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【12/2更新】WRC 2017年のマシン&ドライバー一覧 レギュレーション解説も

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2016/12/02

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フォルクスワーゲンがWRC撤退を発表し、ストーブリーグが一気に熱を帯びてきました。シートを失った元VWのワークスドライバーたいの動向と、他メーカーマシンの開発状況、そして各チームのドライバーラインナップをチェックしていきます。

更新情報

ヒュンダイ i20 WRC 2017の正式カラーリング画像を追加しました。(2016/12/02)

フォード、トヨタ、シトロエン、フォルクスワーゲンの項目に最新情報を追記しました。(2016/11/29)

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2017年のWRカー&ドライバーラインナップ

開発途中のものも含め、2017年仕様のWRカーの画像と動画を集めてみました。ドライバーの項目は決定済みのチームだけです。

フォード

フィエスタRS WRC 2017

Mスポーツはフォードから技術協力を受けているセミワークスチームにすぎませんが、2017年も参戦を継続するようです。

グラベルテスト(8月末撮影)

2016年のフィエスタRS WRCよりも、トラクションのかかりが断然よくなっています。金持ちのフルワークスチームを相手に困難な戦いが続きますが、ぜひとも一矢報いてもらいたいものです。

フォードの2017年ドライバーラインナップ

2016年11月29日追記

なんと4度の世界チャンピオンセバスチャン・オジェが、近年低迷しているフォードに移籍するかもしれません!

ヒュンダイのドライバーは決定済みですし、シトロエンは「オジェとは交渉の余地がある」と言うものの、クリス・ミークという最大のライバルがいるチームに今から移籍しても、政治的に不利です。

残るはトヨタとフォードですが、実はオジェはトヨタとも接触しており、ヤリスWRCのテストもすでに行っています(詳細はトヨタの項目にて)。
しかしトヨタはまだ海の物とも山の物ともつかないチームですから、フォードが有力ではないかと言われているのです。

そんな訳で消去法的にフォードが最有力候補に躍り出たのですが、フォード・チームを率いるマルコム・ウィルソン(Mスポーツ代表)によれば、「来年のフィエスタWRCは出来が良い」のだそうです。
オジェが乗ればスポンサーも付きやすくなりますし、来季のフォードは意外と健闘するかもしれません。
オジェはフォードと1年契約を希望しており、来年トヨタの出来を見定めてから、2018年に改めてチームを選択するつもりのようです。

オジェがフィエスタWRCをテストする様子。トラクションのかかりは良さそうだ。

オジェ以外のラインナップは、2016年にD-MACKチームで急成長を遂げたオットー・タナクが有力視されています。
タナクは2017年型フィエスタWRCの開発も担当していますから、ほぼ当確でしょう。

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トヨタ

ヤリスWRC 2017

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画像の出典: autoexpress.co.uk

三菱ランサーエボリューションを駆り4度の世界タイトルに輝いたトミ・マキネン。彼が率いるトミ・マキネン・モータースポーツとトヨタが共同開発したWRカーが、ヤリスWRCです。

画像を見るかぎりでは……うーん、ちょっとデザインが古臭い感じがしますね。リアウィングにおおきなスプリッターを立てるのは一時期流行りましたが、今はもう廃れています。続いてはテスト走行の模様を収めた動画です。

フィンランドでのグラベルテスト。ユホ・ハンニネンがドライブ。

ハッキリ言って、あまり速そうには見えません。コーナーの進入ではアンダーステアっぽいですし、トラクションのかかりが悪いのか、立ち上がりでのアクセル開度も小さいです。

ハンニネンのドライビングの癖なのかもしれませんが、ドリフトアングルが大き過ぎます。90年代ならともかく、こんなに角度をつけてコーナーに入っていく車は今時ありません。

最新のテスト映像

トミ・マキネンのドライブによるターマックテストです。曲がらないためか、アクセルを踏んでは戻しを繰り返しています。1月の開幕戦までもう時間がありませんから、今からパフォーマンスを大きく引き上げるのは難しいでしょう。トヨタのデビューイヤーは相当厳しいものになりそうです。

