SUPER GT モータースポーツ

スーパーGT セーフティーカーラン中のピットインが禁止に

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SGT_2015_Rd7 AP_#39_ピットイン

スポーティング・レギュレーションの改悪

スーパーGTの2016年版スポーティング・レギュレーションが発表となりました。AUTOSPORT webから引用し、主な変更点をまとめてみます。

  • 予選ポールポジションが1ポイント獲得
  • FIA-GT3の2014年新規公認取得車両および2014年時点最新EVO車両は、シーズン中に最新車両もしくは最新アップデート車両に変更すること。
  • セーフティーカーラン中のピットイン禁止

赤字部分が問題の変更点です。セーフティーカー(以下、SC)ラン中のピットイン禁止は、レース戦略の幅を狭めるだけでなく、SC導入がレースの勝敗を左右することになりかねないためです。

トップ画像の出典: ms.toyota.co.jp

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目次
  1. なぜSCラン中のピットインを禁止するのか?
  2. レース総距離1/3でのドライバー交代が最適解になる
  3. SCラン中のピットインを禁止にせずとも、渋滞は回避できる
  4. SCラン中のピットインを禁止にするなら、SC導入判断のガイドラインを作るべき

なぜSC中にピットイン禁止なのか?

GTアソシエーション(以下、GTA)の念頭には、昨年の第6戦SUGOで起きた「ピット渋滞」があると思われます。

SGT_2015_Rd6 SUGO_ピットレーン渋滞
「SUGOでシルバーウィーク渋滞発生」とネットで話題に

画像の出典: youtube.com

ピット渋滞は、ピットレーンオープンとともにほぼ全車が殺到した結果起こりました。SUGOの狭いピットは大混乱となり、しかも直後にグリーンフラッグが振られたため、ピット渋滞に捕まった車は勝負権を失ってしまったのです。

だからといってSCラン中のピットインを禁止しても、ピット渋滞の可能性は減らせません。むしろピット戦略の幅が無くなり、むしろピット渋滞を誘発する危険性すらあるのです。

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レース総距離1/3でのドライバー交代が最適解になる

SCラン中のピットイン禁止によって、SC後にピットインする戦略は圧倒的に不利となりました。

グリーンフラッグ中に(つまりコース上ではレーシングスピードで各車が走っている状態)ピットしなければならないという点では、SC出る前・出た後のどちらでピットインしても変わりません。

しかし、SC前にピットを済ませたチームはSCラン中に上位集団に追いつけますが、SC後ピットのチームはピット作業時間+ピットレーン通過時間分だけ、SC前ピットの集団に差をつけられてしまいます

新規定下におけるGT500の戦略

このリスクを回避するためには、1人のドライバーの最小運転距離でピットインするしかありません。つまりGT500はレース総距離を1/3を走った段階で、各車がピットに殺到するはずです。

新規定下におけるGT300の戦略

J SPORTSの実況コメンタリー陣がよく勘違いしていますが、スーパーGTのレギュレーションでは「1人のドライバーがレース総距離(つまりGT500トップの周回数)の2/3以上を走行してはならない」のであって、片方のドライバーが必ずしもレース総距離の1/3以上を走る必要はないのです。

なのでドライバーの運転距離だけで考えれば、GT300はレース総距離の1/3よりも3〜4周早く入っても、規定上は問題ありません。GT300のトップでも、最終的にはGT500のトップから5周程度遅れてゴールするからです。(300kmレースの場合)

しかしあまりにも少ない周回数でのピットインは、後半ロングスティントでタイヤがもたないという、別のリスクを生じさせます。

したがってGT300では、レース総距離の1/3までは引っ張るのがベターとなるでしょう。なぜならレース総距離の2/3までなら、既存のタイヤでも確実にもつからです。マザーシャシーのロータスを走らせるカーズ東海チームなどは、加藤寛規選手がレース総距離の2/3まで引っ張る戦略でおなじみです。

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SCラン中のピットインを禁止にせずとも、渋滞は回避できる

上述のように、SCラン中のピットイン禁止は、GT500・GT300各チームのレース戦略を均一化させてしまい、結果的にピット渋滞を誘発しかねないのです。

GTAがピット渋滞を防ぎたいなら、NASCAR方式を採用するべきでした。

NASCARではSCラン中のピットストップを、まずリードラップ(トップと同一周回)車から先に行います。そして次の周にラップダウン(周回遅れ)車がピットを済ませ、隊列が整ってからグリーンフラッグとなります。

SUPER GTに当てはめるなら、SCラン中にまずGT500を先にピットインさせ、次の周回でGT300をピットインさせることになるでしょう

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SCラン中のピットインを禁止にするなら、SC導入判断のガイドラインを作るべき

昨年の第4戦富士では、ロータス・エヴォーラがタイヤバーストを起こし、メインストレート上にタイヤやパーツの破片が散乱していたにも関わらず、SCは出ませんでした。SC導入の基準は非常に曖昧なのです。

SCラン中のピットインが禁止されれば、SC導入で勝負権を失うリスク覚悟で、ピットインを先延ばしにする戦略をとるチームも出てくるでしょう。

ピットインを引っ張れば、その分タイヤライフの面で楽になります。自転車ロードレースで大逃げを打つような感じで、下位チームなどは積極的に仕掛けてくるかもしれません。

しかし、果断な戦略で上位に進出した下位チームが、曖昧な基準で導入されるSCによって運命を弄ばれるのは、スポーツとしても興業としても好ましくありません。

よってSC中のピットイン禁止にするなら、明確なSC導入判断のガイドラインも合わせて作るべきです

明確なガイドラインがあれば、ピットインを先延ばしにする戦略上のリスクを取るチームも増えるでしょう。安全性も高まりますし、やらない手はないと思うのですが。

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Category: SUPER GT, モータースポーツ
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