T32エクストレイル 評価・口コミ 燃費と走りのハイブリッド
本格派のクロカン風SUVだったT31から打って変わって、T32は洗練されたアーバンSUVになりました。スーツに着替えた山男といったところでしょうか。
旧来のエクストレイルファンからは非難轟々でしたが、販売は好調です。2016年7月のSUV売上げランキングでも、ハリアーを抑えて2位となっています。まあ、ヴェゼルがぶっちぎりでトップを独走している中での2位ですが。
デザインに関しては賛否両論あるものの、全体的には非常に完成度の高い車です。ヴェゼルにしろハリアーにしろSUVはハイレベルな車種が揃っているので、購入する側としては悩ましい限りです。
トップ画像の出典: nissan.co.jp
特別仕様車など
人気車種ゆえか、エクストレイルには特別仕様車が数多く存在します。
エクストリーマーX および ブラックエクストリーマーX
クロカンテイストを強めたエクストレイルが、「エクストリーマーX」や「ブラックエクストリーマーX」です。フォグランプ、フロントオーバーライダーや前後左右のアンダーカバー、マッドガードなどが装備され、いかにもな出で立ちとなっています。ハイブリッド車・ガソリン車のどちらにも設定されているのが嬉しいですね。
ブラックエクストリーマーXは、黒を基調とした内装に変更されており、しかもエクストリーマーXよりも標準装備の内容(ルーフレール、フロントグリルやオーバーライダーなどがダーククロム塗装、専用フォグランプ、ガソリン車もLEDヘッドランプなどが標準装備)が充実しています。
20Xt および 20XtブラックエクストリーマーX
20Xtは、ルーフレールとフォグランプ以外のエクストリーマーX外装パーツ(オーバーライダーなど)をディーラーオプションとする代わりに、「NissanConnectナビゲーション」「側後方車両検知警報(BSW)」「ふらつき警報」「クルーズコントロール」が標準装備となっているのが特徴です。
20XtブラックエクストリーマーXは、「NissanConnectナビゲーション」「側後方車両検知警報(BSW)」「ふらつき警報」「クルーズコントロール」が標準装備されたブラックエクストリーマーXとなります。全部のせと考えればよいでしょう。
20Xtと20XtブラックエクストリーマーXは、ガソリン車のみの設定となっています。
モード・プレミア
洗練された雰囲気を身にまとったエクストレイルが「モード・プレミア」です。専用フロントバンパーに加え、サイドシルガーニッシュやホイールアーチなども塗装されており、クロカン風味はどこへやら。しかし専用デザインの18インチホイールや2本出しマフラー等で、スポーティーネスをさり気なくアピールすることも忘れていません。
内装も本革シートに変更されており、優雅で都会的な印象です。モード・プレミアは、ガソリン車・ハイブリッド車のどちらでも選べます。
NISMO Performance Package
人気のある「ニスモパフォーマンスパッケージ」は、エアロパーツ、サスペンション、マフラー、18インチアルミホイールのセットとなっています。新車オーダー時のみではなく、後からでも装着可能です。
ただしサスペンション、マフラー、18インチアルミホイールの3点は、4WD専用となります。2WD車に装着可能なのはエアロパーツのみですが、「エアロパッケージ」として販売されているので問題はないでしょう。
また、「エクストリーマーX」「ブラックエクストリーマーX」「モード・プレミア」の3グレードには装着できません。エアロパッケージのみでも装着不可なので、エクストレイルにNISMOパーツを付けたい人は注意しましょう。
エクストレイル(T32)の評価・口コミ
インテリア
ここがGood!
- シートヒーターが付いてて快適
- 防水シートは厚みがあり、蒸れないし疲れない
- ドライビングポジションを合わせやすい
- 室内が広い(1列目・2列目)
- 2列目シートのアームレストの出来が良い
- 7人乗り仕様だと2列目シートがリクライニングできる
- インテリアの質感が高く、ワンランク上の車みたい
- 保冷機能付カップホルダーがある
ここがBad……
- 2列目シートのスライド位置を細かく選べない
- ハイブリッド車は3列シートの設定がない
- 3列目は狭く、おまけ程度
- 3列目を使うと2列目まで狭くなり、ラゲッジもほぼ無くなる
- 小物入れが足りてない
- ラゲッジスペース容量445リッター(3列目折りたたみ時)
ナビ・電装系
ここがGood!
- 自発光式メーターがとても見やすい
- アラウンドビューモニタやバックモニターが便利
- 左右独立温度調節可能なエアコン
- ドアロック時に自動で格納されるドアミラー
ここがBad……
- 「NissanConnect CARWINGS いつでもLink」サービスには非対応※1
- NissanConnectナビはタッチパネルに表示されるボタンが小さすぎる
- NissanConnectナビは音声操作が使いづらい
- NissanConnectナビは音質が悪い
- NissanConnectナビを付けないとステアリングリモコンが使えない
- NissanConnectナビを付けないとアラウンドビューモニタなどが使えない※2
- ウインカーレバーがやや硬く、スイッチ周りもチープ
- エアコンに記憶機能がなく、OFFにすると再設定しなければならない
- オートライトの感度を鈍くしても明るいうちから点灯してしまう
※1 「NissanConnect CARWINGS いつでもLink」サービスには非対応なので、パケット通信料10年間使い放題/スマートフォン連携機能などは利用できません。
※2 NissanConnectナビは「アラウンドビューモニタ」「インテリジェントパーキングアシスト」「後側方車両検知警報(ブラインドスポットアシスト)」「クルーズコントロール」などとセットなので、付けないとこれら全てが使えません。
エクステリア(外装)
マイナーチェンジで大幅にテコ入れされそうです。詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
T32エクストレイル マイナーチェンジ後の新型は顔つきが変化! | 車知楽
ここがGood!
