インドで”ダットサン Redi-GO”に10000台の予約注文が入る

ニッサンの新車情報

Datsun_Redi-Go_フロント

日産、インフィニティに続く第3のブランドであるダットサンは、低価格車を中心に新興国(インド・インドネシア・南アフリカ・ロシア)で展開されています。

とりわけインドは潜在的な市場規模の大きさからして、最も重要な地域といえます。しかしインドではマルチ・スズキが非常に強く、ダットサンは苦戦を強いられてきました。

しかしその風向きも変わりつつあるようです。ダットサンが7月に発売する新型車Redi-GOは、すでに10,000台の予約が入っています。

トップ画像の出典: auto.ndtv.com


目次

1.インドにおけるダットサンの苦戦
1-1.転機となった拡大戦略
2.“ダットサン Redi-GO"とは?
3.グローバルな軽自動車

インドにおけるダットサンの苦戦

新興国市場でシェアを拡大する使命を帯びたダットサンでしたが、インドにおいては2年以上の時を費やしてもなお、大したシェアを奪えずにいました。

苦戦の理由は、販売・サービス網の不備にあったようです。

インドは国内の経済格差が大きいため、ダットサンのような低価格車を購入するのは貧しい農村部の人々が中心となります。にもかかわらず、ダットサンの販売・サービス網は、農村部をカバーできていなかったのです。

転機となった拡大戦略

苦戦していたダットサンは、2015年10月末に「拡大戦略」を発表します。販売・サービス網の継続的な拡大に加え、インドでの車種ラインナップの追加など、苦戦中のブランドとは思えない強気なプランを打ち出したのです。

結果、ダットサンのインド販売は徐々に好転し、2016年6月の販売台数は4,297台まで増加しました。マルチ・スズキの月間販売台数(平均100,000台以上)からすると小規模ですが、前年同期比で2.9倍も伸びたのですから、拡大戦略は成功を収めたといえるでしょう。

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“ダットサン Redi-GO"とは?

Datsun_Redi-Go_リア

画像の出典: auto.ndtv.com


“GO" “GO+"に続く、インドにおけるダットサン第3のコンパクトカーが"Redi-GO“です。ルノー日産のモジュラー・プラットフォーム「CMF-A」を採用した初めての車となります。

Redi-GOのサイズ

サイズ Redi-GO 軽自動車規格
全長(mm) 3429 3400
全幅(mm) 1560 1480
全高(mm) 1541 2000

軽自動車の全高2000mmというのは規制値なので、実際の最高値はダイハツ・ウェイクの1850mmです。

Redi-GOの全長は軽自動車とほぼ同じですが、全幅は圧倒的に広いですね。全高はホンダ・フィットなどのコンパクトカーに近いようです。

Redi-GOは最低地上高が185mmもあるので、見晴らしが良くて運転しやすいでしょう。もちろん荒れた路面の走破性も高いはずです。

Redi-GOのエンジン

エンジンは0.8L・直列3気筒のガソリン仕様となります。パワーは54.7ps、トルクは72Nm(7.3kgf・m)です。

組み合わされるトランスミッションは5速マニュアルで、0-100km/h加速はクラストップの15.98秒となっています。

しかしこのエンジンの最大の魅力は、やはり経済性でしょう。25.17km/Lという燃費は非常に魅力的です。

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グローバルな軽自動車

日本の軽自動車とRedi-GOの差は、ガラパゴス化している日本市場とグローバル市場の差を反映しているといえます。

衝突安全性を考慮すれば、全幅が広い方が有利です。800ccのエンジンは低コストでありながら、必要にして十分なパワーとトルクを生み出してくれます。

マルチ・スズキが販売しているインド版アルト(日本のとは別物)も、エンジンは800ccです。理由はおそらくノンターボの660ccだと、パワー・トルクともに不十分だからでしょう。かといってターボを付ければコストが跳ね上がります。燃費・コスト・パワーそれぞれの妥協点が、800ccという排気量なのだと思います。

ガラパゴスな軽自動車規格に未来はない

少子高齢化により日本の国内市場は先細るのが確実ですから、現在のガラパゴスな軽自動車規格は、次第に自動車メーカーのコスト要因となっていくでしょう。

TPP交渉に際し、「軽自動車を守れ」という声もありましたが、現行の軽自動車規格はハッキリ言って守る価値なんかありません。それよりもグローバルに通用する新たな軽自動車規格を作るべきでしょう。

排気量1.0L以下、全長3.7m以下、全幅1.7m以下くらいの規格にすれば、フィアット・500やフォード・Kaくらいまでのサイズが対象に含まれます。補助金をばらまくのではなく、世界中で売れる規格を作ることこそ真の産業振興だと思うのですが……。

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