WRC 2017 第9戦 ラリー・フィンランド 超高速グラベルでトヨタ圧勝!?【7/31更新】

WRC,モータースポーツ

2017年のWRC(世界ラリー選手権)第9戦はラリー・フィンランドです。

フィンランドGP」と呼ばれるほどに高速なグラベルには、コーナリングしながらのオーバークレスト(丘越え)が数多く存在します。
4輪ドリフトからそのままジャンプというシーンが、当たり前のようにあるのです。

そんな特殊なコースですから、フィンランドでは伝統的にフィンランド人が強かったのですが、最近ではセバスチャン・ローブセバスチャン・オジェクリス・ミークなどのノンスカンジナビアンも優勝しており、一概にフィンランド人が強いとも言えなくなってきました。

このページではラリー・フィンランドの模様を、ダイジェストでお送りします。


初日

SS1 SSS Harju 1 , 2.31 km

木曜日のスーパー・スペシャル・ステージです。本格的な競技は翌日からとなります。

第67回ラリー・フィンランド 総合順位(1日目終了時点)
順位 ドライバー/No./メーカー 総合タイム/トップとの差
1 オットー・タナク 1:44.1
#2 フォード ──
2 ティエリー・ヌービル 1:45.2
#5 ヒュンダイ +1.1
3 セバスチャン・オジェ 1.45.6
#1 フォード +1.5
4 クレイグ・ブリーン 1:45.7
#9 シトロエン +1.6
5 ヤリ-マティ・ラトバラ 1:46.3
#10 トヨタ +2.2
6 ヘイデン・パッドン 1:46.6
#4 ヒュンダイ +2.5
7 ユホ・ハンニネン 1:46.8
#11 トヨタ +2.7
8 クリス・ミーク 1:47.1
#7 シトロエン +3.0
9 エルフィン・エバンス 1:47.2
#3 フォード +3.1
10 ダニ・ソルド 1:47.6
#6 ヒュンダイ +3.5
11 マッズ・オストベルグ 1:48.8
#14 フォード +4.7
12 テーム・スニネン 1:49.5
#15 フォード +5.4
13 エサペッカ・ラッピ 1:49.8
#12 トヨタ +5.7

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2日目

SS2 Halinen 1 , 7.59 km

時折車よりも狭い場所があるステージ。
ここではコーナーをインカットする際に、隠れた石で足回りを傷つける危険性もあります。
5km地点を過ぎると、フィンランドらしい長い直線と大ジャンプの始まりです。

ここでのトップタイムは、フィンランド人のテーム・スニネン
前戦のラリー・ポーランドからWRカーに乗り始めた彼ですが、すでに順応しているようです。

フィンランド期待の若手、テーム・スニネン。

「良かったけど、タイム差が本当にキツいね。ドライビングを改善する必要がある」とスニネン。
彼の言うとおり、ステージ2番手のミークとは0.1秒差、3番手のヘイデン・パッドンとは0.3秒差と、タイム差はほとんどつきませんでした。

SS3 Urria 1 , 12.75 km

全開区間が多いステージ。
高速コーナー、ジャンプ、クレストといった、ラリー・フィンランド名物が数多く待ち受けています。

ここでのトップタイムはトヨタのヤリ-マティ・ラトバラ! 総合でも2位に浮上しました。

トヨタのエース、ラトバラ。地元でスウェーデン以来の優勝を狙いたいところだ。

「ここではグリップが良くなった」とラトバラ。「いくつかのセクションではグリップが良く、他はとても滑りやすい」

2番手タイムもトヨタのエサペッカ・ラッピが記録し、このステージはトヨタの1-2フィニッシュでした。

総合トップはフォードのオットー・タナクですが、ラトバラとの差はわずか0.3秒です。

SS4 Jukojärvi 1 , 21.31 km

全開区間から、岩と木の間を抜けるコーナーへのアジャストがとても難しいステージ。
特にスタートから4.2km地点までは猛烈に速く、フィンランドGPの名にふさわしいコースとなっています。

