ディーゼルは伊達じゃない! ランドクルーザープラドの評価・口コミまとめ
唯一のディーゼル・ランクル
2015年6月のマイナーチェンジでクリーンディーゼル搭載モデルが追加されたランドクルーザープラド(以下プラド)。弱点であった燃費と経済性が改善され、人気にますます拍車がかかりそうですね。
兄貴分のランクルとプラドを比較すると、内装の高級感や先進装備の充実度ではランクルが優りますが、タウンユースでの使い勝手ではコンパクトなプラドが上です。そのプラドにクリーンディーゼルが搭載されたことで、さらに普段使いしやすくなったと言えます。
トップ画像の出典: toyota.jp
目次
ランドクルーザープラドのインテリア
シート
ホールド性が良く、長時間運転しても疲れないシートです。
しかし7人乗り車の3列目に、大人が長時間座るのはキツイとのことです。子供用と割りきった方が良いでしょう。
「TX」グレードの黒ファブリックシートはホコリが付きやすいので、内装色をフラクセンにするかシートカバーを着けるかすると良いでしょう。
「TZ-G」および「TX Lパッケージ」には、パワーシートとシートヒーターが標準装備されます。しかし「TX」には設定されていません。
室内の広さと使い勝手
「TZ-G」の電動チルト&テレスコステアリングは微調整しやすく、ドライビングポジションを合わせやすいです。
電動ムーンルーフは開放感がありますが、天井の高さ自体は低くなってしまいます。
インテリアの質感
ドアトリムの照明がおしゃれです。
しかし木目調パネルのフェイク感が気になるなど、高級感はそれほどでもありません。特に「TX」グレードでそれは顕著なようです。
小物収納とラゲッジスペース
収納は少なめです。
全ての座席にドリンクホルダーが用意されているのは良いのですが、3列目シート用のドリンクホルダーは出っ張りが大きく、ラゲッジスペースの障害になっています。
3列目シートが床下収納なので、格納時にラゲッジスペースがフラットにならず、リアに向かって傾斜ができてしまいます。また、「TX」は3列目収納が手動なので、馴れない内は大変です。
ラゲッジスペース容量は、7名乗車時は104L、5名乗車時は553L(7人乗り)〜621L(5人乗り車)となります。7名乗車時はともかく、5名乗車時の容量はこのクラスとしては平均的です。
ランドクルーザープラドのナビ・電装系
ナビ・バックモニター
センタークラスターにピッタリ嵌まるのが7インチモニターだけなので、7インチのナビ以外は選べません。
「TZ-G」「TX Lパッケージ」にメーカーオプションで設定されるマルチテレインモニターは、車両の死角をカメラでカバーしてくれる優れものです。
オーディオ
4個のスピーカーが装着される「プラド・スーパーライブサウンドシステム」は、メーカーオプションの「T-Connect SDナビ」とセットでしか付けられません。音質の良さには定評がありますが、ナビとセットで50万円〜60万円という金額を支払うだけの価値があるかは疑問です。
ちなみに「TZ-G」「TX Lパッケージ」は「T-Connect SDナビ & プラド・スーパーライブサウンドシステム」を付けないと、「マルチテレインモニター」も付けられないという、ユーザーの都合を無視したMOP設定となっています。
その他電装系
エアコンは左右独立で温度調節可能なフルオートエアコンが装備されています。
ヘッドライトのオートレベリングがいまいちです。対向車からパッシングを受けることもしばしばだとか。
純正ホーンの音がチープです。プラドは最低でも350万円以上するのですから、こういうところはちゃんとして欲しいですね。
エクステリア
バックドアが横開きなので場所を取ります。
ただしガラスだけ開けられるようにもなっています。
エンジン・燃費
実燃費
ディーゼルは街乗り8~12km/L、郊外・高速道路10~14km/Lです。車重2トンを超える車としては、比較的良好だと思われます。
2.7Lガソリン車は、街乗り5~7km/L、郊外・高速道路で7~8km/Lと冴えません。レギュラー仕様なのがせめてもの救いです。
カタログ落ちした4.0Lガソリン車の実燃費は、街乗り5~8.3km/L、郊外・高速道路10~10.5km/Lです。
パワー・トルク
ディーゼル
ディーゼルは遅いです。2トンを超える車重にエンジンが負けてしまっています。
2.8Lディーゼルのトルクは45.9kg・mですが、これはマツダCX-5のスカイアクティブD・2.2Lのトルク42.8kg・mと大きな違いがありません。
CX-5の重量が1560kgであることを考えると、やはりプラドにはもう少しトルクとパワーが欲しいところです。
しかしディーゼル・プラドは3400回転で最高出力177psを発揮するためか、高速での追い越し加速ではストレスを感じません。
2.7Lガソリン
