ポルシェ911 GT3 RSが、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおいて、6分56秒4というラップタイムを記録しました。
これはポルシェ918スパイダーの記録を上回るものです。
とはいえ「ニュル最速の市販車」というわけではありません。
「市販車」の定義が曖昧なので、少量生産の車もラップタイム・ランキングに含まれていますから、年間数万台も生産している量産車の911をベースにしているポルシェは、そもそも不利なんですよね。
今回の911 GT3 RS(タイプ991.2)のタイムは、ニュルの市販車タイムアタックの記録において、6位にランクインしています。
1〜11位までのランキングと、タイムアタック時の動画、そしてそれぞれの車の簡単な紹介を作成してみましたので、ぜひご覧ください。
更新情報
ポルシェ911GT3 RSの項目を追加しました。(2018/04/21)
ポルシェ911GT2 RSのアタックラップの映像を追加しました。(2017/09/29)
ポルシェ911GT2 RSがタイムを更新したので、順位を修正しました。(2017/09/27)
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目次
11位 AMG GT-R

AMG GTの最速バージョンが11位にランクインしました。
タイムは7分10秒92です。
フロントに搭載された4.0リッター・V8ツインターボは、585ps・700Nmを発生します。
アルミニウム製のスペースフレームやチタン製エキゾーストに加え、カーボン製のルーフ、フロントフェンダー、トルクチューブが装着されるなど、軽量化には余念がありません。
10位 日産 GT-R NISMO

日本が誇るスーパーカーは10位でした。
タイムは7分08秒68です。
ニュルにおけるタイムアタック合戦の火付け役となった同車ですが、現行のR35型が登場したのは2007年末ですから、競争力はさすがに衰えつつあります。
NISMO仕様ではFIA-GT3に使われているターボチャージャーである「GT3タービン」を採用し、3.8リッター・V型6気筒ツインターボの出力を、600ps・652Nmにまで引き上げました。
SUPER GTで得られた知見を活かしたエアロダイナミクスも、GT-R NISMOの戦闘力向上に貢献しています。
9位 ダッジ バイパーACR・エクストリーム

9位には、第5世代バイパーのハイパフォーマンスグレード「ACR(American Club Racerの略)」がランクインしました。
タイムは7分01秒3です。
アタック車両には「エクストリーム・エアロパッケージ」というものが装着されており、その外観はほぼレーシングカーと化しています。
このエアロは決して見かけ倒しではなく、285km/hで走行時に約1トンものダウンフォースを発生するそうです。
8.4リッター・V10自然吸気は、645ps・814Nmを発生します。
これだけ大きなエンジンを搭載しているのに、車重は1500kg程度しかありません。
最小限の装備しかついていないからです。
8位 ランボルギーニ アヴェンタドール LP750-4 SV

8位にはイタリアの猛牛がランクインしました。
タイムは6分59秒73と、ついに7分台に突入しています。
ノーマル比+170%というダウンフォースと、50kgの軽量化、そして750psにパワーアップした6.5リッター・V12自然吸気エンジンにより、文字通り「超速(Super Veroce)」を実現しました。
速さだけでなく、V12サウンドも魅力的です。
7位 ポルシェ 918スパイダー

プラグインハイブリッド車の918スパイダーが7位にランクインしました。
タイムは6分57秒です。
4.6リッター・V8自然吸気は608ps。
それにフロントとリアのモーター出力を加えると、システム出力は887psbとなります。
カーボンモノコックの採用や、アルミやマグネシウムの多用により、プラグインハイブリッドの重量を相殺した結果、車重は1490kgに抑えられています。
6位 ポルシェ911GT3 RS
MY2019(2018年下半期〜2019年上半期生産モデル)のポルシェ911GT3 RSが、6位にランクインしました。
6分56秒4というタイムを記録したアタック車両には、ヴァイザッハ・パッケージが装着されており、カーボン製のルーフやアンチロールバーによって、軽量化とコーナリング性能向上が図られています。
また、ヴァイザッハ・パッケージ装着車両のみに用意されたオプションのマグネシウム鍛造ホイールも装備されているようです。
911GT3 RSは、チタニウム製のロールケージや、カーボンバケットシート等のおかげでそもそも軽いのですが、ヴァイザッハ・パッケージによって、車重はさらに18kg近くも軽減されました。
4.0リッター・水平対向6気筒ガソリン自然吸気エンジン(527ps)は、9000回転のレブリミットまでキレイに吹け上がっています。
200km/h時のダウンフォースは標準のGT3の倍だそうで、自然吸気エンジンと相まって、中高速コーナーでも非常に扱いやすそうです。
筆者は車載映像のドライバーのテクニックに関心したのですが、アタックを担当したのはワークス・ドライバーのケビン・エストレだったようですね。
911RSRでル・マン24時間レースを戦っているドライバーですから、上手くて当然です。
5位 ラディカル SR8

画像の出典: By Alf van Beem (Own work) [CC0], via Wikimedia Commons
イギリスのバックヤード・ビルダーであるラディカルが開発したSR8は、見た目こそレーシングカーですが、ナンバーを付けて公道を走れる市販車です。
このSR8がニュルで記録したタイムは、6分56秒06でした。
オートバイのスズキ・ハヤブサのエンジンを流用して製作されたオリジナルの2.8リッター・V8自然吸気エンジンは、360psを発生します。
パワーはそれなりですが、車重は725kgしかありませんから、ニュルで7分を切れるわけです。
4位 ランボルギーニ ウラカン・ペルフォルマンテ

ウラカンの最速グレードが4位にランクインしました。
タイムは6分52秒01となっています。
ウラカン・ペルフォルマンテに関しては、以下のリンク先で詳しく紹介しているので、ぜひそちらもご覧ください。
ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ ニュル最速の市販車
3位 ラディカル SR8 LM

5位にランクインしたSR8を、460psにパワーアップさせたモデルが「SR8 LM」です。
ハイパワーかつ軽量なSR8 LMは、6分48秒というタイムを記録しました。
2位 ポルシェ 911GT2 RS(タイプ991.2)

911GT2 RSが6分47秒30を記録しました。
やっぱりポルシェがナンバーワン!と言いたいところですが、「ガソリン車では」という条件付きなのが悲しいところです。
911GT2 RSに関しては、以下のリンク先で詳しく紹介しているので、ぜひそちらもご覧ください。
ポルシェ新型911GT2 RS 史上最高、そして最後の991
911GT2 RSのアタックラップの映像が公開されました。
1位 NextEV Nio EP9

栄えある1位に輝いたのは、なんと電気自動車(EV)です。
EVベンチャー「NextEV」が開発したNio EP9は、ニュルブルクリンクで6分45秒90というレコードを叩き出しました。
市販予定とはいえ、発売前の車のラップタイムをランキングに加えることには異論もあるでしょう。
しかしEVで記録したことには歴史的意義がありますから、今回はランキングに入れてみました。
Nio EP9に関しては、以下のリンク先で詳しく紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。
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