SUPER GTのテスト平均順位から2016シーズンのGT500を展望する

SUPER GT,モータースポーツ

SGT_2016_富士テスト_#39

レクサスRC F圧倒的優位?

3月26〜27日に行われた富士のテストで、SUPER GTのシーズン前テストは全て終了しました。次にマシンが一堂に会するのは4月9〜10日の開幕戦です。

今回は岡山と富士のテスト結果から、GT500の3メーカーの戦力を分析し、2016シーズンの展望を占ってみようと思います。

トップ画像の出典: supergt.net


目次

  1. ホンダ
  2. レクサス
  3. 日産

ホンダ

項目 結果
平均順位 10.98位
周回数/台※1 368.25周

#64の富士テスト3日目午前の周回数が公式プレスリリースにも記載無しだったため、#64の岡山・富士の周回数を全て除外してある。


ノンハイブリッド化しても苦境は変わらず

ホンダ勢はテストの平均順位・1台あたりの周回数ともに3メーカー中最下位です

今シーズンのホンダは勝利にこだわり、あれほどまでに執着していたハイブリッドを捨てました。しかしノンハイブリッド化されたNSXのスピードはそれほど伸びておらず、信頼性でも他車に見劣りしています。

レギュレーションで開発が制限されているため、大幅な仕様変更に空力やシャシーを合わせ込むことができなかったのかもしれません。

とはいえ不利を承知でハイブリッドを選択したのがその遠因ですから、「技術ではNo1」という奢りが招いた事態であり、ホンダの自業自得です。

しかし興業の観点からすると、ホンダが負け続ける状況は好ましくありません。ミッドシップハンデを無くすなど、なんらかの救済措置が必要だと思います。

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レクサス

項目 結果
平均順位 5.3位
周回数/台 382.2周

車が速いのか? タイヤが速いのか?

シーズン前テストで絶好調だったのがレクサスRC Fです。平均順位は1位、1台あたりの周回数でも日産と僅差の2位でした。

しかしブリヂストンタイヤが低温の路面にマッチしていたのは明らかなので、テスト結果を額面通りに受け止めることはできません。同じブリヂストンタイヤを履く#12カルソニック インパル GT-Rの平均順位は3位と、レクサス勢の中でもっとも平均順位が良かった#37KeePer トムス RC F(3.25位)を上回る結果を残しているのですから。

レクサス勢内部の戦力バランスに変化

カーNo. 平均順位(位) 総周回数(周)
6 3.5 374
19 11.38 360
36 6.0 427
37 3.25 408
38 5.38 347
39 3.5 377

テスト期間を通じて、#6 ルマンと#39 SaRDの好調は崩れませんでした。なのでテスト結果はフロックではないと思います。

チーム・ルマンとSaRDは、ここ数年不調から抜け出せずにいました。しかし#39は昨年、そして#6は今年に、体制を大幅に変更したことが功を奏したのかもしれません。夏場もブリヂストンタイヤが競争力を発揮できれば、今シーズンのランキング上位はレクサス勢ばかりになる可能性も十分にあると思います。

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日産

項目 結果
平均順位 7.84位
周回数/台 392.5周

抜群の信頼性。スピードも一級品?

日産勢は1台あたりの周回数で3メーカー中1位でした。14規定導入以降、2連覇の原動力となったGT-Rの信頼性は今年も健在なようです。

平均順位ではレクサス勢に遅れを取りましたが、先述したように#12 インパルは今回のテストで最も平均順位が高かった車なので、GT-RがRC Fより遅くなったとは考えづらいです。

テスト時のコンディションにブリヂストンタイヤがバッチリハマったのとは対照的に、ミシュランタイヤが大ハズレだったことが、平均順位に響いたと考えるのが妥当でしょう。

カーNo. 平均順位(位) 総周回数(周)
1 9 444
12 3 394
24 8.88 354
46 10.5 378

ミシュランタイヤを履く#1 NISMOと#46 MOLAの2台は、ヨコハマタイヤを履く#24 KONDO以下の平均順位でした。今回のテストに限っていえば、ミシュランタイヤは最低レベルのパフォーマンスでした。

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