ここでステージベストを叩き出したのはまたしてもトヨタ、エサペッカ・ラッピでした。
今シーズン途中からWRカーに乗り始めた若手なのですが、ヤリスWRCを完全に乗りこなしています。

そして2番手タイムはラトバラが記録し、このステージもトヨタの1-2となりました。
総合順位もラトバラとラッピの1-2に変わっています。

このステージでは上位陣に初の脱落者が出てしまいました。
セバスチャン・オジェはジャンプからのハード・ランディングで、サスペンションを壊してしまったのです。

それでも明日再出走できれば、ポイント獲得の芽はまだあったのですが、それも叶わず。
タイトル争いをしている彼にとって、このリタイア=ノーポイントはかなりの痛手でしょう。

SS5 Halinen 2 , 7.59 km

SS2のリピートステージ。
ここでのベストタイムはまたしてもラッピ! この人、本当に新人ドライバーなんでしょうか?

「無事だったけど、2つミスを犯してしまった」とラッピ。「でもタイムは大丈夫だった。まだ先は長いから、集中し続けるために自分に鞭打つ必要がある」

新人とは思えぬ速さでステージベストを連発するラッピ。トヨタにとっては頼もしい存在だ。

そして2番手タイムはまたもラトバラだったため、トヨタはこのラリーで3度目のステージ1-2となりました

総合首位はラトバラ、ラッピは5.2秒差で2位、3位にはシトロエンのクレイグ・ブリーンが、ラトバラから8.7秒差で続いています。

SS6 Urria 2 , 12.75 km

SS3のリピートステージ。
ここでのステージベストも驚異の新人、ラッピが獲得!
彼はこれで3連続ベストです。

2番手タイムはタナク、3番手タイムはマッズ・オストベルグ(フォード)、ラトバラは4番手タイムでした。

総合順位は変わらず。
しかし首位ラトバラと2位ラッピの差は、2.2秒にまで縮まっています。
このままトヨタ同士の優勝争いとなるのでしょうか?

SS7 Jukojärvi 2 , 21.31 km

SS4のリピートステージで、午前最後のステージとなります。
ここでもラッピの勢いは止まらず、ついに4連続ベストタイムを達成しました。

ラトバラはラッピから0.6秒遅れの2番手タイム。
若手の勢いにちょっと押され気味です。

「素晴らしいスタートを切れたけど、戦いは厳しい」とラトバラ。「エサペッカはプッシュしまくってる。リズムに乗れなかった前のステージよりも、ここの方が良かったんだけどね」

SS8 Äänekoski – Valtra 1 , 7.39 km

野原と住宅地の間をジグザグに抜けていく、道幅の広いステージ。

ここでラッピの連続ベストを止めたのは、やはりフィンランドの若手ドライバーである、テーム・スニネン(フォード)でした。

「雨が降っていて難しかったので、(トップタイムは)良いことだね」とスニネン。「3人のフィンランド人が総合トップ3なのは良いけど、まだ先は長いからなあ……」

スニネンは、総合首位のラトバラから13.2秒遅れの総合3位に浮上。
そのラトバラと総合2位ラッピとの差は、1.6秒となっています。

SS9 Laukaa 1 , 11.76 km

ハイスピードでコーナリングしながらの丘越えがあるだけでなく、タイトコーナーもある難ステージ。
ペースノートの精度が重要になります。

ここではまたもやラッピがベストタイムを記録! しかしラトバラも0.5秒差の2番手タイムで食い下がったため、ヤングライオンの総合首位奪取はなりませんでした。

「滑っているけど、それほど酷いわけじゃない」とラトバラ。「常に集中しなければならない。エサペッカと戦う必要があることは知っているが、出走順からすると難しい。グリップは彼の方が良いだろうし」

