マツダがロータリーハイブリッドスポーツカーの特許を申請
マツダがロータリーエンジンを搭載したハイブリッドのスポーツカーに関する特許を、2021年6月に申請していたことが明らかになりました。
今回はその概要をご覧ください。
ロータリーハイブリッドに関する特許の概要
この特許の特徴は「ロータリーエンジン」「AWD(全輪駆動)」「可変電圧のバッテリーシステム」の3つです。
ロータリーエンジン
特許には「エンジンはロータリーエンジンで車両前部に搭載」と明記されていますが、ロータリーエンジンの仕様については言及されていません。また、一般的なレシプロエンジンの搭載も想定しているようです。
以前マツダが取得したロータリーハイブリッドの特許では、ロータリーエンジンは3ローター仕様で、エンジンはトランスミッションを介し後輪を直接駆動することができるものでした。今回の特許でも、搭載されているモーターの出力が非常に低いため、ロータリーエンジンがタイヤを直接駆動するパラレルハイブリッド(もしくはシリーズ・パラレルハイブリッド)方式であると考えられます。
AWD(全輪駆動)
今回の特許では、フロントの左右輪に17kW(23ps)のモーターをそれぞれ1つずつ、そしてロータリーエンジンの後方に25kW(34ps)のモーターを1つ搭載しています。エンジンと前輪は直接つながっていません。
いずれのモーターも低出力であるため、加速時のアシストやコーナリング時のトルクベクタリングなど、限定的な使い方になるでしょう。主な動力はあくまでロータリーエンジンであると考えられます。
可変電圧のバッテリーシステム
マツダは歴史的に軽量なスポーツカーを作ることにこだわってきました。それは現行型のロードスターを見ても明らかです。
しかしハイブリッドとなれば、重量増は避けられません。
そこで考え出されたのが、可変電圧のバッテリーシステムです。運転席の後方に搭載された4つのバッテリーモジュールは、巡航時などは48ボルトで動作します。ところがピーク電圧を要求されると、バッテリーセルを2組の直列で動作するように瞬時に再構成し、96ボルトの高電圧で電力を供給します。
これによりパワーエレクトロニクスや高電圧接続に必要なシステムが削減され、軽量化できるのだそうです。
この特許は実際に使用されるのか?
マツダがロータリーハイブリッドのスポーツカーを作ろうとしていることはわかりました。しかしそれは実現するのでしょうか?
次期ロードスターが何らかの形で電動化されることは判明しています。ロードスターにロータリーエンジンが搭載されるとは思えませんが、レシプロならば今回の特許のような構成が可能なはずです。低出力なモーターであっても、ロードスターの車重ならば問題ないでしょう。
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