ホンダ新型CR-V最新情報 7人乗りはおあずけ?
新型CR-Vがついに公開されました。デザインとスペックの概要を、さっそく見ていきたいと思います。
新型CR-Vのスペック概要
プラットフォームは新型シビックと共通の新グローバルスモールプラットフォームです。したがって新型シビックのように、動的質感の面で大幅な向上が期待できます。
ボディサイズは拡大されたが……
7人乗りの噂があったCR-Vでしたが、結局は5人乗りになったようです。今後追加されるかもしれませんが、少なくともローンチ時点では7人乗り仕様のアナウンスはありませんでした。
ホイールベースが41mm延長された分は、後席の足元空間の拡大(+53mm)に充てられています。ラゲッジスペース容量は1104Lです。
車体のサイズ自体は大型化したものの、車重は軽くなっているとホンダは主張しています。軽量化は燃費にも貢献しているはずですが、具体的な燃費の数値はまだ公表されていません。発表され次第この稿に追記します。
魅力を増したインテリア
人間工学に基づいたというインテリアデザインは、デザインは比較的オーソドックスです。しかしダッシュボードなどにソフトパッドが用いられ、質感は大幅に向上しています。
装備もさらに充実
リモートエンジンスタート、デュアルゾーンエアコン、ヒーテッドドアミラー、電動パーキングブレーキ、後席USBといった装備も充実しています。
運転席8way・助手席4wayのパワーシートには、ランバーサポートとシートヒーターも付属。クッションも厚そうですし、誰が乗っても不満は出ないはずです。
エンジン・トランスミッション
ローンチの時点では、新型シビック由来の1.5L・直列4気筒・VTECターボ(190ps・24.7kgf・m)と、2.4L・直列4気筒・自然吸気(186ps・24.8kgf・m)の2つがラインナップされるようです。似たようなスペックのエンジンが2つ用意される理由は不明です。
また、1.6L・直列4気筒・ディーゼルの追加も確実視されています。ベースがシビックなので1.0L・直列3気筒・VTECターボの搭載も可能ですが、CR-Vの車重を考えると厳しいかもしれません。
トランスミッションはCVTとのこと。9速もしくは10速ATの噂もあったのですが、結局はシビックと同じものになったようです。コスト面で折り合いが付かなかったのでしょう。
サスペンション
フロントがマクファーソン・ストラット、リアがマルチリンク式となります。ローフリクション・ダンパーとの組み合わせです。
新型CR-Vのデザイン
エクステリア
インテリア
“CR-V RS"の真実味
このことを報じているのはCarsGuideというサイトです。CR-VにシビックタイプRのエンジンというのは、にわかには信じがたい話ですが、信憑性がまったく無いわけではありません。
ホンダにはパイロットという大型SUVがあり、CR-Vの兄貴分として販売されてきたのですが、新型パイロット(2015/07〜)は左ハンドルのみの生産となったため、右ハンドル市場(イギリスやオーストラリアなど)では今後販売されません。
しかしオーストラリアなどでは、依然大型SUVの需要はあります。そこでホンダはCR-Vを大型化し、それらの需要を取り込もうとしているのですが、CR-Vにはパイロットのような牽引力がありません。エンジンパワーが足りないためです。
パイロットのエンジンは3.5L V6のJ35B型エンジンで、284ps・32.2kgf・mを発生します。
一方、新型CR-Vの主力は1.5L 直列4気筒VTEC TURBOですから、パイロット並の牽引力は望むべくもありません。
そこで2.0L VTECターボが必要となるわけです。ホンダ・オーストラリアのゼネラル・マネージャー(カスタマー・コミュニケーション担当)であるスコット・マクレガー氏はこう語っています。
ユーティリティと、例えばより大きな牽引力と積載量が合わさるなら、より大きな排気量のターボエンジンが必要になるでしょう。同様のケースの場合には、私たちはそうしてきました。
2.0Lのターボエンジンとなると、シビックタイプRのエンジンがまず思い浮かびます。CarsGuideもそう考えたのでしょう。
しかしホンダには、もうひとつ2.0Lターボエンジンが存在します。中国市場に投入されているアヴァンシア用の「2.0L “Sport Turbo” VTEC」です。
このエンジンは272ps・37.7kgf・mを発生します。パイロット並の牽引力も期待できるでしょう。こちらのエンジンの方が現実味があると思います。
CR-Vとは?