ラトバラとラッピの総合タイム差は、1.1秒にまで縮まっています。

SS10 Lankamaa , 21.68 km

ジャンプは少ないものの、スピードレンジの高さでは随一のステージ。
平均速度を落とすために、ストレートには干し草のバリアで作ったシケインが設置されています。
砂混じりの荒れ地では、正確なライン取りが要求されます。

ここでのベストもやっぱりラッピ!
ラトバラは1.4秒遅れの3番手タイムに終わったため、ついにラッピが総合首位に浮上しました。

「ワオ! 最高の気分だ!」とラッピも大喜びです。「できる限りのことをやったし、全部試した。かなりプッシュしたんだけど、それでも1.4秒差しかつかない。それが競争のレベルの高さを証明している」

ラッピとラトバラの総合タイム差は、たったの0.3秒しかありません。

SS11 Äänekoski – Valtra 2 , 7.39 km

SS8のリピートステージ。
ここでもベストはラッピでしたが、ラトバラは何と8番手タイムしか出せず、総合タイム差は3.5秒に開いてしまいました。

「このステージで差をつけるのは難しかったけど、私にとって良いステージでは無かったね」とラトバラ。「いくつかミスを犯したし、期待したほどグリップが良くなかった」

一方、ラッピは「限界まで攻めた! あちこちの木々の近くまでね。ここでこれ以上は速く走れないよ!」と、意気軒昂です。

SS12 Laukaa 2 , 11.76 km

SS9のリピートステージ。
ここでもラッピがステージベスト。ラトバラは2番手タイムでフィニッシュしたものの、総合タイム差は4.6秒に拡がっています。

「ラリー前にはリードするなんて思ってなかったよ」とラッピ。「それは本当に特別なことだ。わかってもらえないかもしれないけど、僕たちは最善を尽くそうと努力しているし、現時点でリードしているだけで十分だ。明日もこの調子で行きたい」

一方、ラトバラは今日ラッピに対して負けたことを認めています。
「エサペッカには最高の1日になったね。脱帽だよ。明日は出走順が近くなるから、ステージはもっとチャレンジングになる。そのとき私たちの差が明らかになるだろう、それが真実だ」

SS13 Harju 2 – 2.31 km

2日目の最後を飾るスーパースペシャルステージでは、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)がベストタイムを記録しましたが、彼は総合首位のラッピに58秒もの差をつけられています。

オジェがいなくなった以上、ヌービルは確実にポイントを積み増したいはず。

優勝争いはトヨタの2台とフォードのスミネンに絞られた感があります。
フィンランド人同士のバトルに水を差すようなトラブルだけは、起こらないでほしいものです。

第67回ラリー・フィンランド 総合順位(2日目終了時点)
順位 ドライバー/No./メーカー 総合タイム/トップとの差
1 エサペッカ・ラッピ 1:11:36.4
#12 トヨタ ──
2 ヤリ-マティ・ラトバラ 1:11:40.8
#10 トヨタ +4.4
3 テーム・スニネン 1:11:55.4
#15 フォード +19.0
4 クレイグ・ブリーン 1:12:09.4
#9 シトロエン +33.0
5 ユホ・ハンニネン 1:12:15.5
#11 トヨタ +39.1
6 マッズ・オストベルグ 1:12:21.4
#14 フォード +45.0
7 エルフィン・エバンス 1:12:21.5
#3 フォード +45.1
8 ティエリー・ヌービル 1:12:34.4
#5 ヒュンダイ +58.0
9 クリス・ミーク 1:12:44.0
#7 シトロエン +1;07.6
2 オットー・タナク 1:13:26.6
#2 フォード +1:50.2

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3日目

3日目からは出走順がリバースオーダーとなるため、上位陣が路面の掃除役から解放されます。
後方スタートだったラッピのアドバンテージが失われるので、彼の真の実力が問われる1日になるはずです。

また、残念ながらセバスチャン・オジェの再出走は叶いませんでした。
コ・ドライバーのジュリアン・イングラシアに脳震盪の症状が出ているため、大事を取って出走を見合わせることになったようです。