- インテリジェントキーがあればセンサーに手をかざすだけで開く、リモコンオートバックドアが便利
ここがBad……
- リモコンオートバックドアは、車庫などのスペースが無いところでも作動してしまう
- LEDテールランプではない。
エンジン・実燃費
ここがGood!
- ハイブリッド車の実燃費: 街乗り12~18.5km/L, 郊外・高速道路15~20km/L
- ハイブリッド車のモーター加速はかなりパワフル(ノーマルモード)
- ガソリン車の実燃費: 街乗り7~12km/L, 郊外・高速道路: 13~18km/L
- ガソリン車のCVTは滑りが少なくレスポンスが良い
- アクティブエンジンブレーキはDレンジでもエンジンブレーキがよく効く
- アイドリングストップからの復帰がスムーズ
- ブレーキ踏力でアイストのON/OFFを選択可能
ここがBad……
- ハイブリッド車はアクセルを踏みすぎると、50km/h以下でもエンジンがかかる
- ハイブリッド車のバッテリーが小さいせいか、頻繁にエンジンがかかり充電する。
- ハイブリッド車はモーターとエンジンの切り替え時にショックがある。
- ハイブリッド車のCVTから異音が出る
- ガソリン車は出だしがもっさりしている。
ハイブリッド車に共通することですが、ダラダラ加速するよりも一気に加速して巡航した方が燃費がよくなります。
エクストレイル・ハイブリッドのCVTの異音はかなり報告例が多い症状ですが、日産側は何の手も打っていないようです。ただし2016年中にマイナーチェンジされる米国版エクストレイル(日産ローグ)にもハイブリッドが導入されるため、今度こそ何らかの改良が施されるかもしれません。
走行性能・取り回し
ここがGood!
- 運転が上手くなった気がするほど、コーナリング性能が高い
- 車高の割りにロールが小さい
- LEDヘッドランプは明るく、夜間走行でも快適
- インテリジェントパーキングアシストがとても便利
ここがBad……
- ハイブリッド車のブレーキは、踏力と効き方が比例せずカックン気味
- フットブレーキの効きがやや弱い
- 車庫入れでエマージェンシーブレーキが作動し、停車してしまうことも
- 太いAピラーが視界の邪魔
- ドアミラーが小さく、死角が大きい
インテリジェントパーキングアシストは自動で車庫入れしてくれますが、何度も切り返すので恥ずかしいと感じる方もいるようです。
乗り心地・静粛性
ここがGood!
- エンジン音が静かで、室内の静粛性が高い
- ロードノイズはやや聞こえるものの及第点
ここがBad……
- 足回りがやや硬めで、段差が続く場所では振動が収まりにくい
静粛性の高さはトップクラスです。ワンクラス上のセダン並との声もありました。
乗り心地はハイブリッド車の方がマシなようですね。70kgほど車重が重いためでしょう。指定空気圧の高さも、乗り心地の悪さに関係しています。
安全性
◯=標準装備 △=メーカーオプション −=設定なし
装備名称 | 20S | 20X | 20S HYBRID | 20X HYBRID |
---|---|---|---|---|
横滑り防止装置 | ◯ | |||
衝突被害軽減ブレーキ | ◯ | |||
クルーズコントロール | △ | |||
車線逸脱警報 | ◯ | |||
レーンキープアシスト | − | |||
ブラインドスポットアシスト | △ | |||
ヒルホールドシステム | ◯ | |||
運転席・助手席エアバッグ | ◯ | |||
サイド&カーテンエアバッグ | △ |
エマージェンシーブレーキパッケージ装着車のデータ。
値引き・中古車動向
平均値引き額
値引き対象 | 平均値引き額(万円) |
---|---|
本体 | 19.0 |
オプション | 8.5 |
中古車動向
中古車市場においては、T32エクストレイルの約7台に1台が3列車(7人乗り)です。7人乗りは台数が少ないためか、価格もそれほど下がっていません。
ただし試乗車として使われていた車両は、低走行でしかも低価格です。試乗車は減価償却で査定価格が決まるらしく、新車発売から1年〜2年くらいの時期にお買い得な車両が出回り始めるとされています。T32が発売されたのは2013年12月ですから、もう出てきてますね。
ちなみに2列車は走行距離100km以下の新古車が山ほど出回ってます。こちらはやはり人気が無いようです。
リセールバリューはハイブリッドが最強
エクストレイルもやはりハイブリッド車が人気です。リセールバリューを考えれば、ハイブリッド車一択だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。7人乗りSUVに興味のある方は、以下の記事もぜひご覧ください。