初代CR-Vが登場したのは1995年。当時はSUVといえばパジェロのようなクロスカントリー車のことを指しました。
ラダーフレームで作られたクロカン車は悪路走破性に優れ、ユーティリティ性も十分でしたが、フロア高が高く乗降性が悪い、4WDなので小回りが利かない、静粛性が低い、乗り心地も悪いなど、デメリットも多かったのです。
ホンダはクロカン車の問題点を回避すべく、シビックをベースにCR-Vを開発、安価で快適なSUVは大ヒットし、一躍ホンダの主力車種となりました。クロスオーバーSUVブームに火を付けたのは、実はCR-Vなのです。
アメリカ以外では売れなかったRM型CR-V
4代目となる現行RM型CR-Vは、日本では導入された直後からまったく売れていませんでした。フルモデルチェンジしたにもかかわらず、月販300台 ※1 という壊滅的な状況だったのです。ちなみにSUVで月販ランキングトップ5に入るには、2000台以上を売り上げる必要があります。
オーストラリアでも状況は同じです。今年の1〜7月にオーストラリアで一番売れたSUVは、14,526台を売り上げたCX-5でした。2位はRAV4で11,553台。ヒュンダイの新型ツーソンが11,106で3位、エクストレイルが10417台で4位、フォレスターは8,010台で5位となっています。一方CR-Vは、同じ期間中に4,692台しか売れていません。勝負になっていないのです。
※1 webcg.net | ホンダCR-V 24G(4WD/5AT)/20G(FF/CVT)【試乗記】
なぜRM型CR-Vは売れなかったのか?
理由がありすぎるので箇条書きにします。
- ボテッとしたエクステリア
- 特徴に欠けるインテリア
- 中途半端なサイズ
- 5人乗りモデルのみ
- 普通すぎるエンジン
RM型CR-Vの登場後、このクラスにはスポーティーさや高級感を売りにしたクロスオーバーSUVが数多く登場しました。日本車でいうとCX-5や60ハリアーが該当するでしょう。
CX-5はSKYACTIVディーゼルの加速感やスポーティーで躍動感のあるルックスが強みで、マツダ復活の起爆剤となりました。60ハリアーは内外装ともにスタイリッシュでラグジュアリーな感覚を前面に押し出し、ハイブリッドの燃費の良さもあって大ヒットしたモデルです。
また、CR-Vより一回り小さいクラスには、CX-3やジューク、そしてヴェゼルといった個性豊かなコンパクトSUVが登場したため、これといった特徴の無いCR-Vは、ただ図体がデカいだけという扱いを受け、生産終了に追い込まれてしまったのです。
RM型CR-Vも、実は良い車だったが……
決定的な強みに欠けるRM型CR-Vでしたが、デキが悪かったわけではありません。室内は広く、乗り心地も良い。ハンドリングにも安定感がある。そしてパワーは必要十分と、車としての完成度は高かったのです。大柄なアメリカ人が4人でゆったりと乗るには、ベストなSUVだったと言えます。
でも日本人が4〜5人で乗るには車体が大きすぎて扱いづらいにもかかわらず、7人乗りはできず、乗り心地やハンドリングだって図抜けているわけではありませんでした。つまりアメリカ以外においては、RM型CR-Vは中途半端な車でしかなかったのです。
新型CR-Vのスパイショット
スパイショットはカモフラージュが施されているので細部まではわかりませんが、LEDヘッドランプやホンダのファミリーフェイスである「ソリッドウイングフェイス」などが採用されているのが確認できます。
印象的なのはリア周りですね。上下を逆さにしたT字型のテールランプは、Cピラーを中心に側面からテールゲートに巻き付くようにして配置されています。
画像の出典: motoring.com.au
画像の出典: motoring.com.au
新型CR-Vの予想CG
スパイショットをベースにした予想CGです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。