C-HRが欧州でも売れ行き好調! 「かっこいい」がトヨタを救う!
トヨタ・C-HRの快進撃が止まりません。
日本では4月の車名別新車販売ランキングでトップになったC-HRですが、ヨーロッパでも販売台数を伸ばしているようです。
今回は、欧州でトヨタが直面している問題と、C-HRがその救世主となり得る理由を見ていきます。
欧州でのC-HRの売れ行き
ヨーロッパでC-HRの販売が始まったのは、今年の第1四半期からです。
トヨタ・モーターズ・ヨーロッパは、ヨーロッパにおけるC-HRの年間販売目標を10万台と定めていましたが、4月末の段階で、予約台数が早くも8万台を越えたそうです。
トヨタは当初、C-HRの人気がここまで高まるとは思っておらず、年間販売台数をもっと少なく見積もっていたといいます。
しかし事前情報を開示した際に、C-HRへの顧客の関心の高まりを見て、非常に強い需要があることに気づいたそうです。
欧州トヨタの弱みと強み
弱点その1 顧客の年齢層が高い
ヨーロッパトヨタの顧客の平均年齢は、56〜57歳と、業界平均よりも数年ほど高くなっています。
欧州でのトヨタは、品質や耐久性、信頼性などに関しては高く評価されているものの、若者が買うブランドとは認識されていないのです。
一言で言うと、おっさん臭いブランドなわけですね。
C-HRのアグレッシブなスタイリングは、これまでトヨタが苦手としてきた、若い顧客層を開拓しつつあるようです。
弱点その2 SUVが少ない
現在ヨーロッパで販売されているトヨタのSUVは、ランドクルーザー、RAV4、そしてC-HRしかありません。
日本ではこの他にもハリアー、ランドクルーザープラド、FJクルーザーなどがラインナップされていますが、他メーカーと比べると、トヨタのSUVが少ないのは明らかです。
とくに少ないのは、乗用車ライクなクロスオーバーSUVです。C-HR、RAV4、ハリアーの3車種しかない上に、RAV4とハリアーはほぼ同サイズですから、実質的には2つのセグメントしかカバーできていないということになります。
例えば日産は、ジューク(サブコンパクト)、キャシュカイ(スモール)、エクストレイル(ミッドサイズ)、ムラーノ(ラージサイズ)と、4つのセグメントにクロスオーバーSUVを供給しています。
逆に言うとトヨタには、クロスオーバーSUVの販売を伸ばす余地があるわけです。
C-HRは、その尖兵と言えるでしょう。
ハイブリッドは強み
弱点が多く、ヨーロッパでのシェア拡大に苦戦していた欧州トヨタですが、強みもあります。
それはハイブリッドカーの豊富さです。
VWのディーゼルゲート事件以降、ヨーロッパでもディーゼルエンジンに対する風当たりが強くなりました。
各国が規制が強化したために、ディーゼルエンジンはさらなる環境対策を強いられ、結果としてかなり高価なものになってしまいました。
SUVというとディーゼル搭載が当たり前だったのですが、C-HRにはディーゼルのラインナップがありません。
ヨーロッパで販売されるC-HRの80%が、ハイブリッドだそうです。
C-HRは理想的なモデル
トヨタの弱点をカバーし、強みもきっちり抑えているC-HRは、トヨタにとって理想的なモデルです。
トヨタのヨーロッパでのシェアは4.5%ほどですが、C-HRのような車種を各セグメントに投入していけば、シェアを大きく拡大できるかもしれません。
昨年度のトヨタは大幅な減益に見舞われましたが、最近は中国でもトヨタ車の販売が好調なようですし、今年度はV字回復できると思います。
もちろんその起爆剤となるのは、C-HRでしょう。
アメリカでは販売が始まったばかりですし、中国ではまだ発売されていませんから、C-HRの販売台数はまだまだ伸びていくはずです。
参考サイト: Toyota’s Europe focus for C-HR pays off | Automotive News Europe
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