WRC 2017年のマシン&ドライバー一覧 レギュレーション解説も
フォルクスワーゲンがWRC撤退を発表し、ストーブリーグが一気に熱を帯びてきました。
このページではシートを失った元VWのワークスドライバーたちの動向と、他メーカーマシンの開発状況、そして各チームのドライバーラインナップをチェックしていきます。
2017年のWRC 各ラリーのダイジェスト
WRC 2017 第10戦 ラリードイチェランド(ドイツ) 雨とぬかるみのターマックラリーでトヨタに勝機はあるのか!?
WRC 2017 第9戦 ラリー・フィンランド 超高速グラベルでトヨタ圧勝!?
WRC 2017 第8戦 ラリー・ポーランド 悪天候下の超高速ラリー
WRC 2017 第7戦ラリー・イタリア・サルデーニャ 砂とジャンプに苦戦必至のグラベルラリー
WRC 2017 第6戦 ラリー・ポルトガル 伝統のグラベルロードで、マシンの真価が試される!
WRC 2017 第5戦 ラリー・アルゼンチン トラブル続出! トヨタ勢は生き残れるか!?
WRC 2017 第4戦 ツール・ド・コルス ターマックでトヨタ苦戦必至!?
WRC 2017 第3戦 ラリー・メキシコ トラブル続出でトヨタも窮地に!
WRC 2017 第2戦 ラリー・スウェーデン トヨタ、連続表彰台なるか?
WRC 2017 第1戦
ラリー・モンテカルロ 両雄激闘! トヨタ健闘!
更新情報
オジェとタナクのフィエスタWRC正式カラーリングを追加しました。(2016/12/27)
ヤリスWRCは雪上だと速い!?とヒュンダイi20WRCのコーナリングに違和感を追加しました(2016/12/23)
シトロエンC3WRCの正式カラーリング画像を追加しました。(2016/12/22)
VWの復帰は無し!? ミケルセンの動向は?を追加しました。(2016/12/21)
シトロエンの最新テスト動画を追加しました。(2016/12/16)
トヨタの2017年ドライバーラインナップ および トヨタ・ヤリスWRCの画像を追加しました。(2016/12/13)
フォードの2017年ドライバーラインナップが確定を追加しました。(2016/12/13)
フォード・フィエスタWRC 2017の画像と詳細を追加しました。また、動画の貼り方を工夫し、ページの読み込みを軽くしました。(2016/12/10)
早くも新型登場!? NEWヤリスWRCをラトバラがテストを追加しました。(2016/12/09)
ヒュンダイi20WRCの最新テスト動画を追加しました。(2016/12/09)
セバスチャン・オジェが斬る「トヨタ・ヤリスWRC」を追加しました。(2016/12/07)
フォルクスワーゲンがポロWRC・2017のホモロゲーションを通すという噂について追記しました。(2016/12/04)
ヒュンダイ i20 WRC 2017の正式カラーリング画像を追加しました。(2016/12/02)
フォード、トヨタ、シトロエン、フォルクスワーゲンの項目に最新情報を追記しました。(2016/11/29)
2017年のWRカー&ドライバーラインナップ
開発途中のものも含め、2017年仕様のWRカーの画像と動画を集めてみました。ドライバーの項目は決定済みのチームだけ表にしてあります。
トヨタ
ヤリスWRC 2017
三菱ランサーエボリューションを駆り4度の世界タイトルに輝いたトミ・マキネン。彼が率いるトミ・マキネン・モータースポーツとトヨタが共同開発したWRカーが、ヤリスWRCです。
画像を見るかぎりでは……うーん、ちょっとデザインが古臭い感じがしますね。リアウィングにおおきなスプリッターを立てるのは一時期流行りましたが、今はもう廃れています。
2016年12月13日更新
当初の姿とは似ても似つかぬ姿に進化?したヤリスWRCです。
かつてのMGメトロ6R4のようなゲテモノ感がありますが、どの程度のパフォーマンスを発揮できるのか注目したいですね。
続いては動画です。
下に行くほど新しい動画になっています。
ハッキリ言って、あまり速そうには見えません。コーナーの進入ではアンダーステアっぽいですし、トラクションのかかりが悪いのか、立ち上がりでのアクセル開度も小さいです。
ハンニネンのドライビングの癖なのかもしれませんが、ドリフトアングルが大き過ぎます。90年代ならともかく、こんなに角度をつけてコーナーに入っていく車は今時ありません。
トミ・マキネンのドライブによるターマックテストです。曲がらないためか、アクセルを踏んでは戻しを繰り返しています。1月の開幕戦までもう時間がありませんから、今からパフォーマンスを大きく引き上げるのは難しいでしょう。トヨタのデビューイヤーは相当厳しいものになりそうです。