SS14 Pihlajakoski 1 , 14.85 km

わかりづらいタイトコーナーが続くにもかかわらず、驚くほど高速なステージ。5.5km地点からは道幅も広がり、スピードレンジがさらに高くなります。

ここでのステージベストはラトバラ! ラッピに対して先制攻撃です。
私は戦うためにここにいる」とラトバラ。「エサペッカは素晴らしい走りをしていて、ユホ(ハンニネン)も非常に速いので、タダでは何も手に入らない。ミッカ(アンティラ。ラトバラのコ・ドライバー)は最初、私があまりにも積極的すぎると言ったが、私はそれを高速道路に置いていこうと思ったよ」

2番手タイムはハンニネン、ラッピは4番手でした。
総合首位はラッピのままですが、2位ラトバラは0.6秒差まで迫っています。

SS15 Päijälä 1 , 23.52 km

これぞラリー・フィンランド、というべきステージ。クレスト、ジャンプ、テクニカルセクションが組み合わさったコースですが、道幅が広いためにとてつもなく高速です。

ここでのトップタイムはまたしてもラトバラ! ラッピに5.4秒差をつける圧巻のスーパーベストで、総合首位の座を奪還しました。

「わからない」とラッピは首を傾げます。「僕からするとキレイに走れたステージだったんだけど、プッシュが足りなかったみたいだ。ヤリ-マティは上手くやったみたいだけど、今の僕は彼と戦うことができない。これが現実的なスピードだよ。僕には余裕が全く無かった。さらにプッシュすべきなのかわからないんだ」

SS16 Ouninpohja 1 , 24.36 km

オウポンニヤは、ラリー・フィンランドの名物ステージです。
75回以上もジャンプするステージなんて、世界中でもここしかないでしょう。
ストレートと呼べるものはほとんど無いのに、ジャンプのほとんどは全開で、マシンはコーナーからコーナーへと、まるで飛び移るかのように走り抜けていきます。

ここでもトップはやっぱりラトバラ! ラッピに2.5秒差をつけるベストタイムで、総合タイム差も7.3秒にまで拡げました。

「とても良い走りができたよ」とラトバラ。「改善できる場所はいくつかあったが、最後までプッシュした。素晴らしい気分だ。この場所以外ではこんな気分は味わえないだろう!」

一方ラッピは、ラトバラのスピードにショックを受けているようです。

「本当に楽しかったけど、僕のタイムは十分なものではない。最後の交差点で少しタイムロスしたのはわかってるけど、(ラトバラには)程遠い。ヤリ-マティがこのラリーで何回優勝したかは気にしないが、もっと速く走りたい。(でも)もしさらにプッシュしたら、僕はコース上にとどまれない。僕は彼がどうやってタイムを稼いでいるのかわからないよ

SS17 Saalahti 1 , 4.21 km

短いステージではあるもののジャンクションが多く、オーバーシュートしてタイムロスしやすいステージです。
路面は硬く引き締まっており、アスファルトのようになっています。

ステージウィンはまたしてもラトバラが獲得。
4連続ベストで、3日目午前の全ステージを制覇しました。

ラッピは0.5秒差の2番手タイムに終わり、総合タイム差は7.8秒に拡大しています。

「午後のループで車がさらに良くなること以外は、何も望まない」とラッピ。「彼(ラトバラ)とどうやって戦えばいいのか、本当にわからないんだ。彼は本当に良い仕事をしているけど、きっとまだ戦いは終わっていない」

SS18 Saalahti 2 , 4.21 km

SS17のリピートステージ。
またしてもラトバラがトップタイムを記録し、5連続ベストを達成しました。
午後のループに入っても、勢力図に変化は無いようです。

「午後も良いスタートを切れた。ほぼ完璧なステージだったよ。でも1つのコーナーだけは、もう少し速く走れそうだ」

ラッピも0.7秒差の2番手タイムで食い下がるものの、総合タイムではジリジリと引き離され、8.5秒差となっています。

SS19 Ouninpohja 2 , 24.36 km

好事魔多しとはこのことでしょうか。
首位を走るラトバラに電気系のトラブルが発生し、スタートから11km地点で止まってしまいました
新旧フライング・フィンの対決を最後まで見たかったので、本当に残念です。
ラトバラは悔やんでも悔やみきれないでしょう。

