アルファロメオが新型GTVと8Cの開発をキャンセル
アルファロメオが計画していたGTVと8Cの新型が、キャンセルされたようです。
フィアット・クライスラーが発表した最新の製品ロードマップには、8CとGTVの記述がありませんでした。
アルファロメオの製品ロードマップ(2019年版)
2018年に発表された製品ロードマップと比較すると、2019年版ではラインナップが大幅に絞り込まれたことがわかります。
MiToの廃止は2018年の時点で決定していましたが、ジュリエッタは新型が登場する予定でした。
しかし2019年版では、ジュリエッタも現行型限りで廃止されることになったようです。
ジュリアとステルヴィオに関しても、ロングホイールベース(LWB)仕様が追加される予定でしたが、2019年版のロードマップには、影も形もありません。
LWB仕様は中国の顧客が好むため、プレミアムブランドはこぞって中国市場にLWB仕様を投入していましたが、最近は米中貿易摩擦で中国の自動車市場が冷え込んでいるため、キャンセルとなってのでしょう。
そしてGTVと8Cは、ロードマップから完全に姿を消してしまいました。
FCAによると、「グローバルなリーチを縮小し、グループが抱えるその他ブランドと重なる部分においての、既存市場における強みに注力する」ための計画変更なのだそうです。
8CやGTVはマセラティと競合する部分があるので、勝てないと考えたのかもしれません。
とはいえキャンセルされた計画ばかりではありません。
2019年版のロードマップには、「B-UV」という製品計画が新たに追加されています。
BセグメントのSUVということなので、MiToくらいの車格のSUVが計画されているのでしょう。
Dセグメントのステルヴィオ、Cセグメントのトナーレ(C-UV)、そしてBセグメントの新モデル(B-UV)というラインナップが、今後のアルファの中軸となるのかもしれません。
気になるのは、やはりPSAとFCAが経営統合された点です。
B~DセグメントのSUVは、プジョーやDSの主力車種でもあります。
そしてプジョーもDSも、プレミアムブランドとして定着すべく努力している真っ最中です。
プレミアムブランドを複数抱えている自動車メーカーとしては、フォルクスワーゲン・グループが挙げられます。
VWの場合は、アウディ、ポルシェ、ランボルギーニ、ベントレーと4ブランドも抱えているわけですが、価格帯や車種はあまり被っていません。
しかしアルファロメオのロードマップを見ると、プジョーやDSと同クラスのSUVばかりです。
セダンでもプジョー・508(日本での開始価格は424.7万円から)アルファロメオ・ジュリア(同455万円)と似たような価格帯にあります。
これらを差別化するには、アルファロメオのスポーティーさを一段と強く打ち出すしかないかもしれません。
ただ、プジョーもGTiと名称を廃止して、「プジョー・スポール・エンジニアード」というサブブランドでスポーツ性を強調する戦略に出ているので、難しいところですね。
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