トヨタの2017年ドライバーラインナップ

2016年11月29日追記

以下の動画は、オジェがヤリスWRCをテストしている模様を撮影したものです。

さすが現役の世界チャンピオンは格が違いますね。トミ・マキネンのテスト動画と比べると、ヤリスWRCの動きが段違いです。
しかしオジェが乗ってもアンダーステア傾向は明らかなので、旋回スピードはそれほど速く見えません。
オジェ獲得レースにおいては、マシン的にはフォードに分がある感じです。

しかしトヨタにはマネーがあります(現預金3.9兆円)。オジェに莫大なギャラを用意できるのはトヨタだけでしょう。
マネーパワーでなんとかオジェとの契約にこぎつけて欲しいものです。

オジェのチームメイトは、ユホ・ハンニネンになる可能性が高いと見られていますが、やはりVWから放出されたヤリ-マティ・ラトバラアンドレアス・ミケルセンもいるので、トヨタはよりどりみどり……かと思っていたら、レッドブルがVWのマシンを引き継いで参戦するとの情報(詳細はVWの項目にて)が飛び出し、情勢は急変しつつあります。

エサペッカ・ラッピテーム・ス二ネンの名前も上がっているものの、元VWワークスドライバーたちと比べると、物足りなさは否めません。

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ヒュンダイ

i20 WRC 2017

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正式カラー。2016年よりも黒の面積が増えた。
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下の暫定カラーのときの画像とは、リアウィング形状が異なる。
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暫定カラー
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画像の出典: rallyplus.net

今季新型車両を投入したことで、2017年仕様の開発遅れが心配されていたヒュンダイですが、テストは行われています。

グラベルテスト(9月撮影)
ターマックテスト(8月撮影)

2016年仕様のi20 WRCもそうですが、やっぱりフロントヘビーな感じがしますね。コーナーの進入や、奥に行くにつれてRがきつくなるようなところで、アンダーステア傾向なのが見て取れます。ベース車両の特性なんでしょうか。

でもS字の切り返しなどはスムーズです。ワイドトレッド化されたことが功を奏しているのでしょう。

ヒュンダイの2017年ドライバーラインナップ

ドライバーコ・ドライバー
ティエリー・ヌービルニコラス・ギルソウル
ヘイデン・パッドンジョン・ケナード
ダニ・ソルドマルク・マルティ

「トヨタ行きか、それともシトロエンか?」と取り沙汰されていたヌービルでしたが、結局ヒュンダイとの契約を2年間延長し、残留することが正式に決まったようです。

パッドンとソルドも2018年末まで契約を有しているので、今後2年間、ヒュンダイは同じ布陣でWRCを戦うことになります。ただし開発ドライバーのケビン・アブリングの来季動向は不明です。

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シトロエン

C3 WRC 2017

圧倒的な強さでシリーズを席巻しているWTCCのプログラムを終了し、2017年のWRCに全リソースを注ぎ込んでいるシトロエン。その甲斐あってか、C3 WRCの完成度は高そうです。

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画像の出典: motor1.com

リアウィングの造形が面白いですね。サイドから回り込んできた左右の気流を合流させると乱れが生じるので、それを防ぐために下段のウィング中央を膨らましているのでしょう。続いては動画です。

グラベルテスト(8月撮影)
ターマックテスト(8月末撮影)

高速コーナーの旋回速度と安定感が素晴らしいですね。トラクションのかかりも良さそうですし、現時点では一番完成度が高いマシンでしょう。

シトロエンの2017年ドライバーラインナップ

2016年10月5日、ドライバーラインナップが正式に発表されました。

ドライバーコ・ドライバー
クリス・ミークポール・ナグル
クレイグ・ブリーンスコット・マーティン
ステファン・ルフェーブルギャビン・モロー

2016年と同じ体制で、新WRカー元年を戦うことになります。
エースのミークを中核に、成長著しい若手のブリーンと、シトロエンの秘蔵っ子ルフェーブルが脇を固める布陣です。