セバスチャン・オジェが斬る「トヨタ・ヤリスWRC」
英国Autosportのインタビューにて、オジェがテストドライブしたヤリスWRCの感想を語っています。
以下はオジェがヤリスWRCをターマックでテストした際の映像です。
さすが現役の世界チャンピオンは格が違いますね。トミ・マキネンのテスト動画と比べると、ヤリスWRCの動きが段違いです。
しかしオジェが乗ってもアンダーステア傾向は明らかなので、旋回スピードはそれほど速く見えません。
オジェ獲得レースにおいては、マシン的にはフォードに分がある感じです。
オジェはトヨタに移籍しないとは言っていませんが、「勝つチャンスがある車が欲しい」と言っているので、参戦初年度のトヨタに加入する可能性はほぼ無くなったと思われます。
彼はおそらくセバスチャン・ローブが打ち立てたWRC9連覇の記録を打ち破りたいのでしょう。
早くも新型登場!? NEWヤリスWRCをラトバラがテスト
まだ開幕前だというのに、トヨタは早くもヤリスWRCの大幅改良に踏み切りました。
テストでステアリングを握ったのはヤリ-マティ・ラトバラ。
オジェがフォードに行く可能性が高まった今、トヨタが獲得可能なドライバーの中では、最も実績のある選手です。
新仕様のヤリスWRCは、動きがかなりよくなりました。
低速のきついコーナーではアンダーステア傾向が残っているものの、高速コーナーの動きは段違いです。
シトロエンC3 WRCほどではありませんが、ヒュンダイとなら勝負できるかもしれません。
ヤリスWRCは雪上だと速い!?
ラトバラのドライブですが、かなりいい動きをしています。
かなり踏めてるのは排気音からしても明らかです。
ラリーカーが雪の上を走るときには、トゲトゲのついたスパイクタイヤを装着します。
スパイクタイヤは横方向のグリップが極端に強いのですが、それがヤリスWRCには合っているのかもしれません。
もちろんマシンの熟成が進んでいることもあるでしょう。
ヤリスWRCの動きは、1ヶ月前からは考えられないほど良くなっています。
1月20日に行われるモンテカルロ・ラリーが今から楽しみですね。
トヨタの2017年ドライバーラインナップ
マシン的にはフォードに分がありそうですが、しかしトヨタにはマネーがあります(現預金3.9兆円)。オジェに莫大なギャラを用意できるのはトヨタだけでしょう。
マネーパワーでなんとかオジェとの契約にこぎつけて欲しいものです。
2016年12月7日追記
オジェはインタビューで「契約が1年になるか2年になるかはお金じゃない、マシンのポテンシャルだ」と語っています。
トヨタマネーで契約にこぎつけるのは難しいかもしれません。
他のドライバー候補は、ユホ・ハンニネンがもっとも有力ですが、やはりVWから放出されたヤリ-マティ・ラトバラとアンドレアス・ミケルセンもいるので、トヨタはよりどりみどり……かと思っていたら、レッドブルがVWのマシンを引き継いで参戦するとの情報(詳細はVWの項目にて)が飛び出し、情勢は急変しつつあります。
ラトバラはトヨタとレッドブル=VWを天秤にかけているようですね。
エサペッカ・ラッピ、テーム・ス二ネンの名前も上がっているものの、元VWワークスドライバーたちと比べると、物足りなさは否めません。
トヨタのドライバーラインナップ確定(2016/12/13)
オール・フィンランド体制になってしまいました……。
フィンランド純血主義のようなものが肥大化して、某赤いF1チームのようにならなければよいのですが……。
ドライバー | コ・ドライバー |
---|---|
ヤリ-マティ・ラトバラ | ミッカ・アンティラ |
ユホ・ハンニネン | カイ・リンドストローム |
また、エサペッカ・ラッピがテストドライバーとして、チームに帯同する予定です。
トヨタのドライバーラインナップにおける最大の問題点は、ターマックに強いドライバーがいないことです。
このことは今後のマシン開発に響いてくるでしょう。
フォード
Mスポーツはフォードから技術協力を受けているセミワークスチームにすぎませんが、2017年も参戦を継続します。
オジェとタナクのフィエスタWRC正式カラーリング
レッドブルはM-SPORT・チームのスポンサーではなく、オジェのパーソナルスポンサーとしてお金を出しているようです。
そのためタナクのマシンにはわずかなスポンサーロゴしか貼られていません。
タナクは中国のタイヤメーカー「DMACK」のドライバーでもあるので、今季もDMACKの支援を受けるものと思われていました。
M-SPORT代表のマルコム・ウィルソンも、資金面からフォードの3台目はDMACKカラーにするつもりだったようです。
