F1バルセロナテスト4日目 悪夢再び!
やはり今年もだめなのか……?
昨日出火した時点で不穏な空気が漂っていたマクラーレン・ホンダですが、テスト4日目は昨年の再現というべき状態になってしまいました。トラブルでアロンソが3周しか走れず、タイムを記録できなかったのです。
トップ画像の出典: @McLarenF1
目次
バルセロナテスト4日目タイム
順位 | ドライバー | チーム | ベストタイム | 周回数 |
---|---|---|---|---|
1 | キミ・ライコネン | フェラーリ | 1’23″477 | 80 |
2 | ダニール・クビアト | レッドブル | 1’24″293 | 96 |
3 | アルフォンソ・セリス | F・インディア | 1’24″840 | 75 |
4 | ケビン・マグヌッセン | ルノー | 1’25″263 | 153 |
5 | マックス・フェルスタッペン | トロ・ロッソ | 1’25″393 | 110 |
6 | フェリペ・ナッセ | ザウバー | 1’26″053 | 121 |
7 | ニコ・ロズベルグ | メルセデス | 1’26″187 | 86 |
8 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1’26″295 | 99 |
9 | フェリペ・マッサ | ウィリアムズ | 1’26″483 | 54 |
10 | エステバン・グティエレス | ハース | 1’27″802 | 89 |
11 | リオ・ハリアント | マノー | 1’28″266 | 51 |
12 | ジェンソン・バトン | マクラーレン | no time | 3 |
マクラーレンのトラブル原因は?
原因は「異常な水圧上昇による水漏れ」とのこと。しかし朝のテスト開始直後にトラブルが出て、その後まったく走れなかったわけですから、配管の接続ミスや、配管の強度不足といった単純な問題ではないはずです。
サイズゼロはやはり冷却が難しい?
テスト3日目の出火原因は、「漏れたオイルが高熱の場所に触れたため」でした。
2つのトラブルに共通するのは「熱」です。サイズゼロはやはり冷却が難しく、周辺のパーツに熱害を撒き散らす問題児なのだと思います。サイズゼロ・コンセプト自体が間違いだったと、いいかげんホンダは認めるべきです。
マクラーレンの空力も実はいまいち?
マクラーレンはまだまだドラッグが多いと、パドックで噂になっています。3日目に計測された最高速のデータにおいて、マクラーレンが遅かったからです。
チーム名 | 最高速(km/h) |
---|---|
ザウバー | 338.5 |
メルセデス | 337.5 |
ウィリアムズ | 334.3 |
F・インディア | 333.3 |
マノー | 333.3 |
ルノー | 332.3 |
ハース | 331.2 |
フェラーリ | 331.2 |
トロ・ロッソ | 327.2 |
レッドブル | 322.3 |
マクラーレン | 320.3 |
レッドブルもマクラーレンと同等の最高速ですが、レッドブルはラップタイムが速いので、ダウンフォースをつけて走っていたものと思われます。問題はラップタイムも最高速も遅いマクラーレン・ホンダです。
そもそもサイズゼロ・コンセプトとは、エンジンをコンパクトにし、リア周りの空力向上を図るためのものです。にも関わらずシャシーのドラッグが多いのでは、サイズゼロの意味がありません。
しかもサイズゼロを採用していないフェラーリが、マクラーレンと同等のリアの絞り込みを実現してきた以上、やはりサイズゼロコンセプトは破棄すべきでしょう。アドバンテージが全く無いのですから、意地を張っても仕方がありません。
能ある鷹は爪を隠す
4日間のテストが終了しましたが、メルセデスは一度もソフトタイヤを履いていません。彼らのベストタイムは、ミディアムタイヤを履いて記録されたものです。
メルセデスが日々繰り返してきたことは、ミディアムタイヤを履いてのロングランでした。つまりレースシミュレーションです。それでもノントラブルでしたし、スピードも十分でした。4日目には「革新的」な新ノーズも導入し、開幕戦に向けて盤石の構えです。
おそらく次のテスト(3月1日〜4日、舞台は同じくバルセロナ)ではソフトタイヤを試すものと思われます。メルセデスがウルトラソフトを履いたときにどれほどのタイムを出してしまうのか、怖いもの見たさがありますね。
他チームの動向
フェラーリ
キミ・ライコネンが最速タイムを叩き出しましたが、同じウルトラソフトタイヤでベッテルが記録したタイムから、0.7秒ほど遅れています。
ですがライコネンは冷却系のトラブルで午後はまともに走れませんでしたから、タイムが出せなかったのも無理からぬところです。
フォース・インディア
好調を維持しており、サードドライバーのアルフォンソ・セリスが3番手タイムをマークしました。
ルノー
1日を通じてトラブルフリーで終えることが出来たルノーは、マグヌッセンが153周し、4番手につけました。レースシミュレーションも完遂と、パーフェクトな1日でした。暗い話題ばかりだったルノーに、ようやく光が射し始めたといえるでしょう。
トロ・ロッソ
マグヌッセンの5番手タイムは、ミディアムタイヤで記録されたものです。また周回数も110周と、ここにきてパフォーマンスと信頼性を大幅に向上させてきました。
ザウバー
ザウバーはずっとトラブルフリーですが、昨シーズンのマシンを使っているので当然の結果です。彼らのニューマシンは、次のテストでお披露目となります。
ウィリアムズ
昨日「すごく安定していて不気味」だと取り上げたウィリアムズですが、トラブルに見舞われてしまいました。原因は特定されたようですが、マッサにとっては物足りない1日となってしまったようです。
ハース
4日目はレースシミュレーションをノントラブルで終えました。少なくともマクラーレンよりは順調にテストメニューを消化しています。終盤にグティエレスがターン4で飛び出してしまいましたが、大きな問題にはならなかったはずです。
マノー
リオ・ハリアントは午後のセッションでターン4のバリアに突っ込み、マシンを壊してしまいました。
4日間のトータル周回数
チーム名 | 4日間の周回数 |
---|---|
メルセデス | 675 |
トロ・ロッソ | 447 |
ザウバー | 432 |
ウィリアムズ | 377 |
レッドブル | 369 |
フェラーリ | 353 |
ルノー | 343 |
F・インディア | 333 |
ハース | 281 |
マクラーレン | 257 |
マノー | 254 |
メルセデスが圧倒的です。フェラーリの型落ちPUを使うトロ・ロッソとザウバーは、PU本体の信頼性が高いために周回数を稼げたのだと思われます。
マクラーレンは新規参入のハース以下の周回数しか稼げませんでした。マクラーレン・ホンダになって2年目でもこの有様では、先が思いやられます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の記事もぜひご覧ください。