SCG 003Sは、ニュルブルクリンクを6分30秒で走れる!?
スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)は、003 ストラダーレ(003S)ならニュルブルクリンクで6分30秒を記録できると主張しています。
しかしニュル24時間レースやVLNシリーズで活躍してきたSCG 003だけに、大言壮語というわけでもなさそうです。
今回はSCG 003とグリッケンハウス氏について詳しく解説します。
スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスとは?
自動車収集家として有名なジェームズ・グリッケンハウス氏が始めたプロジェクトです。
彼はエンツォ・フェラーリのワンオフモデル「ピニンファリーナ・フェラーリ P4/5」や、F430のレース仕様「P4/5 コンペティツィオーネ」などを製作してきた、筋金入りの「カーガイ」です。
しかし既存車両の改造では物足りなくなったのか、「公道も走れる本物のレーシングカー」をコンセプトに、SCG 003を製作。
2015年から003をレースに投入し、2016年にはついにストリート・リーガル仕様を完成させました。
ジェームズ・グリッケンハウス氏の本業
グリッケンハウス氏は映画監督・脚本家・プロデューサーとして活躍した人物ですが、ヒット作といえるのは「エクスターミネーター」(製作費200万ドル:興行収入3500万ドル)くらいなもので、その後は鳴かず飛ばずでした。
彼の父親・セスは、ウォール街の債券トレーダーからマネー・マネジャーとなった立志伝中の人です。
グリッケンハウス親子はGlickenhaus & Co.という投資顧問会社を共同で設立し、息子ジェームズもマネー・マネジャーとして働いていたようです。
ジェームズ・グリッケンハウス氏の財力は映画ビジネスだけでなく、ウォール街で培われた部分も大きいのではないでしょうか。
SCG 003とは?
デザインはピニンファリーナが担当。
製造はイタリアのマニファトゥーラ・アウトモビリ・トリノに委託されており、すべて手作りで生産されています。
SCG 003にはいくつかの仕様があり、最初に完成したのは「コンペティツィオーネ」でした。
ニュルブルクリンクやVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)で走っていたのはこの仕様です。
次に完成したのは「コンペティツィオーネ・ストラダーレ」というものです。
これはレースを走るときにはホンダの3.5L・V6ツインターボ(HPD製)を搭載し、公道走行の際には別のエンジンに載せ替えるという、突飛な発想の車でした。
そして昨年完成したのが、正真正銘のストリート・リーガル「ストラダーレ」です。
SCG 003 ストラダーレ
エクステリア
エンジン
BMW製の4.4L・V8ツインターボを搭載します。
このエンジンは800ps・850Nmを生み出すハイパワー・ユニットです。
このストラダーレのパワーは、レース仕様の「003 コンペティツィオーネ」を300ps以上も上回っています。
コンペティツィオーネはニュル24時間のバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)によって絞られているため、500ps弱しか出ていなかったのです。
003 ストラダーレの動力性能は、0-96km/h(0-60mph)は3秒未満、最高速度347km/hとなっています。
シャシー
軽量なカーボンモノコックと、248km/hで走行中に700kg以上のダウンフォースを発生させるエアロダイナミクスのおかげで、旋回Gは2.0Gにも達します。
そのためストリート・リーガルなダンロップタイヤを履いていても、ニュルブルクリンクを6分30秒でラップできるそうです。
ちなみにポルシェ・918スパイダーは、ニュルで6分57秒を記録しています。
SCG側の主張が事実ならば、003 ストラダーレは驚異的なポテンシャルを秘めていることになりますね。
価格
130万ドルと言われています。$1=¥110換算だと、1億4300万円です。
パガーニやブガッティなどがライバルとなる、ハイパーカーの価格帯ですね。
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