しかしマニュファクチャラー登録されたチーム(つまり世界選手権を争うチーム)の中で、1台だけタイヤ銘柄が異なるということは今までに前例がなく、現在FIAが審査していると言われています。
フィエスタRS WRC 2017
フォード・フィエスタWRC2017は、実に95%ものパーツが新開発され、ほぼ完全な新型マシンとなっています。
車体のデザインは空力を重視し、CFD(数値流体解析)を用いて行われました。
エンジンは380ps・450Nmを発生する1.6L直噴ターボで、リストリクター径はレギュレーション通りの36mm。
ギアボックスは油圧シフト機構を備えた6速シーケンシャルです。
今季から解禁されたアクティブ・センターデフは多板クラッチ式。
足回りはM-SPORTが長年愛用しているレイガー製のフルアジャスタブル・ダンパーとなっています。
ブレーキはM-SPORTが独自開発した、4ピストン・モノブロックキャリパーです。
これまでに行ったテストでの総走行距離は、6392kmにも上ると言います。
フォードは2012年のラリー・グレートブリテンでラトバラが勝ってから、優勝がありません。
2017年には復活の狼煙を上げることができるのか? 要注目です。
2016年のフィエスタRS WRCよりも、トラクションのかかりが断然よくなっています。金持ちのフルワークスチームを相手に困難な戦いが続きますが、ぜひとも一矢報いてもらいたいものです。
フォードの2017年ドライバーラインナップ
2016年11月29日追記
なんと4度の世界チャンピオンセバスチャン・オジェが、近年低迷しているフォードに移籍するかもしれません!
ヒュンダイのドライバーは決定済みですし、シトロエンは「オジェとは交渉の余地がある」と言うものの、クリス・ミークという最大のライバルがいるチームに今から移籍しても、政治的に不利です。
残るはトヨタとフォードですが、実はオジェはトヨタとも接触しており、ヤリスWRCのテストもすでに行っています(詳細はトヨタの項目にて)。
しかしトヨタはまだ海の物とも山の物ともつかないチームですから、フォードが有力ではないかと言われているのです。
そんな訳で消去法的にフォードが最有力候補に躍り出たのですが、フォード・チームを率いるマルコム・ウィルソン(Mスポーツ代表)によれば、「来年のフィエスタWRCは出来が良い」のだそうです。
オジェが乗ればスポンサーも付きやすくなりますし、来季のフォードは意外と健闘するかもしれません。
オジェはフォードと1年契約を希望しており、来年トヨタの出来を見定めてから、2018年に改めてチームを選択するつもりのようです。
オジェ以外のラインナップは、2016年にD-MACKチームで急成長を遂げたオットー・タナクが有力視されています。
タナクは2017年型フィエスタWRCの開発も担当していますから、ほぼ当確でしょう。
フォードの2017年ドライバーラインナップが確定(2016年12月13日)
ドライバー | コ・ドライバー |
---|---|
セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア |
オットー・タナク | Martin Järveoja |
オジェがフォードにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
オジェのフォード移籍により、2017年のWRCはかなり面白くなりそうです。
というのも、VWがフル参戦する前の年(2012年)に、オジェはシュコダ・ファビアS2000でテスト参戦していたのですが、格下のマシンでWRカーを追い回すという離れ業をやってのけたことがあるのです。
フィエスタWRCは競争力でシトロエンやヒュンダイに及ばないかもしれませんが、オジェならば優勝争いも可能なはず。
VW一強体制だったここ4年間とは異なり、来季のWRCは大混戦になると思いますよ。
また、正式にM-SPORTに加入したタナクも楽しみな逸材です。
グラベルではオジェを凌ぐようなスピードを見せてくれるでしょう。
ヒュンダイ
i20 WRC 2017
今季新型車両を投入したことで、2017年仕様の開発遅れが心配されていたヒュンダイですが、テストは行われています。
2016年仕様のi20 WRCもそうですが、やっぱりフロントヘビーな感じがしますね。コーナーの進入や、奥に行くにつれてRがきつくなるようなところで、アンダーステア傾向なのが見て取れます。ベース車両の特性なんでしょうか。
でもS字の切り返しなどはスムーズです。ワイドトレッド化されたことが功を奏しているのでしょう。
2016年12月9日追記
