランド・ノリスは、最近FP1に出走する機会が増えています。
しかしそのせいで、F2のドライビングに戸惑っているようです。
スパで初めてFP1を走ったノリスは、カーリン・チームのF2マシンに戻ると「F2カーに乗ったことが無いみたいに感じた」とコメントしました。
「(F1の)ダウンフォースとブレーキングとパワーに慣れてしまって、かなり変な感じだ」
マクラーレン・レーシングのCEOであるザック・ブラウンは、FP1でのノリスのパフォーマンスを称賛しつつも、F2の走りには役立たないと考えています。
「ランドは優れた仕事をしている」とブラウン。「F1カーとF2カーを行ったり来たりしても、F2での彼を助けているとは思わない」
「もし最終的なタイムを見るなら、彼はフェルナンドのペースに非常に近い。我々はタイヤを何本か温存するために、ランドの車を止めた。結局のところ、タイムシート上のギャップは、トラック上に同時に起こっていた現実を表すものではなかった。彼はスパで非常に印象的な仕事をした」
ブラウンはノリスのマネージメントを手がけているので、彼の評価は割り引いて聞く必要がありますが、ノリスに才能があるのは事実でしょう。
F2での彼の走りはまだまだ荒削りですが、光るものがあると思います。
問題があるのは、マクラーレンというチームそのものです。
バンドーンだって将来を嘱望された若手ドライバーだったのに、結局彼の才能を潰してしまいました。
ノリスがマクラーレンからデビューすることが、彼の将来につながるとは思えません。
Source: Norris’s F1 runs “probably not helping him in F2” – Brown – racefans.net
ミシュラン、F1復帰断念の理由は「13インチ」と「劣化するタイヤ」
ミシュランはF1に復帰しないと公式に発表しましたが、その理由は「1年限りの13インチタイヤ開発」と「劣化するタイヤ」にあるようです。
ミシュランは2006年末にF1から撤退。
直近でF1に復帰するチャンスは、2020~2023年までのタイヤ供給契約の入札でしたが、応札した企業の中にミシュランの名前はありませんでした。
「F1が、ミシュランの提案からほぼ10年後に、18インチに切り替えるというアイデアを受け入れたことを嬉しく思っている」と語るのは、ミシュランでモータースポーツ・ディレクターを務める、パスカル・クアスノンです。
「しかし明らかな事実として、我々は13インチの開発をしなければならず、始めるにはいくらなんでも遅すぎる。現実世界と何ら関係の無いタイヤの開発を正当化することも不可能だ」
「タイヤが劣化(デグラデーション)する方向性を止めるようにという我々の勧告も、F1は受け入れていない」
「これら2つのことにより、復帰を推し進めることは不可能になった」
ミシュランはMotoGPでの経験から、タイヤが劣化しない方向性で開発を進めた方が、レースがより面白くなると考えているようです。
2輪ではタイヤの劣化が激しければただ危険なだけですし、オーバーテイクもしやすいので、劣化の少ないタイヤの方が良いでしょう。
しかし4輪は空力への依存度が高く、とくにF1はそのせいでオーバーテイクが難しいため、タイヤの劣化でスピード差を演出しないと、DRSを使っても追い越せないのが現状です。
先のイタリアGPでは、キミ・ライコネンのタイヤの劣化により、ルイス・ハミルトンの大逆転勝利が生まれました。
バーレーンやモナコにおけるピエール・ガスリーの入賞も、彼のタイヤマネジメントの上手さによるものですし、劣化するタイヤがドラマを生み出していることは否定できません。
F1は劣化するタイヤで正解だと思います。
Source: Michelin says 13-inch wheels made F1 return in 2020 a “no-go” – racefans.net
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