スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿予選 Q1から大波乱!
Q1・Q2で優勝候補が次々と脱落
2016年のスーパーフォーミュラが開幕しましたが、予選は赤旗が相次ぐ波乱の展開となりました。
トップ画像の出典: superformula.net
目次
波乱の幕開け
今季からヨコハマタイヤのワンメイクとなったスーパーフォーミュラ。アタックに入る前のタイヤの温め方もブリヂストンとは異なるらしく、すべてのドライバーが2周かけてじっくりとタイヤを温めていました。
ところがQ1のラストアタックで、#19インパルのJ-P.デ・オリベイラ選手が、逆バンクからダンロップブリッジの所でスピン、赤旗の原因を作ってしまいました。
レース再開直後には、#20インパルの関口雄飛選手が、自分のピット前で痛恨のエンジンストール。ラストアタックでも冴えず、インパルは2台ともQ1敗退かと思われました。
ところがQ1終了直前に、スプーンの進入でコースアウトした#4 KONDO RACINGのウィリアム・ブラー選手が、コース復帰の際にスピンしてしまいます。
このためセクター3にはイエローが提示されていましたが、ブラー選手の後方でアタックラップ中だった#1セルモインギングの石浦宏明選手、#8チーム・ルマンの小林可夢偉選手は、このセクターでベストタイムを更新してしまったようです。
可夢偉選手はセカンドベストのタイムでなんとかQ1を突破しましたが、石浦選手のベストタイムは抹消され、ディフェンディング・チャンピオンがQ1で敗退する波乱の幕開けとなりました。
15番手スタートとなる石浦選手ですが、ベストタイムが抹消されなければQ1を2番手で終えていたはずです。調子自体は良さそうなので、明日は後方からオーバーテイクショーを見せてくれると思います。
最強チームに暗雲
Q2もすんなりとは終わりませんでした。なんと#37トムスの中嶋一貴選手が、スプーンでスピンしてしまったのです。
このスピンでまたもや赤旗が提示され、#34 ドラゴ・コルセの小暮卓史選手はアタックを邪魔されてしまいます。彼はセクター1・2で全体ベストを叩き出していました。
Q2で赤旗が出る前にタイムを出していたのは6名だけだったので、予選再開時には14台のマシンがピット出口へと殺到することとなり、数珠つなぎでのラストアタック突入となりました。
Q2ラストアタックでは塚越広大選手、野尻智紀選手の2人がカットラインより上に滑り込み、タイヤが消耗しているはずの小暮選手も5番手タイムを記録するなど、ホンダ勢が躍進しました。
対照的だったのはトヨタ勢です。#4 KONDO RACINGのジェームズ・ロシター選手や、#36トムスのアンドレ・ロッテラー選手など、有力ドライバーがQ2でタイムを縮められず、力負けしてしまいました。
トムス勢が2台ともQ3に進出できなかったのは、2008年の最終戦SUGO以来のことです。一貴選手はタイム自体は良かったので明日の追い上げにも期待できますが、ロッテラー選手はセッティングに苦しんでいるようなので心配です。
鈴鹿マイスター vs 若獅子
Q3の制限時間は7分間ですが、タイヤを温めるのに2周かかることを考えると、アタックできるのは1ラップだけです。なので各車はQ3開始と同時にコースインし、1分50秒前後で周回しながらタイヤを温めていきます。
各車のアタックが始まると、インパルの関口選手が真っ先に1分38秒の壁を破りましたが、すぐさまそのタイムを#2セルモ・インギングの国本雄資選手が塗り替えました。#41ダンディライアンのストフェル・バンドーン選手も37秒台に入れてきますが、国本・関口両選手のタイムには及びません。
可夢偉選手はアタックに失敗、小暮選手もタイムを縮められず、トップ3を若手3人が占めたまま予選終了かと思われましたが、#16 無限の山本尚貴選手が国本選手を0.4秒近く引き離すスーパーラップを決め首位を奪取、ポールポジションを獲得しました。
スーパーラップの可能にしたのは、山本選手のタイヤの使い方です。彼はQ3開始直後には動かず、少し間を置いてからコースインし、1分42秒台の比較的速いラップでタイヤを温めていました。他のドライバーとは異なる手法で温めたタイヤが、抜群のグリップ力を発揮したのです。
決勝の見どころ
ポールポジションは山本選手が獲得したとはいえ、フレッシュな顔ぶれが上位に揃っていることには変わりありません。若手3人が山本選手にどこまで食いついていけるのか注目です。
後方スタートとなる石浦選手、一貴選手、ロッテラー選手、オリベイラ選手らの追い上げは確実ですから、オーバーテイクも数多く見られるレースになると思います。タイヤの使い方が難しいということは、ドライバーの差が如実に出るので、昨年のようなパレードにはならないでしょう。
明日の決勝は15時15分スタート予定です。
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