このSS16のリピートステージでは、ラッピがベストタイムを記録。
ハンニネンが2番手で続いたため、トヨタは6ステージ連続の1-2フィニッシュを達成しました。

総合タイムでもラッピ-ハンニネンの1-2ですが、2人のタイム差は54.1秒とかなり離れています。

SS20 Pihlajakoski 2 , 14.85 km

SS14のリピートステージ。
ステージベストはフォードのスニネンでした。
これで彼はハンニネンをかわし、総合2位に浮上しています。

ラッピはスニネンから4.0秒遅れの5番手タイムと振るわず。
ラトバラのリタイアに、動揺を隠しきれません。

「複雑な気持ちだ」とラッピ。「ヤリ-マティとチームのために言っておきたいのは、ラリーをリードしているのに、これほど失望したことは一度も無いということだよ。でも、それもゲームの一部だ。僕たちはフィニッシュまで生き残る必要がある。プレッシャー無しでリズムを維持するのは、簡単なことではないんだ」

SS21 Päijälä 2 , 23.52 km

SS15のリピートステージ。
トップタイムはフォードのエルフィン・エバンスでした。
DMACKタイヤユーザーの彼は、いつの間にやら総合4位まで浮上、総合3位のハンニネンまで1.3秒に迫っています。

ラッピはエバンスから7.2秒遅れの7番手タイム。
これまでとは打って変わって、勢いを失ってしまいました。
総合2位のスニネンとは49.1秒もの大差がありますし、4日目のSSは4つしかありませんから、普通に走り切れば優勝は確実なのですが……ちょっと心配ですね。

第67回ラリー・フィンランド 総合順位(3日目終了時点)
順位 ドライバー/No./メーカー 総合タイム/トップとの差
1 エサペッカ・ラッピ 2:13:02.7
#12 トヨタ ──
2 テーム・スニネン 2:13:51.8
#15 フォード +49.1
3 ユホ・ハンニネン 2:13:56.1
#11 トヨタ +53.4
4 エルフィン・エバンス 2:13:56.1
#3 フォード +54.7
5 クレイグ・ブリーン 2:14:19.6
#9 シトロエン +1:16.9
6 ティエリー・ヌービル 2:14:34.3
#5 ヒュンダイ +1:31.6
7 オットー・タナク 2:15:10.2
#2 フォード +2:07.5
8 クリス・ミーク 2:16:01.8
#7 シトロエン +2:59.1
9 ダニ・ソルド 2:16:56.7
#6 ヒュンダイ +3:54.0
10 マッズ・オストベルグ 2:17:26.3
#14 フォード +4:23.6

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4日目(最終日)

最終日のSSは33.84kmしかなく、それでいて首位と2位とは49.1秒も離れていますから、何事も無ければラッピの優勝は確実です。
注目はハンニネン、スニネン、エバンスの表彰台争いですね。

SS22 Lempää 1 , 6.80 km

硬く引き締まった路面と、曲がりくねった道が組み合わさったステージ。
途中ツイスティなセクションがあるものの、基本的には高速です。

トップタイムはスーパーラリーで復活したラトバラでした。
上位入賞はもはや不可能ですが、パワーステージでのポイント獲得に狙いを定めています。

「(昨日のトラブル原因は)エンジンのECUだった」と昨日のデイリタイアを振り返るラトバラ。「トラブルが出たことはこれまで無かったんだけど、そのせいで余計に何もできなかったね。サプライヤーから取り寄せたものだから、チームの問題ではない。私たちは購入した部品が大丈夫だと信じるしかないんだ。でも思うところはあるけどね」

