【F1ニュース】バーレーンまとめ F1がつまらなくないなんて!
クソみたいな予選システムから最高の決勝レース
2016年のF1バーレーンGPは、優勝こそいつものようにメルセデスAMG(ニコ・ロズベルグ)でしたが、ポイント圏内の争いでは熾烈なバトルがそこかしこで繰り広げられ、見どころ満載でした。
トップ画像の出典: f1fanatic.co.uk
目次
荒れに荒れた決勝序盤
跳ね馬のアキレス腱
セバスチャン・ベッテルはスタートすることすらできませんでした。フォーメーションラップでエンジンから白煙が上がり、そのままリタイアに追い込まれたのです。
フェラーリはスピードこそメルセデスに迫りつつありますが、信頼性では1歩も2歩も遅れを取っています。ヨーロッパラウンドが始まるまでに信頼性の問題を克服できなければ、今季のチャンピオンシップもメルセデスの独走となることでしょう。
ハミルトンの憂鬱
不穏な空気の中スタートが切られると、ポールポジションのハミルトンはスタートダッシュに失敗。直後の1コーナーで彼はバルテリ・ボッタスと接触してしまいます。これでハミルトンは大きく順位を落としました。
ハミルトンはオーストラリアGPでも、クラッチの関係(おそらくダブル・パドル・クラッチが禁止され、ドライバーが半クラ調整をしなければならなくなったことに起因)でスタートを失敗していますが、今回の原因はそれとは違うようです。
今回の優勝で、ロズベルグは昨年終盤からの連勝記録を「5」に伸ばしました。ハミルトンも心中穏やかではないはずです。
ホンダはやはり信頼性に難
7周目にはジェンソン・バトンがマシンを止めてしまいます。パワーユニット周りのトラブルだったようです。
バトンはトップ10圏内で走行していたので悔しいリタイアとなりました。しかし今にして思えば、アロンソの欠場も含めて、すべてはF1デビューレースの新人ドライバーへのお膳立てだったような気がします。
グロージャン、バンドーン、ウェーレイン大活躍!
グロージャン、お前が(ハースの)No.1だ。
グロージャンは5位に入賞し、開幕戦での入賞がフロックでは無かったことを証明しました。
上位入賞の原動力となったのは、タイヤ戦略です。ハースF1チームは、スーパーソフト(新品)でスタート→スーパーソフト(新品)→スーパーソフト(ユーズド)→ソフトとつなぐタイヤ戦略を採用しました。そのためグロージャンのマシンは、すべてのスティントで十分な競争力を発揮できたのです。
最後のピットストップで左リア担当のクルーがタイヤ交換に手間取り、8秒もの時間を費やしてしまいましたが、グロージャンはコース上でピットでのロスを挽回、順位を取り戻してのゴールとなりました。ミスをしたクルーも救われた気持ちになったと思います。
岡山から来た新人がポイント獲得
ストフェル・バンドーンは、スーパーフォーミュラの岡山テストから強行軍でバーレーンに駆けつけての出走です。
バンドーンのタイヤ戦略は、ソフト(ユーズド)でスタート→ソフト(新品)→ソフト(新品)→スーパーソフト(新品)でした。
そのためスーパーソフトを履くラストスティントで、どれだけプッシュできるかがカギだったのですが、F1デビュー戦の新人はその戦略を見事にやってのけました。
ラストピットを終え12位でコースに戻ったバンドーンは、コース上でザウバーの2台を難なくオーバーテイク。自力でポイント圏内まで這い上がり、自身とマクラーレン・ホンダに今季初ポイントをもたらしたのです。
ウェーレインが非凡な才能を見せる
マノーのマシンは、ハッキリ言って遅いです。しかしパスカル・ウェーレインの操るMRT05は、中堅チームと互角の戦いを演じて見せました。
とくにマーカス・エリクソン(ザウバー)とのバトルは、オーバーテイクにこそ至らなかったものの素晴らしかった。ウェーレイン自身も「最高のレースだった」とレース後に語っているように、13位という結果以上のものを見せてました。チームのモチベーションも上がるでしょう。
ハースに負ける名門チームの存在意義
新規参入チームや若手がサーキットを沸かせたのとは対照的に、名門ウィリアムズはバーレーンで精彩を欠いていました。
スタート直後の1コーナーでハミルトンと接触したボッタスは、フロントウイングの翼端板を壊してしまった上、ドライブスルーペナルティまで課せられて大きく後退。しかもなぜかチームがフロントウイングを交換しなかったために、コース上でも苦戦を強いられてしまいます。
フェリペ・マッサは2ストップ作戦を敢行。しかしグリップ不足のミディアムタイヤでは表彰台どころか、ポイント圏内を死守するのがやっとでした。
最終的にマッサは8位、ボッタスは9位でフィニッシュし、2台ともポイントを獲得しました。けれどメルセデスPUを積んでこの結果では、名門ウィリアムズの名が泣くというものです。
ハースに不満タラタラのウィリアムズ
さらに情けないのは、フェラーリと技術提携して新規参入したハースのやり方に、ウィリアムズが愚痴をこぼしていることです。
ウイリアムズ「ハースの手法はコンストラクターの地位を損なう」 | AUTOSPORT web
ウィリアムズのテクニカル・ディレクターであるパット・シモンズは、チームが自製しなければならないパーツの数が減っていることを嘆き、大半のパーツをフェラーリから供給されているハースのやり方を非難しています。
ところがそのウィリアムズも、マノーにギアボックスを供給しているのです。
他チームに対し「自製パーツを増やすべき」だと言うのならば、まずは自分たちが他チームにコンポーネントを供給するビジネスを止めるべきでしょう。
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