ヒュンダイから離脱すると見られているティエリー・ヌービルが、シトロエンと接触しているとの情報もありましたが、契約には至らなかったみたいですね。

シトロエンは以前、エースだったセバスチャン・ローブと、秘蔵っ子だったセバスチャン・オジェとが対立し、オジェがVWに移籍してしまった経緯があります。
この問題はしばらく尾を引き、ローブがフル参戦しなくなった2013年以降、シトロエンには絶対的なエースがいない時期がありました。
その後ミークが台頭して事なきを得たのですが、彼がいなければ今もエースドライバー探しに奔走していたはずです。

そんな経緯があるので、経験を積み成長した2〜3年後のブリーンやルフェーブルと競合しそうな28歳のヌービルを、シトロエンはチーム内に入れたくなかったのだと思います。
一方ミークはもう37歳ですから、世代交代はスムーズに行われるはずです。

2016年11月29日追記

シトロエンはオジェと交渉しているようです。何考えてるんでしょうね……。

たしかにオジェはシトロエンと対立していたというよりも、セバスチャン・ローブ(と彼を支持するスタッフ)と対立してVWに移籍したわけですが、だからといってチーム体制が固まった後からオジェを加えるのは、内紛のリスクを高めるだけでしょう。
シトロエンの行動には首を傾げざるを得ません。

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フォルクスワーゲン

ポロWRC 2017

2016年現在は最強マシンとして君臨しているポロWRCですが、2017年も優勝候補の最右翼です。

グラベルテスト(9月撮影)
ターマックテスト(9月撮影)

一番上の動画は5月にマーカス・グロンホルムがテストしているときのものですが、コーナーの出口でリアタイヤのグリップがやや足りてないような動きをしています。

下2つはラトバラが9月にテストしたときの映像です。車の動きが非常にスムーズで、コーナリングでも安定しています。一気に完成度を上げてきた感がありますね。

ブレーキングからコーナー進入までの一連の動きもいいので、アクティブセンターデフの開発も上手くいっているようです。

VWのWRC撤退が決定(2016/11/02追記)

残念ながらVWは2017年のWRCにエントリーしないようです。マシンの開発が進んでいたのにもったいないですね。詳細については以下のリンクからどうぞ。

フォルクスワーゲンのWRC撤退が決定 2017年のWRCはどうなる? | 車知楽

2016年11月29日追記

レッドブルがポロR WRC2017を引き継ぎ、参戦する可能性が出てきました。VWではなく、レッドブル・レーシングとしてマニュファクチャラー登録するつもりのようです。
そのためラトバラはVWに残留する可能性が高まっています。

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2017年のWRカー車両規定(レギュレーション)

リーマン・ショックの余波でスバルが撤退してからというもの、日本におけるWRCの報道量は激減してしまいました。そのため今のWRCがどのような車両規定なのかわからないという人も多いと思います。

そこで1997年以降の車両規定の変遷についてまとめることにしました。WRカーの車両規定は大きく分けると、1997-2010の第1期、2011-2016の第2期、そして2017年から導入される第3期の3つに分けられます。

規定1997-20102011-20162017-
エンジン2Lターボ1.6Lターボ
最高出力(ps)330-340320380
最大トルク(Nm)550-650400???
リストリクター径(mm)343336
最大ブースト(bar)???2.52.5
最低重量(kg)123012001175
デフ(F/C/R)※1A/A/A※2P/N/PP/A/P

※1 フロント/センター/リアのディファレンシャルギア

※2 A=アクティブデフ P=パッシブデフ N=デフなし(none)

第1期WRカーの最高出力は300psと当時言われていましたが、シトロエンによると340ps程度は出ていたようです。

また、第2期WRカーは当初6速シーケンシャルのフロアシフトでしたが、2015年からはパドルシフトに戻されています。

表にはありませんが、2017年規定で大きく変わるのはエアロダイナミクスです。大型化されたリアウィング等により、ダウンフォースが大幅に増えるため、コーナリング速度が上がると予想されています。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。

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