2.7の直4もやはり遅いです。出足も遅く、坂道も厳しいと酷評されています。マニュアルモードではよく走るそうですが、それは即ち高回転まで回すという意味ですから、燃費の悪化は避けられないでしょう。
4.0Lガソリン
4.0V6の加速は強烈で、SPORTSモードでの加速は恐怖を感じるほどだそうです。
トランスミッション
2015年6月のマイナーチェンジで、2.7Lガソリン車も6ATに切り替わりました。それ以前の2.7Lガソリン車は4ATだったので、中古で購入する場合は注意が必要です。
ハンドリング・取り回し
走行性能
「TX」「TX Lパッケージ」はカーブでのロールが大きく、車体が振られやすいです。
「TZ-G」はKDDSというサスペンションシステムのおかげで、オンロードではロールの少ない安定したコーナリングが可能です。オフロードではスタビライザーの効きをなくし、ホイールストロークを伸ばし接地性を高めることもできます。
小回り・取り回し
全長4760mm*全幅1885mm*全高2790mmというサイズは、駐車場でもそこそこ扱いやすいサイズと言えるのではないでしょうか。
最小回転半径は5.8mです。車体サイズが近いT32エクストレイル・4WD車の最小回転半径は5.6m、GFアウトランダーのそれが5.3mですから、あまり良い数値とはいえません。
操作系統のフィーリング
ステアリングが軽めで操作しやすいのはメリットです。しかし轍でステアリングが取られやすいのはいただけません。
ブレーキング時のノーズダイブも大きめなので、ワインディングを攻めるような走りには向いてません。近年は走りをウリにしているSUVも多いので、比較対象によってはプラドの弱点となり得るでしょう。
視界
視点が高く、ボンネットの見切りが良いです。ただしボンネットに厚みがあり、ノーズ下部の死角が大きいことには注意が必要です。クリアランスソナーやマルチテレインモニターの装備が推奨されます。にも関わらず、「TX」にはマルチテレインモニターの設定がありません……。
後退時に距離感が掴みづらいので、バックモニターは必須との声がありました。
2.8Lディーゼル車に装備されるLEDヘッドライトは、夜間の視認性を大幅に高めてくれます。
しかし2.7Lガソリン車のハロゲンヘッドライトは暗いと酷評されています。
乗り心地・静粛性
突き上げ感・ゴツゴツ感
17インチはややフワフワ感がありますが、道路の凹凸は上手く吸収します。しかし「TZ-G」の18インチは、段差でやや突き上げ感があるようです。
騒音・振動
ディーゼルはアイドリング時に大きな音と振動がありますが、走り出してしまえばさほど気にならないとのことです。低回転で走れるためか、高速道路では静かになります。
2.7Lガソリン車も、それなりにエンジン音が聞こえてきます。ただし不快なレベルではありません。
4.0Lは走行中こそ静かですが、始動時はやたらうるさいので注意しましょう。
ロードノイズなどの遮音性は高いです。
安全性
◯=標準装備 △=メーカーオプション −=設定なし
名称 | TZ-G | TX Lパケ | TX |
---|---|---|---|
横滑り防止装置 | ◯ | ||
プリクラッシュブレーキ | △ | − | |
クルーズコントロール | ◯ | − | |
レーダークルーズコントロール | △ | − | |
車線逸脱警報 | − | ||
レーンキープアシスト | − | ||
アダプティブヘッドライト | − | ||
ブラインドスポットアシスト | − | ||
ヒルスタートアシスト | ◯ | ◯※1 | ◯※1 |
運転席・助手席エアバッグ | ◯ | ||
サイド&カーテンエアバッグ | ◯ |
※1 2.8Lディーゼル車のみ標準装備。2.7Lガソリン車には設定なし。
150系ランドクルーザープラドは、デビューから6年が経過していることもあり、予防安全の面で見劣りするのは否めません。
値引き額・中古車動向
平均値引き額
種別 | 本体平均値引き額 | オプション平均値引き額 |
---|---|---|
2.8Lディーゼル | 2.3万円 | 21.5万円 |
2.7Lガゾリン | 22.7万円 | 8.6万円 |
ディーゼルの本体値引きは期待できそうにありませんね。
中古車動向
ディーゼルは400万円程度で流通しています。リセールバリューが高いグレードなので、今後もあまり値下がりしないでしょう。
ガソリン車の場合は200万円台後半からありますが、トルクの無さや燃費の悪さを考えると、他のSUVの方が魅力的だと思います。
ディーゼル・プラドの「未登録の新車」もしくは「登録済み未使用車」は、中古・低走行車との価格差がほとんどないので、かなり狙い目です。
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