路肩に濡れた落ち葉が溜まっているコンディションなので、落ち葉のある所で滑るのは仕方がないのですが、それ以外の所でもかなりオーバーステアな傾向が見られます。
アンダーステア傾向は弱まったように見えるのですが……常にリアタイヤが滑っている感じです。
ヒュンダイi20WRCのコーナリングに違和感
映像を見るとわかりますが、他メーカーの車に比べてリアサスが伸び上がりやすく、イン側のリアサスが伸びきった状態でコーナリングしています。
シトロエンなどはコーナリング時でもフラットに近い姿勢を保っているので、ヒュンダイのコーナリング姿勢には違和感がありますね。
レインコンディションなので車の過敏さを抑えるべく、リアサスを柔らかめにして走っていたとすれば辻褄が合いますが、結構頻繁にリアタイヤがロックしているので、セッティングでわざとそうしているとは考えづらいです。
ヒュンダイの2017年ドライバーラインナップ
ドライバー | コ・ドライバー |
---|---|
ティエリー・ヌービル | ニコラス・ギルソウル |
ヘイデン・パッドン | ジョン・ケナード |
ダニ・ソルド | マルク・マルティ |
「トヨタ行きか、それともシトロエンか?」と取り沙汰されていたヌービルでしたが、結局ヒュンダイとの契約を2年間延長し、残留することが正式に決まったようです。
パッドンとソルドも2018年末まで契約を有しているので、今後2年間、ヒュンダイは同じ布陣でWRCを戦うことになります。ただし開発ドライバーのケビン・アブリングの来季動向は不明です。
シトロエン
C3 WRC 2017
圧倒的な強さでシリーズを席巻しているWTCCのプログラムを終了し、2017年のWRCに全リソースを注ぎ込んでいるシトロエン。その甲斐あってか、C3 WRCの完成度は高そうです。
リアウィングの造形が面白いですね。サイドから回り込んできた左右の気流を合流させると乱れが生じるので、それを防ぐために下段のウィング中央を膨らましているのでしょう。
C3WRCの正式カラーリング発表!(2016/12/22追記)
当初発表されたモデルは、WTCCマシンのようなモディファイを加えられた箇所が散見されたのですが、最終的にはラリーカーのスタンダード的なデザインに収まったようです。
続いては動画をご覧ください。
他メーカーのマシンと比較すると、C3WRCの速さがハッキリわかると思います。
高速コーナーの旋回速度と安定感が素晴らしいですね。トラクションのかかりも良さそうですし、現時点では一番完成度が高いマシンでしょう。
2016年12月16日更新
シトロエンがモンテカルロでテストした際の様子を撮影した動画です。
ヒュンダイの動画と見比べると、シトロエンC3 WRCの完成度の高さが一目瞭然です。
C3 WRCは、トラクション性能の高さが特に際立っています。
路肩のグラベルをインカットしたときや、ヘアピンでドリフトした後の立ち上がり時など、車が滑りやすい・滑っている状況でも、アクセル開度が全体的に深く、車の動きも横に逃げていません。
シトロエンの2017年ドライバーラインナップ
2016年10月5日、ドライバーラインナップが正式に発表されました。
ドライバー | コ・ドライバー |
---|---|
クリス・ミーク | ポール・ナグル |
クレイグ・ブリーン | スコット・マーティン |
ステファン・ルフェーブル | ギャビン・モロー |
2016年と同じ体制で、新WRカー元年を戦うことになります。
エースのミークを中核に、成長著しい若手のブリーンと、シトロエンの秘蔵っ子ルフェーブルが脇を固める布陣です。
ヒュンダイから離脱すると見られているティエリー・ヌービルが、シトロエンと接触しているとの情報もありましたが、契約には至らなかったみたいですね。
シトロエンは以前、エースだったセバスチャン・ローブと、秘蔵っ子だったセバスチャン・オジェとが対立し、オジェがVWに移籍してしまった経緯があります。
この問題はしばらく尾を引き、ローブがフル参戦しなくなった2013年以降、シトロエンには絶対的なエースがいない時期がありました。
その後ミークが台頭して事なきを得たのですが、彼がいなければ今もエースドライバー探しに奔走していたはずです。
そんな経緯があるので、経験を積み成長した2〜3年後のブリーンやルフェーブルと競合しそうな28歳のヌービルを、シトロエンはチーム内に入れたくなかったのだと思います。
一方ミークはもう37歳ですから、世代交代はスムーズに行われるはずです。
2016年11月29日追記
シトロエンはオジェと交渉しているようです。何考えてるんでしょうね……。
