デイリーF1ニュース(2017年4月26日号) シャークフィンとTウィング、禁止へ 他
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。
- シャークフィンとTウィング、禁止へ
- FIA、Haloに代わる頭部保護システムを模索
- FIA、赤旗再開時をスタンディングスタートに変更
- アビテブール、2021年からのエンジンについて語る
それではご覧ください。
シャークフィンとTウィング、禁止へ
FIAは背びれのようなシャークフィンと、そのシャークフィンの端に取り付けられているTウィングを、来年から禁止する方向でレギュレーションを策定すると発表しました。
シャークフィンは2008〜2010年まで使用されていたものの、「美しくない」という理由で一旦は禁止されたのですが、2017年に空力規制が緩和された結果、各チームが再び背びれを復活させたという経緯があります。
Tウィングは2017年からの新レギュレーションの抜け穴をつく形で登場したものですが、メルセデスのTウィングが脱落してレッドブルの車両にぶつかるなど、安全面に不安があり、禁止は時間の問題だと言われていきました。美しくないのは言うまでもありません。
実施の時期は不明ですが、FIAはレギュレーションの抜け穴を塞ぐために、エンジンカバー周りのデザインを厳しく制限する予定です。
また、スペインGPからは、ドライバーの名前とパーマネント・ナンバーを簡単に識別できるようしなければならないという規則が、より厳格に施行されます。
これを受けてヨーロッパラウンドからは、各車のカラースキームが変更されるかもしれません。
Source: FIA proposes new rules to limit ‘shark fin’ and ‘T wing’ designs | f1fanatic.co.uk
FIA、Haloに代わる頭部保護システムを模索
フォーミュラカーの安全性は、以前と比較して飛躍的に高まっています。しかしむき出しのままになっているドライバーの頭部は、弱点として残されたままです。
F2でのヘンリー・サーティースの死亡事故や、インディカーでのダン・ウェルドンやジャスティン・ウィルソンの死亡事故、F1ではフェリペ・マッサの重傷事故や、ジュール・ビアンキの死亡事故など、フォーミュラカー・レースにおいて近年起こった重大事故は、頭部へのダメージが決定的な要因となることが多く、頭部保護は喫緊の課題となっています。
そこで頭部保護デバイスとしてHaloの導入が検討されたものの、美観を損なうだけでなく、脱出時の障害になることが懸念されていました。
美観を損なわないアイデアとして、レッドブルがAeroscreenを持ち込みましたが、昨年のロシアGP・フリー走行でテストされた結果、十分に機能しないことが判明しています。
そこでFIAは、新たにShieldと呼ばれる透明な保護システムを検討しているそうです。早ければ2018年から導入されます。
Source: Track tests planned for ‘Shield’ head protection to replace ‘Halo’ for 2018 | f1fanatic.co.uk
FIA、赤旗再開時をスタンディングスタートに変更
FIAはレッドフラッグ後のリスタートを、スタンディングスタートに変更すると発表しました。
この変更は、パリで開催されたF1ストラテジーグループにおいて決定されたもので、世界モータースポーツ評議会における承認を経た後、正式に実施されます。
現在のルールでは、レッドフラッグ後はセーフティ・カー先導のローリングスタートで、レースを再開する手順になっています。
しかしF1におけるローリングスタートはシングルプロファイル(車を1列に並べる形式のこと)で行われるため、リスタート時のオーバーテイクはほとんど見られませんでした。
スタンディングスタートの場合は、必然的にダブルプロファイルになりますから、リスタート時のオーバーテイクが増えるはずです。
シャークフィン&Tウィングの禁止や、Haloに代わる頭部保護システムの導入、そして赤旗リスタート時のスタンディングスタート導入など、いずれの決定も観客が好むか・好まないかを基準に行われている感があります。
おそらくリバティ・メディアの意向を受けてのことでしょう。F1は確実に良い方向へと変わりつつあります。
Source: F1 to use standing starts after red flag periods | en.f1i.com
アビテブール、2021年からのエンジンについて語る
ルノーのシリル・アビテブール氏は、2021年からのエンジンレギュレーションの策定において、各チーム間のコンセンサスを得るために、FIAは深刻な政治的問題に直面すると見ています。
「現在のモデルでこのスポーツに資金を提供している自動車メーカーたちを、満足させる必要がある」とアビテブール氏。「スポーツのビジネスモデルにとって、自動車メーカーがあまり重要でない場所では、異なるモデルが見つかるかもしれないが、現時点では(F1は)そうではない」
「ファンを満足させる必要もあり、カスタマーチーム(エンジンを買っているチームのこと)を満足させる必要もあるので、問題は簡単に解決できるものではない」
F1に参戦している自動車メーカーは、環境対策や省燃費技術における優位性をアピールしたいと考えているからこそF1に参入したわけですから、2021年以降のエンジンレギュレーションでも、何らかの環境技術を認める必要があります。
「電動化は欠かせない」とアビテブール氏は主張します。「それは確かだ。われわれは電動化を、ハイブリッドを必要としている」
とはいえエンターテイメントとしての魅力を損なえば、自動車メーカーがアピールする相手──観客──がいなくなってしまいます。
「われわれには騒音が必要だ。ファンにはF1の爆音が必要だが、われわれは現時点でそれを提供できていない」
他スポーツのサラリーキャップのように、F1チームの予算に上限をつけるというアイデアも、たびたび取り上げられていますが、アビテブール氏は疑問を呈しています。
「自動車メーカーにとっても、カスタマーチームにとっても高価すぎるので、予算の上限は手助けになるだろう。しかし、そのあとはどうする? それはチャレンジになるだろう」
F1ファンが求めている技術競争も、潤沢な資金があってこそです。予算制限はそれを不可能にしかねない両刃の剣だと、アビテブール氏は懸念しているのでしょう。
Source: Abiteboul sees struggle ahead for consensus on 2021 engine rules | en.f1i.com
前日のデイリーF1ニュース
デイリーF1ニュース(2017年4月25日号)| 車知楽
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デイリーF1ニュース(2017年4月27日号)| 車知楽
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