「重要なのは車の出来が良くて、フィーリングも良いことだ。それは私たちの未来にとって重要なことだよ。パワーステージではアタックするつもりだ」

ラッピはコントロールしているようで、このステージは7番手タイムでした。

表彰台争いは、ハンニネンが2番手タイムを叩き出し、3番手タイムのエバンスや、8番手タイムに終わったスニネンを引き離しています。

SS23 Oittila 1 , 10.12 km

フィンランド名物のクレストは鳴りを潜め、フラットな路面を圧倒的なハイスピードで駆け抜けるステージです。

ここでのトップタイムもラトバラでした。
これほどのスピードがあるだけに、返す返すもトラブルが残念でなりません。

表彰台を争う3台では、スニネンが2番手、エバンスが3番手となり、4番手に終わったハンニネンは、総合でも4位に転落してしまいました。

「スタート直後にタイムを失ってしまった」とハンニネン。「左コーナーでワイドに膨らんでしまい、乾草にあたってしまったんだ」

しかし総合2位に浮上したスニネンから4位ハンニネンまでのタイム差は、わずか2.7秒しかありません。
残りのSSはたった2つとはいえ、このギャップなら逆転は十分に可能です。

SS24 Lempää 2 , 6.80 km

SS22のリピートステージ。
ステージベストはまたもラトバラでした。
これで3連続ベストですが、それでも彼は総合21位にとどまっています。

表彰台争いは、なんとスニネンが痛恨のスピン!
ラトバラから19.3秒遅れの21番手タイムとなり、総合4位に転落してしまいました。

「挑んだ、スピンした、それだけ」と、敗戦の弁を語るスニネンは言葉少なです。

フロント周りを大破してしまったスニネンのマシン。

ハンニネンはこのステージで2番手タイムを記録し、5番手タイムだったエバンスを逆転、総合2位に浮上しました。
しかし2人の差は0.9秒しかありません。

SS25 Oittila 2(Power Stage), 10.12 km

ステージ順位に応じて選手権ポイントが与えられるパワーステージは、SS23のリピートステージとなります。

ステージウィンはフォードのオットー・タナク
貴重な5ポイントを獲得し、ドライバーズランキング3位に浮上しました。

エバンスは2番手タイムでハンニネンを再び逆転し、2位の座を手中に収めました。
ハンニネンは5番手タイムで逆転を許したものの、WRCでキャリア初の表彰台です。

3番手タイムはヒュンダイのティエリー・ヌービルでした。
タイトルを争うオジェがノーポイントに終わったため、2人は160点で並びましたが、優勝回数の差でヌービルがランキング首位に浮上しています。

ラトバラは4番手タイムで2ポイントを獲得。
優勝はエサペッカ・ラッピでした。
トヨタはこれで今季2勝目、デビューイヤーとしては望外の結果でしょう。

ラッピはトヨタにとって、もはや欠かせない存在だ。
第67回ラリー・フィンランド 総合順位(3日目終了時点)
順位 ドライバー/No./メーカー 総合タイム/トップとの差
1 エサペッカ・ラッピ 2:29:26.9
#12 トヨタ ──
2 エルフィン・エバンス 2:30:02.9
#3 フォード +36.0
3 ユホ・ハンニネン 2:30:03.2
#11 トヨタ +36.3
4 テーム・ス二ネン 2:30:28.4
#15 フォード +1:01.5
5 クレイグ・ブリーン 2:30:49.5
#9 シトロエン +1:22.6
6 ティエリー・ヌービル 2:31:00.0
#5 ヒュンダイ +1:33.1
7 オットー・タナク 2:31:20.5
#2 フォード +1:53.6
8 クリス・ミーク 2:32:39.5
#7 シトロエン +3:12.6
9 ダニ・ソルド 2:33:38.4
#6 ヒュンダイ +4:11.5
10 マッズ・オストベルグ 2:33:48.1
#14 フォード +4:21.2

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次戦はドイツ。ラッピはターマックでも速さを発揮できるだろうか?

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