たしかにオジェはシトロエンと対立していたというよりも、セバスチャン・ローブ(と彼を支持するスタッフ)と対立してVWに移籍したわけですが、だからといってチーム体制が固まった後からオジェを加えるのは、内紛のリスクを高めるだけでしょう。
シトロエンの行動には首を傾げざるを得ません。
フォルクスワーゲン
ポロWRC 2017
2016年現在は最強マシンとして君臨しているポロWRCですが、2017年も優勝候補の最右翼です。
一番上の動画は5月にマーカス・グロンホルムがテストしているときのものですが、コーナーの出口でリアタイヤのグリップがやや足りてないような動きをしています。
下2つはラトバラが9月にテストしたときの映像です。車の動きが非常にスムーズで、コーナリングでも安定しています。一気に完成度を上げてきた感がありますね。
ブレーキングからコーナー進入までの一連の動きもいいので、アクティブセンターデフの開発も上手くいっているようです。
VWのWRC撤退が決定(2016/11/02追記)
残念ながらVWは2017年のWRCにエントリーしないようです。マシンの開発が進んでいたのにもったいないですね。詳細については以下のリンクからどうぞ。
フォルクスワーゲンのWRC撤退が決定 2017年のWRCはどうなる? | 車知楽
2016年11月29日追記
レッドブルがポロR WRC2017を引き継ぎ、参戦する可能性が出てきました。VWではなく、レッドブル・レーシングとしてマニュファクチャラー登録するつもりのようです。
そのためラトバラはVWに残留する可能性が高まっています。
2016年12月4日追記
ポロWRC2017の開発は99%完了していると、開発部門のトップであるフランク・ウェルシュ氏が認めました。
また、プライベーターからの引き合いがあるので、ホモロゲーションを通すかもしれないとのことです。
VWに接触しているプライベーターは多いようで、レッドブル以外にも走らせるチームが出てくるかもしれません。
正式な決定はまだのようですが、2017年仕様のポロWRCがエントリーする可能性は、かなり高いといえるでしょう。
VWの復帰は無し!? ミケルセンの動向は?
FIAが2017年のマニュファクチャラー登録チームを発表しましたが、その中にVWの名前はありませんでした。
これはポロWRC2017がホモロゲーションを獲得できなかったということでもあります。
つまりどのチームであろうと、ポロWRC2017をエントリーさせることはできないのです。
また、アンドレアス・ミケルセン選手は、モンテカルロ・ラリーにシュコダ・ファビアR5(WRC2クラス)でエントリーしているようです。
彼ほどのドライバーがプライベート参戦なのはもったいない感じがしますが、ワークスのシートはすでに埋まってしまっているので、2017年は辛抱するしかなさそうですね。
2017年のWRカー車両規定(レギュレーション)
リーマン・ショックの余波でスバルが撤退してからというもの、日本におけるWRCの報道量は激減してしまいました。そのため今のWRCがどのような車両規定なのかわからないという人も多いと思います。
そこで1997年以降の車両規定の変遷についてまとめることにしました。WRカーの車両規定は大きく分けると、1997-2010の第1期、2011-2016の第2期、そして2017年から導入される第3期の3つに分けられます。
規定 | 1997-2010 | 2011-2016 | 2017- |
---|---|---|---|
エンジン | 2Lターボ | 1.6Lターボ | |
最高出力(ps) | 330-340 | 320 | 380 |
最大トルク(Nm) | 550-650 | 400 | ??? |
リストリクター径(mm) | 34 | 33 | 36 |
最大ブースト(bar) | ??? | 2.5 | 2.5 |
最低重量(kg) | 1230 | 1200 | 1175 |
デフ(F/C/R)※1 | A/A/A※2 | P/N/P | P/A/P |
※1 フロント/センター/リアのディファレンシャルギア
※2 A=アクティブデフ P=パッシブデフ N=デフなし(none)
第1期WRカーの最高出力は300psと当時言われていましたが、シトロエンによると340ps程度は出ていたようです。
また、第2期WRカーは当初6速シーケンシャルのフロアシフトでしたが、2015年からはパドルシフトに戻されています。
表にはありませんが、2017年規定で大きく変わるのはエアロダイナミクスです。大型化されたリアウィング等により、ダウンフォースが大幅に増えるため、コーナリング速度が上がると予想されています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。