スバルWRX STIタイプRA NBRスペシャルが、ニュルブルクリンクで4ドアセダン最速タイムを樹立!
スバルのWRX STI タイプRA NBRスペシャル(以下、NBRスペシャル)が、ニュルブルクリンクにおいて4ドアセダン最速タイムを樹立しました。
同車が記録したのは6分57秒5で、これはポルシェ918スパイダーの6分57秒に匹敵するタイムです。
NBRスペシャルは実質レーシングカーとはいえ、918スパイダーはおよそ1億円もする車ですから、それに伍するタイムを記録したのは素晴らしいことだと思います。
今回はNBRスペシャルの速さの秘密についてです。
ニュルブルクリンクにおける4ドアセダンのタイム
メーカー | 車種 | タイム(分:秒) | 記録年 |
---|---|---|---|
スバル | WRX STIタイプRA NBRスペシャル | 6:55 | 2017 |
ポルシェ | パナメーラターボ | 7:38 | 2016 |
アルファロメオ | ジュリアQV | 7:39 | 2015 |
BMW | M5 | 7:55 | 2011 |
メルセデス・ベンツ | E63 AMG S | 7:55 | 2013 |
キャデラック | CTS-V | 7:59 | 2008 |
スバル | インプレッサWRX STI Spec C | 8:06 | 2004 |
アウディ | RS4 | 8:09 | 2006 |
出典: Ten Four-Doors With the Fastest Nurburgring Lap Times | roadandtrack.com
NBRスペシャルはレーシングカーなので、ロードカーと比較しても仕方がないのですが、一応記載しておきます。
NBRスペシャルが4ドアセダン最速であることに変わりないので。
NBRスパシャルの速さの秘密
ベース車は2017年モデルのWRX STIで、室内には溶接されたロールケージが張り巡らされています。
NBRスペシャルはスバルの技術力を示すために、かつてWRCを共に戦ったプロドライブ社と再びタッグを組んで製作された車です。
なのでスバルを象徴する技術である「シンメトリカルAWD」も、もちろん採用されています。
NBRスペシャルのシンメトリカルAWDはラリー仕様となっており、特別なチューニングが施された2.0リッター・ボクサーエンジンのパワーを、余すところなく路面に伝えることが可能です。
エンジンもWRCスペックで、ブースト圧は1.72バール、パワーは600ps以上/8500rpm、最高速は286km/hを記録します。
ギアボックスもWRC仕様です。
シフトチェンジにかかる時間は、わずか20〜25ミリ秒でしかありません。
しかしNBRスペシャル最大の武器は空力です。
NBRスペシャルと、昨年マン島を走ったTTカーとの最大の違いは、再設計されたエアロパッケージにあります。
このエアロは最高速時に約295kgのダウンフォースを発生。
NBRスペシャルのハンドリングを大幅に改善しました。
ですがダウンフォースが増大すれば、必然的に空気抵抗(ドラッグ)も大きくなってしまいます。
ストレートが長いニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおいて、ドラッグの大きさは無視できません。
そこでプロドライブはF1で使われているDRS(ドラッグ・リダクション・システム)を採用し、ストレートでの空気抵抗を減らすことに成功しました。
DRSはステアリングスイッチからコントロールでき、ドライバーの操作からわずか0.2秒で、リアウィングの迎角が変わる仕組みです。
もちろんブレーキング時や急旋回時には、リアウィングが元に戻るようになっています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。